First story〜始まりの冬〜[2]
その後、朝食を食べ終えた後、雷吟は例の『新しい家族』を迎えに行ってくると言って、家を出て行った。
「・・・ヒマ、だなぁ・・・」
怜は、ソファーのうえでうつ伏せになり、ポツリと呟く。
すると、怜の寂しげな雰囲気を感じ取ったのか、黒猫のオズが怜に近づき、顔を摺り寄せてきた。
「オズ、お前も寂しいのか?」
「ミャアーン」
寂しげに鳴くオズを優しくなでながら、怜は少しの間、眠りにつくことにした。
怜がちょうど眠りについたとき、玄関の方で鍵を開ける音がして、それからドアを開けて誰かが家の中に入ってきた。
「ただいま、怜。居るか・・・って、なんだ、寝てしまったのか。」
『新しい家族』を連れて帰ってきた雷吟は、『新しい家族』を部屋の外に待機させて、ソファーの上で気持ちよさそうに眠る怜の頬をそっとなでる。
「怜、起きろ。『新しい家族』が来たぞ」
「ぅう〜ん・・・」
怜は、雷吟の呼びかけに、不機嫌そうに唸って答え、のっそりと起き上がる。
「怜、新しい家族だ。さぁ、入って来なさい。」
雷吟は、部屋の外にいる『新しい家族』を呼ぶ。
「紹介しよう。この子の名は、トウだ。」
「氷室 冬です。よろしくお願いします。」
冬と呼ばれた少年は、怜を見てニコッと笑う。
「・・・よろしく。」
そう言って、怜はヤキモチをやく猫のようにそっぽを向いてしまう
「さて、と。自己紹介も済んだところで、怜。『仕事』だ。」
雷吟は、急に真剣な顔になる。
「わかった。こいつも行くの?」
雷吟の言葉に、怜も真剣な表情になる。
「あぁ。頼む。」
「・・・わかった。仕度してくる。」
不本意そうにしながらも、怜は深くうなずき、自室へと向かった。




