六泊目♪ 湯煙りもくもく乙女の神秘♪
そんなこんなで!
旅館の裏手にもふもふ大移動!
「おじゃましま〜す」
入り口の脇に置かれたたぬきの置物を尻目に裏玄関へと足を進める久遠ちゃん。
正面を向いたままローファーを脱いで?
上がり框に上がってから少し斜め向きに膝をついて外に向けてつま先をそろえてる♪
ついでに散らかった靴もピシッと♪
ここは旅館、九十九の本館と繋がった離れ屋。
つまり綾樫家の住まいであり、住み込み従業員のお家でもあったり♪
「あら〜。久遠ちゃんは帰国子女なのに礼儀作法がお上手です〜」
優しく手を叩く先生がゆさゆさ♪
「どこぞの頭のゆるい女将よりも女将が向いてるかしら?」
「えへへ。靴を履くの久しぶりだから忘れてた!」
ペイッとローファーを脱ぎ散らかした陽和が靴を履いたのは入学式以来?
「いっしっし!
俺は出し入れ自由だから便利だぞ!」
着物姿のいっちゃんがぴょこんと飛び上がったところで?
赤いぽっくり下駄がぼふんと消失♪
上がり框にくるんと着地♪
「いっちゃんも空間収納できるのね。さすがジャパ〜ンのモンスターだわ」
「わたしもできるよ!
ほらほら!」
手のひらに葉っぱがどっさり♪
「はいはい。すごいすごい」
「久遠ちゃんもできるの?」
「え? あー。うんまあ一応ね?
(スナイパーライフルや仕事道具を収納してるなんて言えない!)」
「お前らくっちゃべってないで早く上がれよ!
俺は先に行くぞ!」
タタっと小走りに玄関の板の間から消えるいっちゃんがまるで座敷童なオコジョ?
「久遠ちゃんも夢楽ちゃんもぞうぞ!
遠慮しなくていいんだよ!」
両手を広げて二人を迎え入れる、懐が広くて頭のゆるい女将がにこにこ♪
「おじゃまします〜」
「これは……なんて趣のある日本家屋なのかしら!
これがジャパ〜ンの伝統建築! 匠の技!」
旅館、九十九は表も裏もぜ〜んぶ木造り。
日本の情緒を感じさせる和の粋が尽くされた建築様式。
瓦の一枚から柱の一本まで職人魂がピカリと輝いてる♪
「すごいでしょ!
なにがすごいかは知らないけど?
ここはみんなのお家になるんだからね!」
「まだ住み込みで働くとは言ってないけど!?」
「先生はすぐに引っ越しますね〜」
最後に上がる先生の礼儀作法も完璧な振る舞い♪
着物に割烹着姿が様になってる♪
「にっこにこなゆるゆる笑顔がさすがおっとりお嬢様って感じだわ。
あら? これって陽和のママかしら?」
シューズクローク棚に置かれたデジタルフォトフレームに写る、やさしく微笑む和服姿の女性の姿。
「うん! わたしのマミー!
先代女将だよ!」
「お〜。とっても若くて綺麗なジャパニ〜ズ女将。陽和と違って気品と貫禄にあふれてるわね」
「むはは〜。陽和の自慢のママだよ!
隠り世に行っちゃったから、もうこの世にはいないけどね……」
視線を落とす陽和がしょんぼり。暗い顔を久遠ちゃんに見せるのは初めてかも?
「陽和……そう。あの世へと旅立ったのね。とてもさみしいわね?」
そっと寄り添う久遠ちゃんの瞳が心配そう。
「久遠ちゃんが家族になるから大丈夫だよ!」
がぱっと上げたお顔は憂いなし!
「ぶふっ!? いつ家族になるって言ったかしら!?
まあ。さみしくないように話し相手くらいにはなってあげるわよ?」
まん丸たぬき耳をよしよしなでなで♪
「久遠ちゃん……優しい〜!」
高々ジャンプでのっしり全体重がどっさり♪
「うわ! 飛びつくな!
抱きつくな!
……抱きしめ返しておくわ!」
ぎゅっともふもふ幸せ♪
「いっしっし!
賑やかになりそうだな!
早くこいったら!」
廊下の向こうで顔だけ覗かせるいっちゃんがぷんすこ♪
天然露天温泉のある本館へと向かう移動中。離れ屋の台所と居間を通り抜けようとすると?
「ねえ陽和。あそこの扉が光ってるわよ?」
「ピカピカです〜」
古びた居間の奥にある扉を注目する久遠ちゃんにゆさゆさ夢楽ちゃん。
二人が注目する古い古い木の扉の隙間から漏れ出る光。
「あれれ? いっちゃん。開かずの扉の光が前よりも強くない?」
「んあ? あー。そうかもな?」
光の波長がゆったり揺蕩うように強く強く揺れている?
「つまり! 無視しよう!」
「俺も賛成だな!」
「「めんどうだもんね(な)!」」
ずっと食っちゃ寝引きこもりな二人はことなかれ主義かも?
「めんどうだからって無視していいのかしら!?
明らかおかしいわよね!?
なにかしら?
旅館の外観を見たときと同じ不思議な感じがするわ?
なんだか遠い血脈に感じて懐かしいような?
くんくんくんくん。
野生の狼の勘と嗅覚が敏感に反応してる……
扉の向こうにはなにがあるのかしら?」
胸をかすめるかすかな記憶。
遠い遠い故郷を感じるような郷愁が心に漂ってる?
「いいから行くよ!
お風呂が最優先!」
「ええ!?
