Ep.55 迷宮探索終了
「ん……」
ここは…?
起き上がって周りを見渡してみると、真っ白な空間。何も無い。
「えっと……私は…」
確か、迷宮に潜っていて、そこでユニちゃんに刺されて…
「ああ〜!そうだ!私、確かユニちゃんに殺されて……あれ、でも生きてる?というか、ルミナスは!?みんなは何処に行ったの!?」
「えへへ、ここは夢の中だよ〜」
「!」
驚いて後ろを振り返ると、そこにはいつも通りのユニちゃんが立っていた。
「あ……ユニちゃん………えっと…」
「ここは、私の魔法で作り出した夢の空間。君を殺したと思ってたんだけど、あのシュネーって人が蘇らせちゃってね〜。悔しいけど、まぁ良いか、って。」
「なんで……私を殺したの…?」
「なんでって、まぁ、近くに居たから?あと、他の人は私のこと信用してくれなかったし……。タジっていう子も。でも、君は私のこと信用してたでしょ?それに、そんなに強くなかったから、簡単に殺せそうだな〜、と。」
「え、ええ〜…」
「えへへ。まぁでも、嬉しいっちゃ嬉しいよ。あと、君は今ルミナスって人に担がれて上に戻ってる。そろそろ迷宮から出ちゃうから、そうなると私とは話せなくなるけど、4人だけこっちに向かってるんだよね〜。殺すのめんどくさそ〜」
「あなたは、何物なの?」
「私はこの北京迷宮の主、ユニバースだよ!魔王のやつに命令されてここに着いたんだけど、暇だし人も来ないし、出たいんだよね〜。」
「あの……」
「?どしたの?」
「今向かってる4人って…ギルマスと、シュネーさんと、オルカさんと、焉麒さんだよね?」
「多分そうなんじゃない?」
「こ……殺さないで欲しいんだけど!何でもするからさ!!」
「ええ〜!」
むふふ〜、と笑いながら、チラチラとこちらを見てくる。なんかちょっとウザいけど、4人がヤバいなら、どうにかして助けないと…
「まぁ〜、お願いされなくとも殺さないんだけどね〜」
「っえ?」
「ていうか〜。あのギルマス?のオジサン、強すぎて私じゃ勝てないよ〜。それこそ、倒せるのなんて魔王くらいじゃないかな?」
「そ……そうなんだ…」
「で?何でもしてくれるって〜?」
「い、いや……」
「そ・う・だ・な〜。何にしようかな〜!」
う〜ん、と考えているユニバース。
「あ、そうだ!君、魔人を一体連れてるでしょ。あの子、私に頂戴よ!」
「ええ〜…。それはちょっと…」
「嫌って言うなら、オジサン以外の3人、殺しちゃうけど?やろうと思えば出来るし。」
「う……」
魔人ちゃん。今回の作戦でも、ヴィザールさんに命令されて貸してあげた。電車の中で一緒に遊んで、結構仲良くなった。わざわざ言わないけど、私としては友達だと思ってる。それを、上げる…か。
それで4人が助かるなら……う〜ん…
ユニバース、ユニちゃんの方向を見る。値踏みする様な目だ。うだうだしていると、他の要件もついてくるかもしれない。
…………よし、何か酷いことをされると決まったわけでもないし、貸してあげようかな。
「貸す……だったら、いいよ。」
「それでも良いよ!返すのは、次に君がきた時ね!」
「…酷いこととか、しないよね?」
「さぁ〜、どうかな〜?」
「ちょっと!!」
「えへへ、冗談冗談。迷宮の手入れみたいな雑用とか、あと、友達になってもらおうかな〜ってね。嫌なことはしないよ。安心してね。」
「む………わかった。」
「それじゃあ、そろそろ地上に出るから。またどこかで会おうね!」
「私は会いたく無いけどね………」
ブワァァァ……と、意識が薄れていく。微かに、ユニちゃんが手を振っているのが見えた。
「……ト!」
「……ん………」
「……ロト!」
「クロト!」
「う〜ん……ふあぁぁぁ…」
ペチッ、と、おでこをデコピンされる。
「いてっ!」
「バカ、いつまで寝てるんだ。地上だぞ。」
「あ、ルミナス……おはよう。」
「おはよう、じゃない!ったく………」
そう言うと、ルミナスは私から顔を背けて、涙を拭いた。




