表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

九泊目♪ もふもふふにふにパラダイス♪

「怪談に恋バナにトランプに人狼ゲームをするよ!」


「一つじゃなかった!

一泊二日の修学旅行だっけ!?

人狼ゲームって絶対にわたしが人狼にされるわよね!?

“朝夕豪華スイーツフルコース、隠れ宿で湯煙りドキッ♡もふもふプラン”じゃなかったかしら!?」


「むはは〜。夜の遊びも満喫するのだよ!」

「修学旅行だなんて〜。先生とっても懐かしいです〜」


小さく拍手をすると小さくゆっさゆさ♪


「だけどもうすっかり遅くなっちゃったわよ?

みんながいいならそれでもいいけど。楽しそうだし」


客室に時計はないから?

スマホをチラリ。日付はとっくに変わってる。

お昼に下校からの、お風呂掃除に入浴後からの、スイーツ作りで実食からの?

わいわいわちゃわちゃ楽しい時間はあっという間に過ぎてどっぷり深夜♪


「久遠ちゃんも遊びたいよね!」


「そりゃ楽しいのはいいけど。

それよりも気になってることがあるんだけど?

ねえ陽和。

素敵な一枚板のテーブルに人数分のお茶があるわ。

お布団も敷いてあるけどいつの間に?」


「先生たちが着ている浴衣も〜? 誰かが用意してくれていたんですよね〜?」


浴衣はお風呂に入る前に更衣室にしっかり四着ありました♪

テーブルには趣のあるかわいい湯呑茶碗が四客と鉄瓶の急須にケトル。

螺鈿細工に漆塗りの茶筒の蓋を開けると?

緑茶のほろ苦く澄んだ香気がふわりと漂って♪

寝室の小あがりには雅な和紋様のふかふかお布団が四揃い♪


「ふっふふ〜!

旅館、九十九つくもにはよぼよぼ頼りになるあやかしがもう一人いるのだ!」


得意満面になるほどの人財がちゃんといる?


「よぼよぼなのに頼りになる?

もしかして小道で掃き掃除をしていたげんさんが働いていてくれたのかしら?」


「うん!

お布団にお掃除に電話対応に予約管理、その他あれこれ!

全部、玄さんのお仕事!」


他力本願な自信満々がお見事だったり?


「玄さん、心からありがとう!

あやかしってどういうこと!?」


「あやかしはあやかしだろ〜。

にこにこ笑顔だったぜ〜。

俺もう眠い……むにゃ」


ふらふらふわふわ宙を泳いで♪

眠いまぶたをゴシゴシゴシゴシ♪

半分寝たままふかふかお布団にダイビング♪


「くう」


「寝顔がかわいい! だけどいっちゃん!

歯磨きはしないといっちゃんのかわいい牙に虫歯ができちゃうわ!」


肉食なオコジョの牙はけっこう鋭いかも?


「ん〜?」


久遠ちゃんが洗面所から歯ブラシを持ってきてゴシゴシきゅっきゅ♪

歯ブラシがあわあわ出たり入ったり♪

いっちゃんは歯磨きされながらすやすや熟睡中♪


「先生も遊びたい気持ちはありますけど〜?

明日も学校のお仕事があるのでおやすみします〜。

二人ともちゃんと登校してくださいね〜」


ゴシゴシくちゅくちゅおっとり先生ののんびり歯ブラシタイム♪

ゴシゴシするたびゆっさゆさ♪

ゆさゆさゆらゆらお行儀よくお布団に潜るうさちゃん先生♪

ゆらゆら長い耳がちょっと邪魔だからお顔に巻きつけてみたり♪

垂れ耳うさちゃん?


「そっか!

じゃあ今日はもう寝ようね!

久遠ちゃんお布団となりだね!」


パチリと消灯。

床の間に据えられたほのかに灯る和紙のフロアランプが柔らかい♪

中央に活けられた四輪の白百合の花を照らしてる♪


「今日はとてもがんばったわ。

青空が清々しい天然温泉の露天風呂に極甘スイーツで舌つづみ。

なんて素敵な一日だったのかしら」


ギュギュッと特濃に凝縮された濃い〜一日に想いを馳せて♪

お布団をかぶりながら物思いに耽る久遠ちゃんの瞳がキラキラしてる?


「久遠ちゃんがいっぱい働いてくれたおかげだね!」


一緒にごろんと横になって枕にほっぺをつける二人の視線がばったり♪


「とっても大変だったわ。

露天風呂ってお湯が溜まるのにけっこう時間がかかるものなのね。

……なんだか少し腑に落ちない気もするけれど。

そうね。とってもぐっすり気持ちよく寝れそうよ」


「それでね久遠ちゃん! ドキドキきゅんきゅん恋バナしようよ!」


ドキドキわくわくガールズトークの始まり?


「ずっと引きこもってた頭のゆるいプリンセスにドキドキきゅんきゅんするようなことなんてあったのかしら?」


すやすや眠る二人を刺激しないように?

お布団をかぶったままぺちゃくちゃヒソヒソ小一時間♪


「ん〜。ふわ。眠くなっちゃった〜」


大きなあくびに小さな涙がぽろり♪


「ふわあ。あくびがうつったじゃない。

わたしも眠いしそろそろ寝ましょうか。

……結局、恋バナゼロで下ネタばっかり!

(怪談はリアルな正義の殺し屋稼業しかネタないし)」


スマホをチラッと確認すると?


「早く寝ないと明日の学校に遅刻しちゃうわ。

おやすみ〜」


「おやすみなさ〜い♪」


ふかふかお布団に包まれて♪

ぐっすり寝息を立ててしばらく寝ていると?

ほのかに照らされる寝室でがさがさもふもふ怪しく蠢く影が一つ!


