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十五泊目♪ 妖怪股から顔出し人間♪

「むはは〜! 我が前にひれ伏す平民があふれてるぽん!」


大きな通りにはたくさんの人でごちゃごちゃ!

なんだかとってもお祭り騒ぎ?


「あんたも庶民でしょ!

でも姫和の言う通りすごい人混みだわ!

誰かがくるのを待ってるのかしら?」


通りの両側に並ぶ人たちが同じ方向に視線を向けてまだかまだかとなにかを待っている?


「とってもすごい熱気です〜。

先生。ぎゅうぎゅうで潰れそうです〜」


後から参加する人たちで挟まれちゃったり!

大人も子どももおしくらまんじゅう!


「しょうがねぇな〜。夢楽は俺につかまってろ!

ここで浮くわけにはいかねぇけどな!」

「ありがとうございます〜」


ゆっさゆさなのに子どもっぽい先生が幼めの美少女に手を引かれてる♪


「なにか始まったみたいだわ!」


通りの向こうから順番に歓声を上げる街の皆さん。


「む〜。よく見えないっぽん!

前に進むよ!

狸突たぬとつ猛進!」


四つん這いになってお尻としっぽをふりふり♪


「あ! ちょっと待ちなさいよね!

わたしも行くから!」


久遠ちゃんもお尻としっぽをふりふり♪

わふわふ狼突猛進!


茶色と銀色のもふもふが四つん這い♪

たぬきと狼な女子高生が人混みの足元をするするすり抜ける♪


「なんかくるよ!」


群衆の足元からひょっこりもふもふ♪

股の間から顔を出す女の子二人におじさんもびっくり♪

二人と群衆が注目する先には?


「おんまさんがいっぱいいるよ!

見て見て久遠ちゃん! コスプレ集団が偉そうだよ!」


「コスプレ集団!?

なんだかとっても印象が変わるわね!?

偉そうっていうかとても真面目な表情じゃない。

あれは……まるでヨーロッパの王室みたいな騎馬隊だわ。

それにとっても豪華な馬車が後からきてる。

パレードみたいなものかしら?」


「馬車も偉そうだね?」


大きな輓獣ばんじゅうに牽引された馬車は?

とってもキラキラ黄金?の造形美に巧みな職人魂が宿ってる?


「どういう?

え? あの馬おかしくないかしら……

足が六本もあるわ!」


鋭い眼光!

もふもふのたてがみがふさふさもふもふ立派!

豪華な馬車を牽引しているのは六本足のおんまさん一頭だけ!

とっても大きくてとっても強そう!


「オバケみたいだね!

久遠ちゃん怖くない?」


「オバケ!?

その単語はやめてくれないかしら!?

脚が六本あるからって馬は馬だし別に怖くはないけど。

それにしても馬装具が立派ね?

よく見れば普通の馬に乗ってる人たちは立派な剣や衣装を身につけてるし、いかにも騎士って感じだわ」


「やっぱり偉そうだよね!」


「こだわるわね?

この騒ぎからするととっても高貴な有名人でも乗ってるんじゃないかしら?

あ! ほら! 馬車から手を振ってる!

女の人よ!

だけど顔は見えないわね?」


指より下が白いレースのグローブに包まれて♪

白い手がふんわりひらひら♪

群衆の呼びかけにしっかり応えてる♪


「こっちも偉そうだね!」


「手の動きだけで分かるもの?

実際偉いんでしょ。

もうそろそろ正面にくるわ。

きっとどんな人だか見れるわよ」


「キミたちいつまで人の股の間で話してるのかな!?」


二人の頭上で二人のおじさんが小首を傾げて困り眉♪

かわいい?


「ずっと一生呪われた妖怪股から顔出し人間だね♪」

「は!? 一生呪われてたまるか!

すいません!

すぐにどきます!」


おじさんに平謝りな久遠ちゃん。

股から顔出し人間はそのままだったり?


「とっとと立ちなさいよ!

おじさん困ってるでしょ!」


「てへぺろこつん♪」


ぺろっと舌を出して片目をつむっておでこにおててを添えてみたり♪


「股に挟まったままこつんじゃないわ!

ほら! もうすぐ目の前だから立ちなさい!」


陽和の手を取って立ち上がらせようとすると?


「うにゃ! ボールが!」


少女の手からこぼれた革の袋に羊毛を詰めたボールがコロコロ!

追いかけてボールを手にした少女!

馬車を牽引する六本脚のおんまさんの足元に!


御者をする騎士の制御がままならないままに!

びっくりしたおんまさんがヒヒーンといなないて立ち上がる!

怯える少女の頭上には鈍く光る蹄鉄ていてつが!


「にゃあ!?」


見上げて自身をかばう少女の細い腕!


「ぽん!」


おじさんの股の間から飛び出すたぬき耳な女子高生が旋風のように疾る!

並走する影がもう一つ!

茶色と銀色の風が低く低く舞う!


「ぽん!」


石畳にびたんと転ぶ陽和!

鼻の頭がひりひり痛い♪


「もう! なにやってんのよ!」


銀色の疾風のように陽和の隣を駆け抜ける久遠ちゃん!

