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第九話 俺この戦いが終わったら

魔王城の内部は、想像よりもずっと広かった。


石造りの回廊が延々と続き、壁に刻まれた紋様が紫色に明滅している。

空気が重い。息を吸うたびに、肺の奥に鉛を流し込まれるような圧迫感がある。

禍々しい(まがまがしい)、という言葉がぴったりだった。前世のオフィスビルの地下駐車場とは訳が違う。


合流地点で勇者パーティーと落ち合った。

勇者シータが「よし、行くぞ!」と気合いを入れ、ナシヌンダが「みんな死ぬんだ……」と泣き言を言い、アッシマッタが無言で弓を構え、ウラギールが何食わぬ顔で隊列に加わっている。

この男、さっきまで魔王軍側にいたはずだが、誰も突っ込まない。突っ込んだら負けなのかもしれない。


玉座の間の扉を蹴り開けたのはシータだった。

勇者だけあって、こういう場面での蹴りの威力は一級品だ。扉が吹き飛び、広大な空間が露わになる。


玉座に、座っていた。


黒い鎧。禍々しい角。赤く光る双眸そうぼう。絵に描いたような魔王だった。いや、この世界では「絵に描いたような」ではなく、これが本物なのだけれど。


私はステータスを開いた。


---


【ユウ・シャノチーチ(運命:「勇者の父」勇者の父】

【種族:魔族(上位)】


---


待て待て待て待てーーーーーーッ!!!!!!


