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十六泊目♪ 歩く姿は百合の花♪

「馬車から降ります」


鈴を転がすような高く澄んだ美声がゆったり♪


「姫様。お待ちを。タラップのご用意をいたします」


馬車の扉から顔を出したのは?

ピシッと姿勢も規律正しくフリルたっぷりたぷたぷがとっても美人なメイドさん。

指示をされた侍従さんたちがあっという間に扉の下に幅広なタラップを置いている。


「姫様。お手をどうぞ」


タラップの横に控えてかしずくたぷたぷ美人メイドさんがふんわりと現れた白い手を迎えてる♪


「ありがとうミイン」


プリンセスドレスがふんわり物腰柔らかな所作が美しい♪


「足元にお気をつけをくださいませ」


たぷたぷ美人メイドさんに手を引かれ、謝辞とともに馬車から姿を現す麗しの君♪

即座に周囲の警護にあたる騎士たちのフォーメーションがかっこいい!


「シェイム近衛騎士隊長殿。後はお願いいたします」

「は。お手をどうぞ」

「ふふ。よろしくシェイム」


交代した美少女騎士が地上からお姫様の手を取ると?

ひらめくドレスの裾がもたつかないように、たぷたぷ美人メイドさんにサポートされながら。

タラップからゆっくりと一段ずつその身を下ろし、優雅に石畳へと舞い降りるお姫様♪


全騎士隊員が厳重警戒体制!

ありんこ一匹通さない!

緊張感あふれて!

群衆からの大歓声が上がる大通りの中!

一人優雅に歩みを進めるお姫様♪

ふっと気になるものを見つけて視線の先が変わってる?


数人の騎士に囲まれた陽和と久遠ちゃんの元まで一歩二歩。

手だけで制して騎士を下がらせつつさらに一歩二歩。

偶然かのように陽和の目と鼻の先に立つ姿が白百合のよう♪

そんなお姫様と陽和の視線がバチバチ交差する!


「「あれれ?」」

「は?」


久遠ちゃんのいぶかしい目線が陽和とお姫様に大注目!

そんな久遠ちゃんは置いといて!

キュピ〜ンと光る陽和の瞳に遊び心が宿ってる!


「はい!」

右手上げて?

「え?」

つられて上がる左手♪

「ほい!」

右手を下げて左手上げる。

「わわ?」

左手下げて右手を上げる♪

陽和と向かい合わせに反応しちゃうお姫様♪


「むはは〜! これはどうだ!」


ほっぺに軽く握った拳を添えて!

小首を傾げて腰を斜め25度にウインク!

とってもきゅるんとかわいい女子高生の決めポーズ!


「あはは♪ 楽しいですね♪」


真似真似ポーズも息ぴったり♪

プリンセスドレスをひらりとかわいくチャーミング♪


右手を開いてくっつけてみたり♪

左手を開いてくっつけてみたり♪

おててを合わせたパントマイムなぺたぺた壁ダンスがいつまでも♪


「陽和とそっくり!?

鏡に映ってるみたいだわ!?」


まるで双子みたいに瓜二つ♪

身長も髪型もおんなじだけど?

お姫様の髪は桃色でたぬき耳はありません♪

乙女の秘密はイチゴとピーチくらいに差があったり♪


「ふふん♪ 勝ったな!」


勝利の笑みが天に届くほどのドヤ顔だったり♪


「どう考えても負けてると思うけど!?

上から下まで! なんなら心の中まで!

頭のゆるいプリンセスと違って気品あふれる清純清楚な本物のお姫様よ!」


かたやゆるゆる能天気なだらしない笑顔の女子高生と?

華やかでありながら慎ましさを醸し出す清楚なプリンセスドレスに身を包み♪

所作も完璧な物腰柔らか上品なプリンセス♪


「うわあ。とってもびっくりしました。

まるで鏡を見ているみたい。

わたくしはフィー・リア・レーギス。このリア国の第一王女でございます」


麗しい佇まいは?

立てば芍薬♪ 座れば牡丹♪ 歩く姿は百合の花♪

とってもパーフェクツなプリンセスカーテシーに見惚れる群衆!

騎士隊員も心の中はお姫様に夢中だけど?

忠誠心にあふれてそんなスキは見せつけない!


「勝てる要素がマイナス一億%ね」

「むはは〜! とっても褒められちゃった!」

「マイナスっていう言葉はそのたぬきの耳には聞こえなかったのかしら?」


「ふふふ。楽しい方たちですね。

お二人のお名前をお教えくださいますか?」


口元に手を添えて微笑む姿にスズランが咲き誇る脳内ビジュが満開だったり♪

ふんわりにっこり穏やかな口調が耳に染み込んで溶けるよう♪


「陽和だよ!」

「あんたねえ。ちょっと不敬が過ぎないかしら?

わたしはヴォル……いえ。こっちではクオン・ヴォルフと言うべきかしら?

こっちの頭のゆるいプリンセスはヒワ・アヤカシよ」


久遠ちゃんも実はそんなに変わらない♪


「まあ! あなたもプリンセスなんですか!

わたくしと同じ境遇なんですね!」


思いのほか驚くお姫様にちょっとびっくり?


「むはは〜! わたしは世界一のプリンセス!」


腰に手を当ててふんぞりかえる頭のゆるいプリンセス♪


「学園から世界に変わってる!?

ごめんなさい。いまのは言葉のあやで。

ほんとはただの女子高生で……

殺気!? みんな伏せて!」


ピンとそそり立つ狼の耳としっぽ!

野生の勘と正義の殺し屋のスキルが研ぎ澄まされる!

