Ep.42 探索班
「良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」
「じゃあ、良いニュースだ。」
「良いニュースは、2階層は1階層よりも狭い。全部は見てないから推測だけど、20分で一辺を歩ききれたから、多分狭い。この感じだと、下に行けば行くほど狭くなるだろ。」
「そりゃあいいな。悪いニュースは?」
「悪いニュースは………」
みんなを見渡して、ニヤっと笑う。
「迷路と罠がバカみたいに凶悪になってる事だ。」
「げ、けぇ……」
嘘でしょ…1階層でさえめんどくさかったのに、さらに凶悪に…。これじゃあ多少狭くなったところで、難易度は変わらないじゃん。それどころか、1階層よりも難しくなったかも知れない。
「さてさて、これでかなり探索が厳しくなったわけだが…どうしようか。何か良い案は無いかな?」
ギルマスが話を持ちかけると、奥で話を聞いていたタジ君がピッと手を上げた。
「おっ、君。何か案があるのかな?」
「っす。この迷宮、今んとこ魔物が出てないんすよね。って事は、危険は罠だけ。ここの100人はみんなA−以上で、多少の罠くらいは対応出来るから、2人とか3人とかに分かれて探索するのはどうっすか」
うーん。どうなんだろう。私は罠とか苦手だけど、これだけ広くて複雑な迷路なら、班を小さく割った方がいいのかも知れない。
「良いね。そうしよう。」
「えっ、マジっすか」
「早速班割りするよ。みんなは野営の準備をしてくれ。」
『ハイ』
ルミナスと一緒に、いつものテントを準備する。小型で邪魔をしないが、中は広い。中にシュネーさんも寝かせた。
今日は中を歩き回っていただけなので、体力的には疲れていないが、精神の疲労が酷い。ずっと同じ風景だし。タジ君と喋っていたので暇では無かったけどね。
しかし、魔物が居ないのは嬉しい反面、不気味だ。これだけ広い迷宮で、魔素が溜まっている場所もあるだろうに、魔物が1匹も湧かないとは。
魔物が湧く原理はわからない所が多いが、大凡は、動物が魔素で変化したものか、魔素から生まれた物だと言われている。しかし、魔素から生まれると言ったって、質量保存の法則に反しているし、そもそも魔素や魔力とは何なのかも分からないし……
わからない事だらけだな。
晩御飯の軽食を取って、その日は寝たのだった。
翌朝。食事を取りつつ、班割りが発表される。基本2人か3人ペアだ。そして、私の班も発表された。
「次の班。班長はクロト君。そして、タジ君、ユニ君だ。」
「はい。」
ふむふむ。タジ君はタジ君だな。ユニ君…女の子かな。
3人で集まる。
「こんにちは!タジ君と……ユニちゃんだね。」
「っす。また会ったっすね。」
「えへへ〜。こんにちは。」
ユニちゃん。少し派手目の、キラキラした目の女の子だ。半袖短パンであんまり探索に向いている服装では無さそうだが、慣れているのだろうか。
「ユニちゃんは、何ランクなの?」
「う〜ん……Aランクだよ!」
キラーン、とウィンクをしてくる。なるほどAランクか。A、A、A−なので、結構安定したパーティになりそうだ。
このメンバーで迷宮2階層を探索する。
「それじゃあ皆んな、行こうか!」
『オオ!!!』