私は心の中で叫んだ。


コンプライアンス違反。著作権。商標。

ド直球なのを投げてくんな。

校正者泣かせにもほどがある。


前世のOL脳がフル稼働で警告を発している。

翻訳神、あなたの語彙は一体どこから来ているの。


だが翻訳神からの返答はない。いつもそうだ。こういう時だけ沈黙する。


シータが前に出た。剣を構え、名乗りを上げる。


「俺は勇者オイダ・シータ! 魔王よ、覚悟しろ!」


魔王が立ち上がった。巨体が影を落とす。


「来たか、勇者。待っていたぞ」


不敵な笑みを浮かべる魔王。「待っていた」。

その言い方には、単なる敵対以上の何かが滲んでいるように聞こえた。


だが今はそれどころではない。


私は赤ペンを取り出した。


魔族の名前は書き換えられる。承認者がいなければ自動承認。

マホキカンで実証済みだ。


なんでもいい。とにかく——赤ペンを走らせた。


承認者不在。自動承認——完了。


ステータスが更新される。


---


【ユウ・シャゼツユール(運命:「勇者絶ゆる」勇者絶対許さん)】

【種族:魔族(上位)】


---


……うん。我ながら雑な校正だった。前世の上司に見せたら赤ペンで赤ペンを校正されるレベルだ。でも、通った。


変化は即座に現れた。


魔王の体が震え始めた。理由の分からない怒りが全身を駆け巡っているのだろう。

瞳の赤光が一段と強くなり、歯を剥き出しにして、視線がシータに固定される。


「勇者ァァァァ! 絶対に許さん!!」


理性が半分吹き飛んだ魔王が、玉座から跳躍した。


シータに向かってまっすぐに。


ヘイトが全て勇者に向いていた。

シータの剣と魔王の拳がぶつかり合い、玉座の間が爆音に包まれる。

衝撃波で私たちは壁際まで吹き飛ばされた。石柱が砕ける。天井から瓦礫が降る。


「やりすぎたかも」


冷や汗が背中を伝う。名前を変えるだけでここまで戦意が暴走するとは思わなかった。

「勇者の父」が「勇者絶対許さん」になった結果。

父親としての複雑な感情が、純粋な殺意で塗り潰されてしまったらしい。

力の加減がなくなっている。


「やるな……魔王ッ!」


シータは——しかし、勇者だった。


暴走した魔王の猛攻を、一歩も退かずに受け止めている。剣が閃き、魔力が弾ける。

勇者オイダ・シータ。追い出した者。重要な人物を追い出してしまう運命。

根は悪くない単純なバカ。

だがこの瞬間だけは、確かに世界を守る勇者だった。


---


私がその手を取られたのは、そんな最中だった。


「ミエル」


振り向くと、オレコノーガがいた。


煤まみれの顔。切り傷だらけの腕。なのに目だけが真剣で、私の右手をしっかりと握っていた。


「え」


「俺、この戦いが終わったら——」


あ、来た。

またこのセリフだ。


不意打ちだったので、止める余裕がなかった。

何度止めても、何度叱っても、この男はこのセリフを使う。

呼吸をするように死亡フラグを立てつづける。


オレコノーガ・オ・ワッタラ。「俺この〜が終わったら」。

それが彼の名前で、彼の運命で、彼の口癖で……。

そして、彼の愛情表現だった——。


「——結婚しよう」


私の中で、すべての時間が止まった。


嘘だ。時は止まっていない。

背後で魔王が咆哮している。シータの剣が火花を散らしている。

ナシヌンダが悲鳴を上げている。世界は全速力で回り続けている。

止まったのは私だけだ。


「……け、けっこん?」


「ずっと言おうと思ってた。俺この戦いが終わったら、お前と——」


オレコノーガの頭上には、【死亡フラグ:10時間後に死亡】が明記されていた。


脳が沸騰しそうだった。嬉しい。怖い。嬉しい。怖い。プロポーズされている。死亡フラグが立っている。この二つの感情を同時に処理できる人間がいたら紹介してほしい。


——落ち着け。


——落ち着け、フラグガ・ミエル。いや、もうすぐフラグガじゃなくなるかもしれないけど。いやそうじゃなくて。


——考えろ。


さっき学んだばかりだ。ココハオレニーの死亡フラグが消えた瞬間を。

運命は変えられる。


フラグをへし折る事は、不可能じゃない。