おんまさんの右脚が無情にも少女に振り下ろされる!


「(抱き上げてたら間に合わない!)

我が手に来たれ(アンヴォカシオン)! 魔狼銃ヴォルフガング!」


現出した狙撃銃のストックを石畳にガシッと当てて!

久遠ちゃんの体でしっかり垂直に固定したロングバレルなスナイパーライフル!

銃口に振り下ろされた蹄鉄がガキンと音を立てて火花を散らす!

魔狼銃をつっかえ棒にして二人とも無事!


息を飲んで見守っていた群衆からため息がもれて!

拍手大喝采な大騒ぎ♪


「ふう。なんとか間に合ったわね。

お嬢さん。大丈夫かしら?」


少女の頭を撫でる久遠ちゃんの白い手に優しさがあふれてる♪


「お姉ちゃんかっこいい!

助けてくれてありがとにゃん!」


少女の尊敬の眼差しにキラキラなお星様が飛んでいる♪

にゃんこなお耳がぴこぴこ♪

しっぽがふんわりパタパタ揺れている♪


「にゃん? あら。この子も獣人モンスターじゃない。よく見れば……」


目の前にいる群衆の中にはケモみみにケモしっぽを持つ人々がちらほらそれなりいっぱいいるかも?


「むはは〜! さすが久遠ちゃんだね!

わたしの有能な部下よ!

よくぞやった! 褒めてつかわそう!」


石畳に両手をついて顔を持ち上げる陽和のお鼻がズキズキ!


「有能な部下なんて言ってくれるわ。

できる女将はどこ行ったのよ」


「ここにいるよ?」


困り眉で小首を傾げてみたり♪


「はいはい。なんにしてもこの子に怪我がなくてよかったわ。

騒ぎになる前に行かせた方が良さそうね?

ねえ。どこかにママがいるんでしょ?

早く行きなさい」


久遠ちゃんが警戒した眼差しで首を巡らすと?

騎馬隊の騎士が数人、馬から降りてこちらに向かってる。


「ニーニャ!」

「あ! ママだ!

お姉ちゃんバイバイにゃ!

必ずお礼をするからね!」


母親らしい女性に呼ばれた少女がボールを手に駆けて行く♪

もふもふしっぽをうれしそうにふりふり抱き合う母娘の姿にホッと安心♪


「ぐっすん。感動の再会だねえ」


陽和のママと自分の姿を重ねて思い描いてみたり♪


「そんなしみじみしてるヒマはないかもよ?

こっちはいいから早く行って!」


お礼を言いたそうにしていた母親にきつめに指示をする久遠ちゃん。

にゃんこ耳をぺたりと垂らして。ぺこりと頭を下げる母親に手を引かれる少女。二人の姿が群衆の波にそそくさと消えていく。


「お前たち! 姫様のバースデイパレードを邪魔するとは何事だ!」


二人を囲む騎士の中でもとっても偉そうな美少女騎士が一番前にずいっと!

瞳が燃えるようにキラキラしている若い女の子なのに階級章が一番偉いかも?


「ほらきた。姫様か……まずいかもね?」


「見慣れぬ服装……お前たちは何者か!?」


「むはは〜! 普段は優しくてかわいい女子高生!

しかしてその実態は!

幼い女の子を悪の組織から守る敏腕女将なのだぽん!」


得意満面なドヤ顔が青空に輝く太陽のように映えている♪


「やめんか!

ややこしくなるようことを胸を張って言うんじゃないわ!」


スパコーンとスナイパーライフルのストックで陽和の頭をはたく久遠ちゃん♪


「久遠ちゃん。痛いよ〜」


たぬき耳を伏せて頭をさする陽和がちょっと涙目。


「泣くほど強く叩いてないわ。

去れよ(ルヴニール)


美少女騎士の目の前で久遠ちゃんの手から消える狙撃銃。


「貴様! いま手にしていたものはなんだ! まさか姫様を襲おうとする狼藉者か!」


「敏腕女将は正義の味方なのだ!」

「だからやかましいって言ってるの!」


「正義の味方だと? 怪しい奴らめ! ん? んんん? 貴様!?」


陽和の顔をまじまじと凝視する美少女騎士の様子がなんだか変?


「ぽん?」

「陽和。スキを見て逃げるわよ? いいわね?」


こそっと小声で目配せする久遠ちゃんをよそに!

美少女騎士と睨めっこして?


「に〜らめっこしましょ♪ わらうとまけよ♪ あっぷっぷ♪」

「ぶふっ!?」


両手を使った陽和の変顔を目の前にして吹いている♪


「なんの遊びかしら!? この女騎士めっちゃ笑ってるわね?」

「は!? お、おのれ面妖な!? こやつらを捕えろ!」


抜剣した騎士たちが円になって二人をぐるりと囲む!


「あちゃ〜。まったくなんてことしてくれるんだか。おとなしく捕まる? それとも……」


なにかを手にするか如く右手が掲げられて!

狼の野生の瞳が鋭く光る!


「待ってください!」


金ピカな馬車の扉がガチャリと開いて現れたのは!

とっても高貴な香り漂う!

誰かな?

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