「ん……んん〜?

陽和!?

いつの間にわたしのお布団に!?

自分のとこに戻りなさ……添い寝……抱きしめておこっと♪」


もふもふもきゅっとここぞとばかりに遠慮なく♪


「ふへへ♪

ママ〜、わたし女将になったよ〜」


じゅるりとよだれを垂らしながら満足そうな笑顔が夢の中♪


「寝言……そんなに女将になりたいんだ。

くんくん♪

やわらか!

もふもふふにふにパラダイス〜♪

わたしも手伝うから明日もがんばろうね」


おでこにコツンと頭をつけて♪

ぐっすりすやすやぬくぬくおつかれさまでした♪


そんなこんなで♪

趣ある椅子に背もたれて、お風呂上がりで浴衣姿の陽和と久遠ちゃんといっちゃん。

先生はお出かけ中?

渾天儀こんてんぎのような不思議な世界時計がカチコチカチコチ穏やかなひとときを刻んでる♪

旅館、九十九つくもの伝統あるパブリックスペースでくつろぎのひとときを満喫中♪

渾天儀とは? 太陽や月、天体の動きを再現して観測する機構のことだったりします♪


ふっと気づいてスマホを手に取ると?


「は!? もう10日も経ってる!?

学校行ってない!

天然温泉の露天風呂に甘々極上スイーツ!

世知辛い正義の殺し屋稼業も学校も忘れさせる穏やかに流れる時間!

なんていう人をダメにするジャパニ〜ズ隠れ宿の魅力!」


うっかりポロッと正義の殺し屋稼業なんて単語が飛び出たり。


「すっかりひきこもりだね!

夢の食っちゃ寝生活、達成!」


頭のゆるいプリンセスは気づいていない?


「達成じゃないわ!

玄さんと先生にお世話になってるだけじゃない!?」


いまも玄さんは小道で掃き掃きお掃除中♪


「いっしっし!

俺も陽和ひわもいつも通りだけどな!」


「久遠ちゃんも引きこもりだね!」


「は!? わたしも!?

夢の学園ハーレムはどこに行った!?」


「むはは〜♪ 隠れ宿でわたしたちと過ごすのもいいでしょ♪」


趣のある椅子から水のようにだらりとずり落ちるたぬき娘がのんべんだらりと色っぽく見つめてる♪


「そ、そうね。たしかに悪くはないわ……

こんな素敵な空間は誰にも教えたくないくらいよ!」


なんだかほっぺがかっかと赤いかも?


「ママの旅館は大人気にするんだからちゃんと宣伝するからね!」


ちょっとだけシャキッとキリッと顔つきが変わったかも?


「目指せ! 夢の食っちゃ寝! 楽ちん快適女将生活!」

「ダメ女将がここにいる!?」


理想の快適生活はもうすぐそこに?


「ただいま〜。

皆さ〜ん、請求書が届きましたよ〜。

はい、どうぞ〜」


裏玄関の方から小走りゆっさゆさなうさちゃん先生♪

ピシッとうさちゃんスーツで学校から帰ってきたところ。

うさちゃんスーツ?

手にはひらひら何枚もの紙切れがいっぱい?


「請求書って何かな?」


人差し指をくわえて困り眉で小首を傾げてみたり?


「お金を払えっていうものよ。

どれどれ……たくさんあるわね?

合計額は?」


ペラペラっとめくると、たぬきの皮算用がいまごろになって?


「ぶふ〜〜〜!?

先生!? このどえらい金額はどういうこと!?」


おててはぷるぷる♪

汗はダラダラ♪


「いろんなオーブンの運賃に新品の冷蔵庫代だったり〜。

毎日、世界の高級食材をふんだんに使ったから〜。

でもそんなに高いかしら〜?

お小遣い〜?」


「セレブの金銭感覚!

新品て頼んでなかったものまであるわ!?

運賃はパパにお願いするんじゃなかったの!?」


「家を出ている間は自分でなんとかしなさいって言われたの〜」


ニコニコゆらゆらゆっさゆさ♪


「セレブでも厳しい親の愛を感じるわ!

うさぎでも崖から突き落とすのね!」


思い浮かべるともふもふゴロゴロとっても痛そう?


「支払いは陽和ちゃん万札でいいかな!」


両手に陽和万札の束がいっぱい!

いつでもどこでも葉っぱがあれば大量増刷!


「それはちょっと〜。

先生の信用がなくなっちゃうな〜」


眼鏡の下のホクロに人差し指を当てて困り眉♪


「久遠ちゃん?」


人差し指をくわえて小首を傾げてチラリと久遠ちゃんの瞳を覗いてみたり?


「そんな目でわたしを見てもこんなにたくさんのお金は出さないわよ!?

(正義の殺し屋稼業で稼いだお金は老後の貯金よ! 減らすわけにはいかないわ!)」


「俺たち文無しだもんな!

いっしっし!」


「つまり! 夜逃げ?」


月のない深夜にトボトボと歩いて旅館、九十九つくもを振り返る姿は哀愁の塊?


「かわいく首をかしげるな!

ママの旅館はどうするの!?

いまこそ、わたしたち女子高生ががんばるときでしょ!」


グッと拳に力を込めて!

みんなを見つめる瞳が力強い!


「俺、女子高生じゃないぜ」

「先生は先生です〜」


「そっか!

いまこそだね!

妖怪の妖怪による妖怪のための隠れ宿!

神様も大歓迎!

旅館、九十九つくもが復活のときだね!

みんなよろしく!

わたしも女将としてがんばるよ!

ママ、隠り世(かくりよ)で見ててね!」


「は!? 結局、わたしも働くことになってる!

まあ、こんな休暇もいいわよね?」


「さっそく四人で露天風呂に行こうか!」


「働け!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