「この戦いが終わったら結婚しよう」——この約束が、オレコノーガの死亡フラグの構造だ。


じゃあ……新しいフラグを立てて、この約束が無効になってしまえばいい。


「——今よ!」


自分でも驚くほど大きな声が出た。


オレコノーガが目を丸くする。「え? 今?」


「今すぐ結婚する! ここで! 戦いが終わる前に!!」


「こ、ここで!? 魔王城で!?」


「ここで! 魔王城で! 今すぐ!」


煤と汗で顔がぐちゃぐちゃだった。泣いているのか汗なのか、自分でもよく分からない。

でも声は震えなかった。震えさせるわけにはいかなかった。


私は振り返った。


「誰か! 僧侶のスキル持っている人いる!?」


爆風の陰で怯えていたナシヌンダが、恐る恐る手を挙げた。

どうやら魔法使いと僧侶の両方のスキルを持っているらしい。

さすがAランク冒険者だ。


「お願い! オレコノーガと今すぐ結婚したいの! 式を挙げて!」


「え、えぇぇぇ!? こんな戦場で!? 正気ですか!?」


「正気じゃなかったらこんなこと言わない! ……いや、正気じゃないかもしれないけど、とにかくお願い!」


ナシヌンダは私の目を見た。


何が見えたのかは分からない。でも彼は、震える手で懐から聖典を取り出した。

表紙が血と煤で汚れている。端がちぎれている。でも中身は無事だった。


「……みんなみんな死ぬんだ」


ミンナミン・ナシヌンダ。彼はいつもの口癖を呟いた。でもその後に続いた言葉は、いつもとは違った。


「——だからこそ、今を生きるんだ」


聖典が開かれた。


戦場のど真ん中で。魔王の咆哮が響く中で。瓦礫が降る中で。


魔王の玉座へと続くレッドカーペット。

神父ナシヌンダに向かって、私とオレコノーガは腕をぎゅっと組んで並んだ。


「えー……では。汝、オレコノーガ・オ・ワッタラ」


ナシヌンダの声が震えている。それでも、ちゃんと式文を読んでいる。


「フラグガ・ミエルを妻とすることを誓いますか」


オレコノーガが答えた。


迷いのない声だった。


「誓う」


背後で魔王の拳がシータの剣と激突した。

どーんという衝撃波が床を割り、私たちの髪を巻き上げる。

だが、私たちの誓いは揺るがない。

背後でシータが何発か殴られているようだが、今だけは許してほしい。

ナシヌンダが聖典を落としかけて慌てて拾う。


「な、汝、フラグガ・ミエル」


声が上ずっている。もう少し、もう少しだ。


「オレコノーガ・オ・ワッタラを夫とすることを誓いますか」


私は答えた。


泣いていた。こんな場面でもやっぱり涙は出てしまうものだ。

煤と涙で視界がぼやけて、ステータスウィンドウすらまともに読めなかった。でも、声だけは出た。


「誓います」


その瞬間——。


頭上から花びらが降って来た。


エルフの弓兵アッシマッタとハズレネーが、花びらを撒いていた。

南方の山に咲く、きれいな白い花だった。


「人間はどうして花を撒くのかしらね? ハズレネー」


「だって綺麗でしょう、姉さん」


白い花びらが戦場に舞う。世界で一番美しい花吹雪だった。


タイキが号泣していた。


「よく分かんないけど……よかったぁぁぁーーっ!」


私たちは歩いた。

出席者はいつもの冒険者仲間たちと、勇者パーティーしかいない。

けれど、世界で一番あたたかいヴァージンロード。


オレコノーガのステータスが更新された。


---


【恋愛フラグ:成就】

【死亡フラグ:解除】


---


死亡フラグの解除に成功した。


「この戦いが終わったら結婚しよう」——このフラグはもう成就し、行き場を失って消滅した。


戦いは終わっていない。まだ魔王が暴れている。まだ瓦礫が降っている。

でも誓いは果たされた。


私はオレコノーガの手を握ったまま、泣き笑いの顔で彼を見上げた。彼も泣いていた。泣きながら笑っていた。


「俺、この戦いが終わったら——」


「もう終わったの!! 結婚は!!」


「いや、結婚指輪を渡したいんだけど」


「もー!! 適当でいいから!! その辺探しましょう!!」


---


魔王とシータの戦闘は、なおも続いていた。


激しさは増す一方だった。