ほんとにほっとくの!?
とっても気になるんだけど!?
先生はどうなの!?
なんかこう感じることはない!?」
「先生ですか〜? どうかしら〜?」
眼鏡の下のホクロに人差し指を当てて小首を傾げても?
心当たりはなさそうな感じ?
「ぬくぬく温泉で命の洗濯はいいのかな?」
ガシッと両肩にかかる命の選択はとっても重そう?
「う。最優先事項だったわ! 行くわよ!」
結局、無視して直行!
まるでみんなに気づいて欲しくて催促をするように?
それとも無視されて怒っているかのように?
開かずの扉の隙間から漏れ出る光がピカピカ激しく明滅してる♪
そんなこんなで!
時は少し早まって!
カポ〜ンと青空に響く桶の音♪
「はあ〜♪
いいお湯だねぇ〜♪
さすがママのお風呂!」
タオルを頭の上に、素肌にちゃぷちゃぷ波打って♪
ぬくぬく湯船にしっとりほかほか浸かってる♪
「はじめてのジャパニ〜ズ天然温泉!
しかも露天!
高層ビルに囲まれて青空がまるで絵画!
わっふ〜♪
かわいい子たちに囲まれて至福のひとときが最高〜♪」
両手をバンザイ♪
バシャっと湯船から立ち上がって至福に感極まる狼少女が一人!
湯煙りもくもくが漂ってる♪
乙女の神秘は神秘のまま?
「わふ〜ん!」
うっかりぼふんとビースト変化!
「あ〜! 久遠ちゃんが豆柴ワンコになってる!
わっふ〜かわいいね!」
ぼふんと真っ白しっとりな女子高生のぴちぴちお肌に狼の耳としっぽがもふもふ♪
「は!? つ、つい遠吠えをしたくなっただけよ!
そ、そそそ、それよりも面と向かってかわいいなんて言わないで!?」
顔が赤いのは熱々温泉のせい?
「ダメかな?」
困り眉で小首を傾げる先には真っ白すべすべお肌が全身真っ赤な久遠ちゃん♪
「ダ、ダメじゃないけど!
そ、その……
照れちゃうじゃない……」
ゴニョゴニョもじもじ♪
ちゃぷんと鼻先までお風呂に浸かってぶくぶくあわあわ♪
お湯の中でもふもふしっぽがゆらゆら♪
「先生もいっちゃんももふもふかわいいよね!」
「かわいい子だなんて先生うれしいです〜」
岩場に腰掛けていたゆっさゆさ先生も湯船にちゃぷり♪
お風呂でもバニーなお耳とまん丸しっぽは継続中♪
もう外れない?
「いっしっし!
俺はストロングかわいいぜ!」
お風呂に入るときは?
オコジョないっちゃんも女の子♪
ぱちゃぱちゃすい〜っとお風呂の中を犬かきならぬオコジョかき?
湯けむりほかほか♡
ケモみみケモしっぽフルオープン!
みんなで裸のお付き合い♡
「むはは〜♪
とっても気持ちいいよ〜♪
久遠ちゃん、お風呂掃除ありがとね!」
「ブラシでもきゅもきゅ!
たわしでゴシゴシとっても大変だったわ!
おかげで感動の涙が滝のよう!」
感涙の涙が打たせ湯でぱちゃぱちゃ♪
頭の上で跳ねている♪
久遠ちゃんがリーダーとして気合い一番!
光る汗!
ゆれるゆさゆさ!
ぬるぬるの岩で素足がつるり!
女子高生のスカートがひらり!
白い生足が青空に光り輝いて!
水分補給でごくごくごっくん!
結局みんなで天然露天な岩風呂を仲良くお掃除しました♪
檜な内風呂とかは今回は後回し。
食っちゃ寝担当のいっちゃんは?
『風呂楽しみだな! みんながんばれよ〜。たまごうっま〜』
ふわふわ宙に浮きながら♪
温泉たまごにマヨネーズをかけてもぐもぐごっきゅん♪
お風呂で格闘するみんなをまったり観戦してました♪
「ふい〜♪」
「極楽だわ〜。まさに命の洗濯ね」
「体が軽くなったみたいです〜」
ぷかぷかたぷたぷ♪
ゆっさゆさが浮力で軽い♪
「温泉に浸かって食べる温泉たまごがうまいぜ!」
小さなお口にまん丸卵をくわえたまんま。
つるんとスポンと出し入れ満喫中♪
「あ! いっちゃんだけいいなあ!
わたしにもちょうだい!」
「残念だったな! これが最後の一つだぜ!」
お口からつるんと出しておでこにくるくる回ってる♪
「そのつるつるたまごもらったあ!」
キュピ〜ンと光る瞳がロックオン!
バシャンと飛びかかる猛獣なたぬき娘!
「へへん! 甘いな!」
ちゃぷりとかわして温泉たまごをパクリともぐもぐごっきゅん♪
いっちゃんのすべすべお腹の中に消えました♪
「女将が湯船の中で温泉たまごを狙って大暴れってどうなのかしら!?
はあ。せっかくの天然露天お風呂の情緒が台無しじゃない。
だけどたしかにお腹がすいたわね?」
肩までぬくぬく浸かっていると?
お湯の中からかわいらしい音がする?
ぐう♪
続けてくう♪
あっちもこっちも?
ぐ〜♪
ぐ〜♪
ぐ〜♪
お風呂の中でゆらゆら。みんなの丸見えお腹が大合唱♪
そろそろスイーツな食事の時間?
バッタのサンドイッチかも♪




