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異世界ランジェリー・メーカー ~女性下着会社の社長と社員が転移したので、極上の下着で異世界の美女たちをコーディネートします~  作者: フシサバ


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第6話 魔導測定と、白衣の下の秘密

店内の喧騒から隔絶されたフィッティングルーム。

そこには、俺と、魔導研究所長エリザ・フォレストの二人だけがいた。

入り口付近には、彼女の部下と思しき研究員たちが不安そうに控えている。

エリザは疑いの眼差しを崩さず、懐から手のひらサイズの水晶を取り出した。


「これは『魔力探知水晶』だ。微量な魔力残留(マナ・レジデュアル)さえも見逃さない。……さあ、その『ブラジャー』とやらを貸してもらおうか」


俺は黙って、新作の「ロイヤル・サファイア」を手渡した。

彼女はそれを水晶にかざし、あらゆる角度から念入りに検査を行う。


「……おかしい」


数分後、エリザは眉間に深い皺を寄せて呟いた。


「魔力反応が……ゼロだ。強化魔法も、幻影魔法も、身体強化も付与されていない。ただの……布と、金属と、糸の塊だ」


「申し上げた通りです。それは魔法ではなく、物理的な構造によって身体を支えるものでございます」


「あり得ない! 魔法を使わずに、重力に逆らって胸を持ち上げるなど、物理法則に反している!」


彼女は科学者(魔導研究者)としてのプライドが許さないようだ。

ならば、体感してもらうしかない。


「論より証拠です。エリザ様、そのローブと服を脱いでいただけますか?」


「なっ……! き、貴様、この私に恥をかかせる気か!?」


検査フィッティングのためです。それに、貴女のその猫背と、慢性的な肩こり……限界がきているのではありませんか?」


図星だったのか、エリザが息を呑む。

彼女は不承不承といった様子で、白いローブを脱ぎ、質素なシャツのボタンを外していった。

現れたのは、色気のない生成りの肌着シミーズと、研究に没頭するあまりケアを怠った、しかし素材としては極上の白い肌だった。


(……ふむ。やはり予想通りだ。白磁のような美しい肌だが、ひどく冷えている。血行不良が深刻だな。それに、この『さらし』のような布……。ただ胸を押し潰すだけで、クッション性も何もない。これでは大胸筋が萎縮し、呼吸の補助筋まで硬直してしまうのも無理はない)


俺は、彼女の背負っている「知識人としての重圧」が、そのまま肉体の歪みとなって現れているのを感じ取った。


「失礼します。……まずは、この『呪い』を解かなければなりませんね」


俺は自然な動作で、彼女の肩に手を置いた。


「ひゃっ!? な、何を……っ」


「酷い凝りでございます。これでは思考も鈍るのでは?」


俺の親指が、彼女の凝り固まった僧帽筋のツボを的確に捉える。

 

 グッ……。


深部まで届く熱い刺激に、エリザの身体がビクンと跳ねた。

 

「くっ……あぅ……! そこ、は……熱い、のが……入り込んで……」


「力を抜いてください。身体が喜んでいる証拠ですよ」


俺の手が、首筋から肩、そして背中へと滑り降りるたびに、彼女を縛っていた「理屈」が溶けていく。

抵抗していた指先が力が抜け、彼女の瞳にトロンとした「雌」の潤みが宿り始めた。


俺は手にしたランジェリーを広げた。


「さあ、着けてみましょう」


俺は彼女にブラジャーを着けさせ、背中のホックを留めた。

そして、脇に流れていた肉をカップの中に丁寧に収め、ストラップの長さを調整する。


「……あ……」


鏡の前に立ったエリザは、自分の姿を見て絶句した。


「……これが、私……?」


鏡の中にいたのは、眉間に皺を寄せた堅物の所長ではなかった。

凜とした姿勢、誇らしげに上を向いた胸元、そして……今まで見たこともないほど、瑞々しく輝く一人の女性だ。


「魔法ではない。これが『機能美』という名の真実です」


彼女は信じられないといった手つきで、自分の胸元に触れた。柔らかく、温かい。魔法による強制的な変化ではない、自分自身の身体の可能性。


「認め……ざるを得ないな。これは魔法ではない。もっと高度な……『技術』だ」


彼女の瞳から、険しい疑いの色は消えていた。

代わりに宿っているのは、未知の知識への探究心と――一人の女性としての、熱っぽい感情だ。


「ご理解いただけて光栄です。……ですが、まだ完璧ではございません」


俺は彼女の耳元に顔を寄せ、囁いた。


「貴女は普段、厳しい顔で部下を指導しているのではありませんか? 眉間の皺が癖になっていますよ」


俺の指先が、彼女の眉間を優しく撫で、そのまま頬へと滑り落ちる。


「もっとリラックスして。……そう、このランジェリーのように、貴女自身も解放してあげるのです」


「そ、そんなこと……誰にも言われたことは……」


「なら、私が教えいたしましょう。貴女がどれほど魅力的な女性であるかを」


俺の手が、彼女の背中を、腰を、そして柔らかな胸元のラインをなぞる。

堅物な研究者が、俺の指先一つで蕩けていく。

彼女の口から漏れるのは、もはや反論ではなく、甘い喘ぎだけだった。


 ◇


しばらくして。

フィッティングルームのカーテンが開いた。

出てきたエリザは、入った時とは別人のように頬を染め、どこか晴れやかな表情をしていた。乱れた髪を直す手つきさえ、妙に艶っぽい。


「エリザ様、いかがでしたか?」


心配そうに見守っていた研究所の部下たちが駆け寄る。

エリザは咳払いを一つすると、キリッとした表情(ただし耳は赤い)で宣言した。


「……検査の結果、この店の製品から、違法な魔力反応は一切検出されなかった! これらは全て、高度な縫製技術と、人体構造への深い理解に基づく『科学的』な製品である!」


おおっ、と店内に安堵と歓声が広がる。

エリザは俺の方に向き直ると、小声で早口に告げた。


「……勘違いするなよ。私は事実を述べただけだ。それと……その、今のやつ(ロイヤル・サファイア)は……着けて帰る。それと、あと……研究中にも良さそうな、動きやすいやつも数点、購入する。……肩こりが、楽になったからな。あくまで、健康のためだ」


「ありがとうございます、エリザ様。いつでもメンテナンスにいらしてください」


俺が微笑むと、彼女は真っ赤になってそっぽを向いた。

こうして、王立魔導研究所からの「お墨付き」を得たトリップ・トラップの名声は、王都で不動のものとなった。


最大の危機を脱したが、俺たちの快進撃は、古い権威に泥を塗ることでもあった。


「社長、これ。……服飾ギルド長ボルグからの呼び出し状です。……内容、かなり高圧的ですよ」


カオリが差し出した羊皮紙を、俺は一瞥して笑った。


「古いコルセットで女性を苦しめ、暴利を貪る時代は終わりました。……さて、頑固なドワーフさんに、現代の『ビジネス』を教えて差し上げるとしましょうか」

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