名前を「シャゼツユール」に変えたことで暴走した魔王は、純粋な破壊衝動のままにシータを攻め立てている。

シータも一歩も退かない。二人の激突で玉座の間は半壊し、天井に大穴が開いて外の空が見えた。


だが不意に、魔王の動きが止まった。


シータの首元に、何かが光っていた。

戦闘の激しさのあまり、破損した鎧の内側から飛び出したのだろう。小さなペンダントだった。

銀色の鎖に、青い石がひとつ。


魔王は、ぴたりと動きを止めて、じっと見つめていた。

赤い瞳が、そのペンダントに釘付けになっている。


「……その……首飾り」


声が変わっていた。さっきまでの暴走した怒声ではない。低く、掠れた、別の何かが混じった声。


「まさか貴様は……」


シータは不思議そうに、首のペンダントに手を触れた。


「これは母から貰ったものだが——」


魔王が沈黙した。


長い沈黙だった。戦場の轟音が遠くなるほどの、重い沈黙。


魔王ユウ・シャゼツユール。

「勇者絶対許さん」によって上書きされたのは、魔王本人の運命だけだ。

けれど、それによって血縁関係の事実が書きかわった訳ではない。


「……一旦引く」


魔王はそう言った。


シータが驚愕する。「なぜだ! まだ決着はついていない!」


「五月蠅い(うるさい)。引くと言ったら引くのだ」


理由は語らなかった。背を向けて、闇の中に消えていく。

だがその瞬間、私は見た。あの赤い瞳に、怒り以外の何かが滲んでいたのを。


何と呼べばいいのか分からない感情だった。翻訳神の語彙にもない感情。名前のない感情。


——でも、前世の私は知っている。あれは。


考えるのをやめた。今はまだ、そこに踏み込むべきではない。


魔王軍が撤退を始めた。


残党が散り散りに退いていく中。

裏切り常習犯のウラギールは、涼しい顔をして私たちの側にいた。


「どうせまた裏切るでござるよ。何度でも」


シータが感涙していた。


「ウラギール! やはりお前は忠義者だったか! 心の底では俺たちの仲間であり続けてくれたのだな!」


いや、違う。

絶対に違うから。


この人はただ裏切りまくっているだけだから。


なんでタテル兄さんに対する評価は低いのに、この人に対しては高評価なの、やっぱりおかしいでしょ。


だが誰もそれを口にしなかった。

シータは泣いているし、ナシヌンダは疲れ果てているし、アッシマッタはいつも通り無言だ。

ウラギール本人も否定しない。


……こんな感じで、破滅フラグを立てまくってボロボロになりながらも、それでもなんとかうまく回っていくのが、このパーティーの運命なのだろうな、と思った。


---


魔王城が崩れ始めた。


魔王軍の撤退と同時に、城そのものが維持力を失ったのだろう。壁が崩れ、塔が傾き、紫の紋様が色を失っていく。闇に溶けるように、巨大な城が消えていく。


私たちは全力で走った。オレコノーガが私の手を引き、タイキが泣きながら走り、ハズレネーが冷静に退路を確保し、ナシヌンダが「みんな死ぬんだ!」と叫びながら全力疾走していた。


私たちは死ななかった。

城の外に出た瞬間、背後で轟音がした。


振り返ると、魔王城があった場所には何もなかった。山肌がむき出しになり、夕日に照らされている。まるで最初から何も建っていなかったかのように。


そこには解放された山奥の部族の村があった。


城に隠されていた集落が姿を現す。石造りの低い家々、干し肉を吊るす棚、子どもたちの遊び場だったらしい広場。

魔王軍に占領されていた南方山岳部族の暮らしの痕跡が、夕日の中に浮かび上がった。


村の入口で、部族の人々がおそるおそる顔を出し始めていた。年老いた女性が、若い男が、子どもが。信じられないという顔で空を見上げている。城が消えた空を。


その時だった。


「——おーい!」


声が聞こえた。


城があった方角とは反対側、山道の向こうから。ボロボロの、でも聞き慣れた声。


ココハオレニーだった。


セーケンガと二人、互いに肩を貸し合いながら歩いてきた。ココハオレニーの盾は真ん中から割れていた。セーケンガの服は原形を留めていない。二人とも傷だらけで、血まみれで、片足を引きずっていた。


