女だから?
試衛館からは、近藤先生、沖田さん、山南さん、井上さん、永倉さん、原田さんの七人と、平助くんが参加するらしい。
私も参加したくて、なんども近藤先生に言っているのだが、
「君は行かせられない」
の一点張りだ。
いよいよ、旅立ちの時は迫ってくる。
二月。
「柚季も行けたら良かったのに」
平助くんは残念そうな顔をして私に言った。
「私も行きたかったよ」
縁側に並んで空を見る。凛とした空気が気持ち良いけれど、冷たい。
「気をつけていってきてね」
笑って声をかけるけれど、正直悔しい。
自分の実力がないから? 女だから?
色々と考えてみてもなかなか答えは出ない。
「きっと」
平助くんが少し強めの声を出した。驚いてそちらを見る。
「武士って、やっぱり人を殺してしまうだろ? だからきっと近藤さんは柚季にそんな思いをさせたくなかったんだよ」
「やっぱり女だから……」
「そういうわけじゃなくて」
彼は焦っている。申し訳ないことを言ってしまった。
「女に守られるんじゃなくて、男は女を守りたいものだから」
平成の男の人はたぶん、こんなことを考えないはずだ。
かっこいいな、と思った。
「男前だね」
それでも、私は守る立場にいたい。しかしそんな事はいえるはずもなく。
「頑張ってね」
おう、と頷いた平助くんの方を小突いて、
「人手不足だったら言ってよ。いつでも駆けつけるし、一人で百人分くらい働くから」
と、冗談のように言った。少し未練がましく聞こえないか心配だったけど、
「頼もしいや」
彼は笑ってくれたから安心した。




