表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クライセン艦隊とルディラン艦隊 第3巻  作者: 妄子《もうす》
31.2つの終わりと2つの始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
86/263

その20

「畏まりました」

 サラサが諦めたのを確認すると、リーダー格の女性は恭しく、そう言った。


 それは、始まりの合図であった。


 恭しさが飛んだ次の瞬間、3人の女性はキラリンと目が輝いた。


 そして、サラサは立たされると同時に、今着ている服を身ぐるみ剥がされた。


 あまりの手際の良さに、驚いていると、その暇もなく、下着が装着された。


 魔法少女の変身と言いたい所だが、どう見てもロボットの変形合体と表現した方がいいだろう。


 サラサは、立たされたり、座らされたりしながら、ぱっぱぱっぱと衣装を装着されていった。


(……)

 サラサは、それを無心で受け入れた。


 こう言う時は、流れに逆らってはいけないという事を人生で初めて悟った瞬間だった。


 そして、この時、バンデリックのあの表情が思い浮かんできたのは無理もない事だった。


 とは言え、嵐というものは過ぎ去るもの。


 思ったより早く、ドレスの装着は終わりを迎え、いつの間にか、ドレッサーの前で座っていた。


「ふぅ……」

 サラサが、安堵の溜息をつくのは珍しい。


 レアすぎである。


 3人の女性達は、一旦、サラサの元から下がった。


 女性達に、恭しさが戻った瞬間でもあった。


(ようやく終わったのね……)

 サラサは、儀式前に疲れ果ててしまったようだ。


「伯爵閣下、それでは仕上げに入ります!」

 リーダー額の女性が、恭しくそう言った。


 そして、3人の目は再びキラリと光線を放った。


「えっ!?」

 サラサが驚いたのは無理もなかった。


 まあ、ドレス装着は前段階ですよね。


 その後、髪のセット、化粧などがありますから……。


 なので、3人の女性達は手分けしてそれに取り掛かった。


 髪の毛を梳かすのに、頭が引っ張られる。


 サラサも銀髪の豊かな髪の持ち主である。


 直毛なので、梳かしやすいのかも知れないが、まあ、髪の毛というものは絡みやすい。


 なので、丁寧に梳かす必要がある。


 そして、化粧である。


 顔をペタペタやったりするので、目を瞑る時も多い。


 それが、何をやっているのかという不安を誘う。


 あ、まあ、何をやっているのかは分かっているのだが、目で追えないとのは意外と不安感を誘っていた。


 だが、第2の嵐も過ぎ去るもの。


 効率よく、作業が進められたので、解放されるのも早かった。


 とは言え、この第2の嵐で、サラサは溜息もつけないくらいに、疲労していた。


「伯爵閣下、如何でしょうか?」

 リーダー格の女性は声も出ないという感じのサラサに、不安そうに声を掛けた。


 まあ、この女性からすれば、何故サラサがこのような状態になっているかを理解するのは難しいだろう。


「えっ、ああ……」

 サラサはそう聞かれて、状態を確認しないといけないと思った。


 状態という言葉自体を使ってしまう時点で、かなり残念である。


 とは言え、サラサは、自分の状態を確かめる為に、顔を上げて、三面鏡を見た。


(あれ?)

 サラサは、一瞬自分がどこにいるのか分からなくなった。


 でも、目の前の女性は銀髪、赤銅色の目。


 そう、それは自分である。


「……」

 自分の変わりように、サラサは言葉を失った。


 だが、鏡の驚いた表情を見て、これは自分だと完全に認識できた。


 銀髪に、赤銅色の目が、調和するメイク。


 普段の自分も悪くはないと思っていたが、こうなると、別側面がクローズアップされていた。


「凄いのね……」

 サラサは、驚きの声を上げた。


「伯爵閣下は、元々の素材がよろしゅうございますから」

 女性は気に入ってくれたと判断して、安堵の微笑みを浮かべた。


 サラサは、サラサでジッと自分を見ていた。


「さっさ、全体をご覧下さいませ」

 女性は動こうとしないサラサに、次に何をしたらいいかをアドバイスした。


「ああ、はい……」

 サラサは、促されるままに立ち上がった。


 それに合わせて、別の2人の女性が姿鏡をサラサの前に置いた。


「如何でしょうか?」

 女性は、微笑みながらそう尋ねてきた。


 その裏には、自分達は、きちんとサラサの素材を活かせたという自負があるのだろう。


「ええっと……」

 サラサは、自分の姿に戸惑ってはいたが、まんざらでもなさそうだった。


 サラサがジッと立ったままだったので、姿鏡を持ち出した女性達が、姿鏡を移動させて、様々な角度でサラサの姿を映し出した。


(まるで、自分が自分ではないようね……)

 サラサは、自分に驚いていた。


「これならば、新郎様もお喜びになると思いますよ」

 女性は少し余裕を持ったのか、サラサを持ち上がるようにそう言った。


「!!!」

 サラサはその言葉を聞いて、真っ赤になって照れるのであった。


 本当に、レアな光景が続いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