Ep.48 迷宮探索4
「あれっ………死んでない?」
「ふうぅぅ……危なかった。慶君が起こしてくれなければ、全滅している所だ」
龍に手をかざしているのは、シュネーさん。
「シュネー…!起きたのか」
「慶君に叩き起こされて……ね………ふわぁ…眠。龍の魔力は消しておいた。まぁ、殺す事は出来なかったがな…。ついでに、扉の開錠も…しておこう…」
「ああ、助かる。」
シュネーさんが扉に触れると、魔法陣ががちゃがちゃと動いていく。
「………ほら……開いたぞ〜…。それじゃ、私はもう寝る。」
そのままコテっと寝るシュネーさん。近くにいた私がキャッチした。
「ホント、凄いなぁ……」
「そうですね〜」
と、ユニちゃんが近づいてきた。
「その人、シュネーさんって言うんですか?最初の挨拶の時には居なかったですよね」
「うん。この人いつも寝てるから……。でも、起きたらめちゃくちゃ強くて賢いんだって。」
「へぇ〜」
ユニちゃんはシュネーさんをジッと見つめていた。何か思い当たる節でもあるのだろうか?
「俺も見てたっす。マジで死んだかと思ったっす……」
「危なかったよね……」
「それじゃあ皆んな、先に進もうか!」
『オオ!』
11階層……いや、これは果たして1つの階層なのだろうか。あまりに階段が長かったので、そのまま40階層まで進んでいくのかと思ったが、10階層分くらい進んだところで外に出た。
芝生が生えた、草原。空には雲や太陽まで見えていて、風や暖かさも感じる。ものすごい空間だ。そして、すごく魔力が薄い。
「すっ……すご……」
「そうだな……これは……なんて魔法…いや、魔法なのか?」
ピーピー、と鳴きながら、鳥が飛んでいる。森の方向には猪や鹿も見えた。普通の動物。いや、魔物もいるとは思うが、あたかも地上のような空間。
「う〜ん…多分ここも地下なんだろうけど、なかなか信じられないね。とりあえず、安全に注意しつつ辺りを探索しようか。」
「ワシは寝るぞ!!面倒じゃ!」
「アンタも手伝えっ!」
「お花が咲いてる…植生も地上と似てるのか」
「端があるのかも気になるな。果たして階段は見つかるのか…」
階段前を拠点にして、全員がお互いに視認できる距離までという制限で探索する。
小高い山や、川、森など、自然豊かな場所だ。かなり過ごしやすいが、たまに魔物も出る。そして、1番の問題は、端に全く辿り着かないと言うことだ。
「端が無いね……ループしてるのかな?」
「それは無いだろう。周りの景色も変わるし、どれだけ進んでも誰かと出会う事はない。本当に無限に続いているみたいだな。」
「いやいや、おかしいでしょ…無限の空間を作り出す魔法…ってこと?」
「みたいだ。これが11階層ということなのか、高さ的に20階層なのかは分からないがな。」
「これが11階層だったら絶望的でしょ」
一旦、状況整理の為にタジ君、ユニちゃんと合流する。
「2人も、周り見てみた?」
「見て来たっす。全然端が無くて……階段も近くにあるか分かんないっすね」
「そうだね〜。強い魔物が居る気配とかも無いし…」
マズいな……完全に行き詰まった。高いところから見て階段が見えなかったので、おそらく森の中とかの見えにくいところに階段があるのだろう。もしくは、何かきっかけが無いと階段が現れないような、10階層のようなパターン。
どちらにせよ、周囲に特に変わったものが無いので、階段の探しようが無い。
「ギルマス、どうする?」
「そうだなぁ……撤退という訳にはいかないしな…」
「ガアァァァ!!なんにも無いわい!!暇じゃあ!」
「うっさい黙っとけ!」
「一応今、端があるかどうか、オルカ君が探しに行ってくれているから、帰ってくるのを待とうか。それまで昼食としよう。」
「わかりました〜」




