【第101話】初めてのピンチ!
日常生活、ダンジョン攻略は共に順調すぎる位のペースで時は進む。
日常生活においては大きなトラブルもなく各種運営も担当者が優秀なことも相まってもうほとんど手放しの状態で歯車が回りだしている。
俺は日々上がってくる日報を見て、助けが必要そうな場面のみ直接その問題に共に解決を模索し前進している。
ダンジョン攻略においては未だにルーンの力は発揮できてはいないが初心忘れずの帽子の力が絶大すぎた。
本当に等級がユニークなのかと思うくらいのスキル構成であり、ダンジョンの攻略時間が格段に早くなった。
そうして俺のレベルはあっという間にレベル39まで上がり、次のダンジョンを攻略すればいよいよレベル40になるという段階まで来ている。
ちなみにその間に入手した装備品はまるで自身のビルドに当てはまらない性能ばかりだったのでサーシャに譲ると感激の涙を流していた。
【呪われた装備】をプレゼントして喜んで涙するのは恐らくこの世界で一人だけだろう・・・。
俺が次のダンジョン攻略の準備をしているとサーシャから声がかかる。
「今度戻られてからお時間ある時にデートでもしませんか?実はススムさんの力になるのではないかと思いある商店を紹介したいのです。」
「うん?それは嬉しい話ですが、それは【呪われた装備】関係の商店とか?」
「いいえ、真逆です。一般的に流通している装備品ですが等級がレア以上ばかり揃えた高級商店なのです。金級の商人、冒険者の資格を有しているのでしたら入ることも可能だということも確認しておりますので。如何でしょうか?」
「ずっるーい!私も行ってみたい気はするんだけど、実際のところそういう装備品とかって見ても余り興味わかないし、むしろ物騒なものは苦手な部類だしなあ。」
アリスは一緒に何処かには行きたいという欲求は有るが物騒なものは勘弁という感情の間にいるようだった。
「では、今度何かで埋め合わせしますよ。何処か行きたい場所があれば教えてください。」
「やったーーー!!」
俺が代案を出すとアリスはサーシャと共にくるくる回りだした。
俺としても一度は【呪われていない】通常の装備品をこの目で見てみたいと思っていたところだったので非常にありがたい話だ。
「それじゃあ、行ってきますね。」
「「いってらっしゃーい!」」
俺は見送りを受けながら手に持っている【呪われた】ダンジョンの鍵を使い新たなダンジョンへと侵入する。
ダンジョン内は比較的広い洞窟の内部と言ったところであった。
こういうダンジョンは敵が更に密集しやすいので一撃の魔法で相当数を屠ることが出来るので大好きな構造だ。
ただ以前とは大きく違う所はやはり帽子の効果だろう。
全ての魔法属性が【基本魔法】の属性を帯び、更に【基本魔法】のレベルが2上がるというとてもレジェンダリーだとは思えない装備品のお陰でまず、『ファイアボール』は無詠唱で発動するようになったし、威力も上がっている。
更に着弾時に降り注ぐ『メテオフォール』もその恩恵の対象となっているため威力が凄まじいことになっている。
ドドドド!!!とこの洞窟がダンジョンではなく普通の洞窟ならまず間違いなく崩れているだろうなあと思われるような威力の魔法が雨あられの様に降り注いでいる。
ダンジョンは何処かに実際に存在している場所に強制的な転移をしているのかと疑問にも思ったことがあったが、どうやらそうではなく本当に異空間に存在している『別の物』であった。
時間の流れが歪なのもそのせいだとは思うが空間そのものがこの世界の摂理から切り離されたようなそんな場所であることを確認していた。
「もしかしたらこのダンジョンも元々はこの世界には存在していない、世界の【バグ】なのかもなあ。」
そう思うと結構しっくり来るところがあるが、そうなればそれだけ女神ルミナリアが行っている事象に対する事への反発はそれ自体がこの世界を危うくさせている原因なんではないかと認識させられる。
あっという間にボスが居るであろう部屋まで到着をするが今日のボスは今までに見たことがないタイプのボスだった。
「ゴーレム・・・?ただあれは金属っぽい様な・・・。」
すると俺の声に反応したのか眠りについていたゴーレムが突如として起動する。
「おお・・・、やべ!」
ゴーレムはボスなだけ有り、【気配遮断】を使っていたとしてもそれを看破してくる。
鈍重な動きかと思いきやかなりの速度で突進してくる。