でも、立っていた。


二人とも、立っていた。


「いったい何が起こってるんだ? 魔王城は……」


ココハオレニーが周囲を見渡して言った。魔王城が消えたことに驚いているらしい。

死亡フラグは簡単に立てるくせに、こんな時のリアクションはまるで用意していなかったのだ。


「サイ・キョウは?」と私は訊いた。


「倒せなかった」ココハオレニーが首を横に振った。「でも、二人がかりでなんとか抑えていたんだ。あいつも魔王軍の撤退命令には従ったらしい……」


倒せてはいない。

でも、希望はあった。


セーケンガが微笑んだ。穏やかな、静かな笑み。


「……ようやく抜けましたよ」


その言葉の意味が一瞬分からなかった。


彼の右手には、見覚えのない剣があった。

聖剣。

右手に握られた刃が、夕日を反射して白く光っている。


セーケンガ・ヌケマス。「聖剣が抜けます」。抜けるまでは素手で戦い続けた男。サイ・キョウとの死闘の中で、ついに覚醒したのだ。


---


戦いが終わった後。


部族の村の広場で、私は座っていた。


夕焼けが山並みを染めている。南方の山々は辺境の平原とは違って起伏が激しく、尾根が幾重にも重なって、赤と紫のグラデーションを作っていた。

綺麗だった。こんな綺麗な場所を魔王城の暗黒が覆っていたのかと思うと、取り返せてよかったと心から思った。


周囲では仲間たちが思い思いに休んでいた。タイキは泣き疲れて眠っている。ハズレネーがアッシマッタと並んで矢の手入れをしている。ナシヌンダが聖典の破れたページを修繕しようとして諦めている。シータが大の字になって空を見上げている。ウラギールはどこかにいる。たぶんいる。いなくても驚かない。


ココハオレニーとセーケンガは部族の人々に手当てを受けていた。セーケンガの聖剣が光を放ち、治癒の力を周囲に振りまいている。抜けたら抜けたで便利な剣だった。


私は左手を見た。


薬指に、何かが光っている。


泥まみれの、小さな指輪。石を削っただけの、不格好な輪。

オレコノーガが戦場で拾った宝石——たぶん魔王城の装飾の一つだ——を、式の最中に短剣で削って作ったものだった。

サイズが微妙に合っていない。大きすぎて、指を下に向けるとずり落ちそうになる。


小さく笑った。


こんな指輪で結婚した花嫁が、この世界のどこにいるだろう。

式の間ずっと背後で魔王が暴れていて、神父は泣いていて、参列者の半分は戦闘中だった。


前世でも結婚式には縁がなかった。友人のには参加したけれど、自分のは想像したこともなかった。

でも、少なくとも、一生忘れない結婚式だった。


人の手で運命を変えることは、不可能ではない。

指輪の石が夕日を反射して、小さく光った。


「よし、まずは部族の長老に会いに行こう」


声に出した。隣にいたオレコノーガが振り向く。


「そういえば、何をするんだ?」


「古語の『レンアイ』に関する文献を探すのよ。翻訳神が出した、村名に新しい名称を使用する条件の一つ。それから帰って兄さんたちに報告する」


オレコノーガは黙って聞いていた。私が何を考えているのか、全ては分かっていないだろう。でもこの人は、私が本気で何かを言う時は黙って聞いてくれる。それだけで十分だった。


計画の全部は、まだ言わなかった。

頭の中で道筋を組み立てているだけだ。足りないピースがたくさんある。


でも、見えた。道筋が見えた。


それだけで今は十分だった。


オレコノーガが隣に並んだ。


並んで、一緒に夕日を見た。


数秒の沈黙。山の向こうに太陽が半分沈んでいる。空が赤い。風が冷たくなってきた。


「俺、この報告が終わったら——」


「フラグ立てないで」


反射で言った。条件反射だった。もうこの人のこのセリフには自動応答システムが構築されている。考えるより先に口が動く。


「新婚旅行の話をしようと思ったんだけど、ダメか?」


「……………」


新婚旅行。


頬が熱くなった。今さらだ。今さらすぎる。死亡フラグを消すために結婚したのに、いや、それだけじゃなかった、それだけじゃなかったけど、でも、その、えっと。


ふと見ると、オレコノーガの頭上に、【死亡フラグ:10時間後に死亡】が浮かんでいた。


「……またフラグが立ってるじゃないの! もー!」


私は指輪の光る手で、オレコノーガの手を引っ張って、世界一簡素な新婚旅行を始めた。


夕日が沈んでいく。


山並みの向こうに、最後の光が消える。空の色が赤から紫に変わり、最初の星が瞬き始めた。


帰ったら、もっと盛大な新婚旅行をしよう。

戦いは終わった。物語はまだ続く。


オレナイを救う道筋が、ようやく見え始めていた。

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