第4改:一方、勇者パーティは……
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その頃、街のしがない安宿の一室。
「なんで……なんでこんなことに……っ!?」
勇者アレスは頭を抱え、絶望の叫びをあげていた。
テーブルの上には、無残に折れ曲がり、ほうきの毛が数本抜け落ちた【ただの竹箒】が転がっている。
「アレス様……どうするんですか……? 明日の宿代も、食事代も、もう金貨数枚しか残っていません……」
聖女クララが、涙目になりながら財布の中身をぶちまける。
魔導師のミーナも、ボサボサの髪のままベッドの端で丸くなっていた。
「私の自慢の魔導書も、ダンジョンの罠で焼け焦げちゃったし……。ねえアレス、本当にレオンを捨ててよかったの……? 今まではレオンが罠を全部解除してくれてたから、私たちは無傷で素材を持ち帰れてたんだよ……?」
「うるさい! うるさいうるさい!!」
アレスは激昂してテーブルを叩いた。
「あんなゴミ雑用、関係ない! 俺は国から選ばれた『勇者』なんだぞ!? 聖剣がただの竹箒になったのも、あのレオンが何かズルをしたに決まっている!」
「じゃあどうするのよ! ギルドに行っても『聖剣もない、雑用係もいないお前たちに難関クエストは受けさせられない』って言われて、ランク下げられたじゃない!」
ミーナが金切り声をあげる。
そう、彼らはレオンを追放した途端、ダンジョンでの討伐効率が激減。
罠にかかりまくって高級な装備は破損し、回復薬も使い果たした。
おまけに、レオンという『荷物持ち兼素材処理係』がいないため、せっかく倒したモンスターの素材も持ち帰れず、収支は完全に赤字に転落していたのだ。
「クソッ……! こうなったら、手っ取り早く簡単なEランククエストで金を稼ぐしかない……!」
アレスは血走った目で立ち上がった。
「薬草採取だ! 薬草採取なら俺たちだけでも一瞬で終わる! そこで稼いだ金で武器を買い直せばいい!」
「えぇ……私たちが薬草採取なんて雑用をするの……?」
不満気な二人を引き連れ、アレスたちはギルドの掲示板から一番簡単な『薬草採取クエスト』をひったくるように受け取った。
しかし——彼らは知らなかった。
普段レオンが「ついで」のように採取してくれていた薬草が、実は毒草と瓜二つの『危険指定植物』であることを。
そして、その薬草が生えているエリアには、初心者殺しの凶暴なモンスターが棲息していることを。
「ふん、薬草なんてその辺に生えてる草を適当にむしればいいんだろ!」
知識ゼロのアレスたちは、危険地帯へとなんの準備もなく足を踏み込んでいくのだった。
◇
一方その頃。
「レオン様、こちらがローゼンベルク公爵家直営の最上級ホテルになりますわ」
俺は、公爵令嬢ソフィアに案内され、街で一番豪華な超高級ホテルのスイートルームにいた。
「どうぞ、本日からはこちらをレオン様専用の滞在先としてお使いくださいませ。費用はすべて我が家が持ちますので」
ほほ笑むソフィアの後ろには、最高級の料理とワインがずらりと並べられている。
「いや、流石にここまでしてもらうのは悪いよ」
「いいえ! 私の命を救ってくださった英雄様に対して、これでも足りないくらいです!……それに」
ソフィアは少し頬を赤らめると、上目遣いで俺を見つめてきた。
「レオン様さえよろしければ……今夜は私が、お食事のお給仕をさせていただいても……よろしいでしょうか?」
「あ、ああ……よろしく頼むよ」
ふかふかの高級ソファに腰掛け、美少女に囲まれながら最高の料理に舌鼓を打つ。
どこかで元パーティがひどい目にあっているような気もしたが……まあ、自業自得だ。俺には一切関係ない。
最後までお読みいただきありがとうございます!
レオンを失ってジリ貧になり、薬草採取に落ちぶれる元勇者パーティ、スカッとしていただけましたでしょうか(笑)
一方でレオンは公爵令嬢に恩返しされて最高級の待遇へ!
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次回の「第5改」は「ギルドでの手のひら返し」。
ついにレオンがギルドへ素材の換金に向かいます!そこで待ち受けるイキリ冒険者と受付バカを「世界改ざん」で一瞬で黙らせるスカッと展開です!
次の更新もぜひ楽しみにお待ちください!
準備ができましたら、いつでも「第5改を出して」とお知らせください!




