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乱交部屋

四月。桜の季節は、かつてないほどに淫靡な狂騒とともに過ぎ去っていった。


境内の離れは、いつしか「掃き溜め」のような熱気に支配されていた。


蓮を求めて連日、入れ替わり立ち替わりで女子生徒たちが訪れる。


かつて由紀だけが占有していた蓮の冷たい肌は、今や見知らぬ誰かの体温で汚され、共有されていた。



由紀は、その光景を端で見ているしかなかった。


胸を刺すような嫉妬と、形容しがたい喪失感。蓮の身体に触れるその手が憎く、彼を見つめる瞳が忌々しい。


しかし、そんな感情よりも強く彼女を縛り付けていたのは、「自分にも必ず番が回ってくる」という、歪んだ安堵感だった。


彼に選ばれ、彼の肌に触れ、彼という秩序の中に繋ぎ止められること。


たとえそれが自分一人だけのものではなくとも、彼の中に沈める時間がある限り、彼女はすべてを許容するしかなかった。



そして四月の半ばを過ぎる頃には、儀式は個別の対話から、より濃厚で無秩序なものへと変貌した。



狭い離れの中に数人の女が集められ、同時に蓮の「掃除」が行われる。



部屋は閉め切られ、甘ったるい線香の匂いと、獣じみた汗の混じった不快で熱い空気が充満する。



壁に反響する卑猥な音、重なる吐息、隠そうともしない淫らな声。それらが混沌となって、部屋の四隅を支配していく。



由紀の心は、もはや壊れていた。



他の女の呻き声が耳に届くたび、彼女は獣のように牙を剥く。


負けたくない。誰にも、彼を汚させない。



彼女は他の女の身体を押し退け、必死に蓮の胸元に食らいついた。


彼女にとって、蓮の唇と肌は、呼吸をするための酸素であると同時に、他の女を排除するための唯一の縄張りだった。



「……蓮くん……私を見て……私だけを……」



彼女は彼を貪り、誰よりも強く抱きつき、必死に彼という存在を自分の中に刻み込もうとする。



唇が離れた一瞬の隙に、他の女が彼に触れようものなら、由紀はその手を乱暴に払い除け、嫉妬に瞳を濁らせて彼にすがりつく。



彼女の瞳から、理性という名の光は消え去っていた。

あるのは、狂おしいまでの執着と、彼に捨てられることへの底知れぬ恐怖だけ。



爪を立て、唇を噛み、恥じらいをすべて脱ぎ捨てて、ただ彼の体温を奪い合う。


かつてクラスのアイドルとして輝いていた桜木由紀は、今や群れの中で餌を奪い合う、狂ったメス犬と何ら変わりない姿を晒していた。



蓮は、そんな彼女たちの熱狂を、まるで水槽の魚を眺めるかのように冷淡に受け入れている。



彼にとって、それはただの効率的な「不浄の排出」に過ぎない。



だが、その無機質さが、由紀たちをさらに狂わせる。



「……もっと、私を……掃除して……っ!」



由紀はあられもない声を上げ、自分という存在が摩耗していくことも忘れて、ひたすらに蓮の影を追い求めた。



春の陽気とは裏腹に、部屋の中は業と情欲の泥沼と化していた。


彼女はただ、彼に愛されるためではなく、彼に「所有され続ける」という唯一の存在意義を確かめるために、己のすべてを差し出し、汚され続けていた。

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