俺はその動きを止めるために急遽【遠距離召喚型】に切り替え氷の上位精霊による凍結を試みる。
召喚と同時に一気に郡の上位精霊達がゴーレムから敵対反応を感知し、一気に冷凍ビームが放たれゴーレムが一気に凍りつくもダメージらしいダメージが入っていない。
「嘘だろ!!」
俺は初めてのことに若干狼狽えてしまう。
というのも基本的に俺が嗜んでいたハックアンドスラッシュゲームは確かに色々な属性はあったが、基本的にどの属性であってもボスなどに所謂【耐性属性】は設定されておらず、威力だけ上げていけばゴリ押しで倒せたからだ。
なのに今回が初めてその状況から逸脱している。
「考えろ・・・!」
相手はゴーレムだが金属のような輝きを放っている。
金属系のゴーレムなら熱の急激な変化には弱いはずだ。
俺はそう考え、可能な限りMPを回復した後、凍結状態のゴーレムに対し、ファイアボールを放ち今度は一気に炎上状態まで持っていく。
氷が一瞬で溶けだし炎上状態となったゴーレムに、再度【遠距離召喚型】に切り替え再び氷の上位精霊で一気に凍らす。
すると狙った通り、ゴーレムは急激な熱の変動に耐えかね、凍結状態になった瞬間、バキバキバキ!!と先ほどとは明らかに違う音がし始める。
俺はそれを確認した後、【近接召喚型】に切り替え雷の上位精霊を纏い一気に距離を詰め、ノックバックを伴うほどの強力な連打をゴーレムに浴びせると熱変動に耐えきれなくなったゴーレムは見事に砕け散り、倒すことが出来た。
その瞬間経験値が入り、無事にレベル40となる。
「ぶはーーー!!流石に今回はきつかった・・・・!!!というか耐性属性とかあんのかよ!!」
実際は今までもあったのかも知れないがそれを遥かに上回る火力で押し切っていただけなのかも知れないがここまで露骨な耐性持ちは初めてだったので非常に焦った。
俺がはぁはぁ、と息を切らしているとフード内からポチが飛び出す。
「あ、ポチ!またお前は!!」
『凄いの出るよ!金ピカ!!』
ポチが興奮しワンワン吠えている先ではゴーレムが戦利品に変化し、そして今まで見たことのない光を纏った首飾りとゴーレムが纏っていた金属が戦利品となっていた。
「こ、こいつは・・・。」
俺も見たことがない光を放つ首飾りにゴクリと喉を鳴らすがそれと同時にこの洞窟の崩壊も始まる。
「まずいな。ポチ!」
『わかったのー!!』
俺は即時ポチと戦利品を回収し、ダンジョンから脱出をする。
ゴロゴロゴロゴロ
「ぐえ!」
『痛いのー・・・。』
「イタタタ・・・。相変わらずこのダンジョンからの脱出はいつも上手く行かないな・・・。ポチ、大丈夫か?」
『大丈夫じゃないよ!痛いよ!』
「すまんすまん。フィルル!」
俺がフィルルを呼ぶとフィルルが飛んできてくれる。
『お帰りなさいませ、ススム様。今回はほぼ時間ぴったりでしたね。』
「ただいま。なるほど。そいつは良かった。とりあえず、こんな状態だ。風呂の用意してくれるか?」
『勿論です!』
俺は泥だらけになった身体とポチを見て直ぐに風呂に入る。
「それにしても耐性属性かあ・・・。場合によっては今後考えなきゃいかんか?」
うーん・・・。と考えながら風呂から出た後、とりあえず戦利品の確認をすることにした。
『御主人!早く!早く!ポチ、あれが見たい!!』
「わかったわかった。今出すからお前の身体拭いてからだ。」
『えー・・・。』
俺は先程の戦利品に興奮しっぱなしのポチを抑えて体を拭き、ようやく落ちつたい所で先程の戦利品を取り出す。
フィルルも気になったようで、隣で見学をするようだ。
俺が収納鞄より、先程の首飾りを取り出すとやはり強い今まで見たことがない光を放っている。
更にその首飾りを見た瞬間ポチが遠吠えをし、加護が発動する。
俺はその首飾りを手に取り自然と笑みが浮かぶ。
「うは。まじかよ。」
【レジェンド:偉大なる大召喚者の首飾り(加護)】
効果:HP+10、MP+20、AGI+4、MND+15、INT+18、LUK-13
【レジェンド:偉大なる大召喚者の首飾りを鑑定しますか? はい/いいえ(鑑定用アイテム0個)】
久しぶりのレジェンド装備に心が踊る。
まあ、これについてはサーシャが帰ってきてからだろうな。
そもそも上級用の鑑定魔道具も無いし。
レジェンド以上は間違いなく大きくゲームチェンジャーになりうる破格の性能持ちだ。
今度はどんな性能になるやら。




