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呪われた装備でハック&スラッシュ! ~異世界で神すら把握できないスキル使って呪い装備のコーディネートします~  作者: 馬ノ やすら
第四章~

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【第110話】レジカとルビア

翌日、俺は以前と同じ様に早々に準備を始め朝食を作っていると4人娘たちが元気良く部屋に入ってくる。

「ススム君!おはよう!もう本当に大丈夫なの?」

「ススムさん、おはようございます。無理なさらないでも大丈夫ですのに。」

二人は心の底から俺のことを心配してくれている。

そう思うような顔で俺を見てくれた。

「おはようございます。ええ、もう大丈夫ですよ。昨日もゆっくり出来ましたし、お陰で自分のやるべきことがわかったので。」

俺がそう言ってにこやかに答える。


「そっか、それなら良かった!」

「ええ、ススムさんの役に立つことが出来たのでしたら幸いです。」

そう言って4人娘達が朝食の席に付き、何時ものようにご飯を食べながら一日の予定を確認し合う。


「僕は何時ものようにスラム街と商業ギルドでしょうね。色々と確認することもありますし、次のダンジョンに備えてやることはやっておかないといけませんので。」

「もう次のダンジョン?」

「もう少しゆっくりされてもバチは当たらないと思うのですが。」

「あはは・・・。」

サーシャはバチは当たらないと言っていたが、俺の昨日の考えが正しければタイムリミットは確実に存在しているし、解決できるなら早めに解決しなければいけない。

まずはレベルを45まで上げること。

そしてヴェリティアに託されたダンジョンの鍵を攻略すること。

どちらも可能な限り急ぐことにした。


アリスとサーシャはというと、俺が倒れてから今日に至るまで、自分たちの仕事を放り投げて俺の看病に時間を使ってくれたらしい。

「本当にご迷惑をおかけしました。」

俺がそう言い、頭を下げようとすると二人に止められる。


「待った!それは無し!」

「そうです。水臭いです。」

「いや、しかし・・・。」

「少なくとも、今の関係であっても私たちは家族だと思っているんだよ?」

「ええ、家族が倒れたのなら、それは家族で心配し家族で面倒を見る。これは当たり前のことでは有りませんか?」

アリスとサーシャから『家族』という言葉を持ち出されて俺はドキッとしてしまった。

だがそれと同時にそれもそうか、と納得もしてしまう。


「わかりました。ただ、感謝はさせて下さい。本当にありがとうございました。」

「うむー。わかったのなら良い!」

「そうですね。これからも助け合いながら行きましょう。」

アリスとサーシャがそう言うと、それを聞いていたセリアとナナリーも頷いていた。


俺は4人娘を穴熊亭まで見送り、スラム街へと行く。

俺の姿を見た住民や自警団の面々が大きな声で俺を指さし呼ぶ。

「ス、ススムさんだー!」

「良かったー・・・。」

「心配したんですよ!!」

「あはは。ご心配をおかけしました。」


俺は各部署を回るも同じ様なリアクションをされ、非常に喜ばれると同時に心配されていたというのが良く伝わってきた。

特段俺が寝込んでいる数日の間にトラブルは起きていないようで日報もしっかりと書かれている。

俺は基本的にアイデアは出すが実働は全て現場の人間に丸投げをしているのにはこういう利点も有るのだ。


例として腹をすかせている住民が住む村に魚をただ分け与えるだけでは意味がないという話がある。

これは当然の話しであって恵んでもらった住人たちはその魚を食べ終えればまた飢えに苦しむことになる。

重要なのは魚をただ与えるのではなく、『魚の取り方を教えること』に意味がある。

そうすれば最初に与えた魚を全て食べ終えたのなら、次からは自分たちで魚を取る事ができるのだ。


俺がこのスラム街に求めていた姿は其処に有る。

終着点は示し、そこに至るまでの道は描いてあげるが実際にその道を進むのは全て仕事を行っている住民たちだし、結果として得られた物も全て住民たちのものだ。

俺はあくまで教えることに徹しているので、今回のような俺が不在になるようなトラブルが起きたとしても、一気に計画が頓挫するようなことは起きない。

非常に順調な様子を確認することが、結果として出来たのだった。


俺が学校の礼拝堂に入ると、ルビアを筆頭とした自警団の各部署の長級の面々が集まり今後の対応を話し合っているところであった。

「よう。」

俺が軽く手を上げ真剣に話し合っている面々に声を掛けると、スラム街での入口のように元ギャング団を名乗っていた強面の面々が俺を心配して声を掛けてくれた。


「・・・よお。もう体調は良いのか?」

珍しくルビアも心配してくれているようでその様に声を掛けてくる。

「お陰様でな。問題は特に起きてないか?」

「ああ、お陰様で全く問題ねえな。」

「そいつは良かった。王族たちと話し合っただけの価値があったようで何よりだ。」

「ああ・・・。さあ、お前ら後は頼んだぞ。」

「「「おう!」」」


どうやら丁度話が終わるところだったようで、確認が終わった面々は自分たちの持ち場へと戻っていった。

「・・・本当に大丈夫なんだな?」

ルビアはよほど心配だったのか俺に再度の確認をしてきた。


「ああ、問題はない。それよりもルビア。ちょっと良いか?」

「あん?何だよ。」

「俺は無知だったよ。何故この国でエルフ族やエンジェル族が居ないのかの理由を知った。」

俺がそう言うとルビアは赤羅様に嫌そうな顔をした。

「・・・!ああそうかい・・・。それで?お前もエルフ族に対して嫌気が差したってか?」

「いいや、逆だ。レジカがやったことは正しい。何も間違っちゃいない。」

俺が初代勇者宗一郎の従者で勇者を裏切り、大罪者として知られることになるレジカの名前を出した所で、ルビアは明らかに顔色が変わる。

「お前に・・・。お前に何が分かるっていうんだ・・・!?」

「ルビア、落ち着け。」

「なっ!?」

俺は至って冷静にルビアの顔を真っ直ぐ真剣に目を見て答える。

「いいか、落ち着け。」

俺の余りの真面目な表情に逆に気圧されたのか、ルビアは一気に大人しくなる。


「・・・。どうせお前のことだ。また突拍子もないことからそんな事に行き着いたんだろう。」

ルビアは俺のここでの振る舞いをほぼ全て見てきた人間の内の一人だ。

「まあ、そんなところさ。だがこれだけ言っておきたくてな。エルフ族は悪くないし、ルビアはルビアだ。」

俺がそう言うとルビアは肩をすくめる。

「ああ、そうかい。全く・・・。」


俺はその後、前伯爵とも面会し折角用意してくれた演劇での席での失態について詫びを入れた。

「大変申し訳有りませんでした。ヴォルフガング様」

「気にするな。それより体調の方はもう良いのか?医者は心労だろうと言っていたが何か私に出来ることが有るなら何でも力になるぞ。」

「その言葉、大変ありがたく思います。ですがもう大丈夫です。本当に心配をおかけしました。」

「そうか・・・。」

「早速ですが、再び支度を整えた後にダンジョンの攻略を数日以内に始めます。」

「なんと!?本当に大丈夫なのか?」

「ええ、其の為に今日は一日掛けて数日分の情報の処理に力を入れますので。」

「全くお前というやつは。ただただ呆れるな。」


その後も心配をかけたという挨拶まわりと情報処理で一日が終わった。

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