久遠ちゃんと刹那の時を同じくして反応した有能な美少女騎士がレイピアを抜き放つ!


我が手に来たれ(アンヴォカシオン)! 魔狼盾スナイパーシールド!」

風の舞姫(ウインドプリンシパル)!」


宙空に現れた鋼鉄の盾がカンカンカカンと黒いなにかを防御する!

レイピアの刀身が煌めく風の刃!

弾丸のように飛んできたなにかを目にも止まらぬ早技で刺突するレイピア!

射線の先にいるのはお姫様と陽和!


「これは……羽根か?」

「羽根みたいね?」


美少女騎士がかまえるレイピアの刀身に突き刺さる黒い羽根が三枚も!

久遠ちゃんが視線を落とす石畳にはふわりと舞い落ちる羽根が数枚!

羽ペンよりも鋭く尖った羽軸が凶器のよう!


そしてもう一人が同時に行動を起こしていた!

獲物に飛びつく鷹のような鋭さを醸すたぬきな女子高生!

シュピンと密着する手と体勢がまるで王子様とお姫様♪

百合が咲き誇る脳内ビジュを背景に優しくふわっと抱き上げて?


「ええ?」


ほっぺをほんのり赤くするお姫様の頭の上に葉っぱをのせて?

ぼっふん♪


「なんだこれは!?」

「姫様お戻りを!」


美少女騎士もたぷたぷ美人なメイドさんもびっくり!

群衆も巻き込むほどにあたり一面けむけむモクモク煙幕な煙だらけ!

厳戒態勢な騎士隊員はもちろん!


「どこにいるか分かんないじゃん!」


お姫様を狙った黒い姿も行方を見失う!


「なによこれ!?

なんにも見えないわ!

腐った卵のような匂いがする!?」


匂いの正体は温泉地に香る硫黄と同じだったり?


煙幕の中を走る一陣の風!

お姫様をお姫様抱っこしたまま群衆の隙間から隙間へと疾り抜ける!


「久遠ちゃん! いっちゃん! 夢楽ちゃん!

戻るよ!」

「陽和!? この匂いはまさか……分かったわ!

誇り高い狼の嗅覚を舐めるんじゃないわよ! くんくん!」


硫黄臭にも負けない狼の嗅覚が陽和と群衆の位置を捕捉!

飛び上がって群衆の肩や頭に手足をかけてぴょんぴょん跳び超えていく!


「先生なんにも見えませ〜ん」

「いっしっし!

夢楽はまかせとけ!」


辺りをきょろきょろ。不安でゆらゆらゆさゆさ!

うさちゃん耳が垂れまくり!

五里霧中な夢楽ちゃんの背中をガシッと!

煙幕の中でも感覚の鋭いオコジョが宙を舞う!


「フィー様!? フィー様!」

「姫様!? くそ! 煙が晴れん! 姫を探せ!」


たぷたぷ美人メイドのミインちゃんがあたふた!

美少女騎士のシェイムちゃんが指示をするも騎士隊員たちも目の前が真っ白!

群衆の中には悲鳴をあげるものもいたり!

とってもけむけむモクモク!

硫黄の刺激臭も手伝って大混乱!


そして!

長い大通りを行った先。

王都の象徴とも言える聖なる塔の頂に佇む真っ黒な姿!


「ちっ!

煙幕とはね?

だけどどこかに必ずいる。

あたしの望遠眼を舐めるんじゃないよ?

その姿を捉え次第!

必ずフィー・リア・レーギス第一王女を暗殺してやるんだからね!」


甲高い金切り声が空に響く!

黒い翼を羽ばたかせてからすのように美麗な女の子がニヤリと黒く微笑んでいた!


そんなこんなで!

真っ白な煙幕の中をもふもふけむけむ大移動!

大通りから旅館、九十九つくもへと続く小道を駆け抜ける!

巧みな職人の手で造られた伝統と趣のある表玄関をガラリと閉めて!

ふんわり優しくお姫様を降ろす姿がたぬきな女子高生王子様♪


「姫。ご気分はいかがですか?」


優しげな瞳がキラリ♪


「心臓のドキドキが止まりません」


両手で胸に手を置く姿に立てば芍薬なお花が咲いている♪


「わたしの機転がなければお命が危ないところでした」


膝と拳をついてかしづく姿がまるでたぬきな騎士のよう?


「わたくしは何者かに命を狙われていたところだったのですよね?」


困り眉で小首を傾げる姿が陽和そっくり♪


「その通りでございます。御身のご無事になりよりの喜びを感じております。

姫。その美しさを損なうことなくお救いできたこと至福を超えるほど感慨深く」


顔を上げてお姫様の瞳を見つめる眼差しが頼もしい?


「まあ。そのような……ぽっ♡」


両手を添えて赤らむほっぺが麗しい♪


「陽和? あんたなに言っちゃってるの?

お姫様をさらってきてどうするつもりかしら?」


「むはは〜。お姫様拉致大作戦が大成功なのだ!」

「拉致って言ってるわよ!?

一応は救出のはずよね!?」


「そうだった! うん!

プリンセスを悪の組織から守る敏腕女将!

それがわたし!

旅館、九十九つくものカリスマ女将だよ!」


「まあ。こちらのお宿のご主人なのですね?

わたくしを悪漢からお守りいただき感謝の念に堪えません。この御礼は必ずやわが国の誇りにかけてお返しいたしますわ」


「御礼? そんなのいらないよ?

そんなことより!

やっとこれで落ち着けるよね!

みんなで天然露天温泉に直行だよ!」


「温泉かい!」

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