勝利
——少し前…1つ目のサブ船——
「ガハハハハハハ!!来るぞ来るぞ!」
「お酒飲んでないで戦ってください!」
「むん。良いが、お前はこのガキの世話をしておけよ」
「分かりました。頼みましたよ。」
「任せとけい!!!」
ブン!と大剣を振り翳すと、ドラゴンが2体消し飛んだ。
他の2体は慌てて回避するが、一匹だけまっすぐ向かってくる。
「なんじゃあ?ほんのり強そうなやつがいるのう」
神速で飛びかかり、剣を振る。さらに2匹を倒し、最後の隊長と思わしきドラゴンに目を向ける。
「ほんじゃあ、少しは歯ごたえのあるヤツであれよ…」
「あっ、シュネーさん!」
裸足のまま、テクテクとドラゴンに向かって歩いていく。
『………消し飛べ……!』
シュネーがそう唱えた瞬間、最後のドラゴンが爆散した。
「ガァァァァァァ!何してくれとんじゃあぁぁぁぁ!!」
『へへへ……』
羽が飛ぶように笑うと、シュネーはまた眠りについた。
「こんのガキャァ、わしの獲物を横取りしよってからに…!!」
「落ち着いてください…子供相手にそんな怒らないで」
——2つ目のサブ船——
「さ〜て、ドラゴン5体任された訳だけど…」
「無問題!任せとけ!」
「お、そう?それじゃあ任せるよ。私、地に足が着かない戦いは嫌いなんだ。」
「………私も戻る。」
「っし……そんじゃあ、俺の新技!竜には竜を!」
ググッ…と剣を構える。
「飛竜!!!」
飛ぶ真空刃。
魔法ではなく、物理で真空が発生し、そこに空気が流れ込むことで爆発が起きる程の速さと威力がある。
飛んできた5匹のドラゴンを瞬殺して、何事も無かったように終わったのだった。
再び魔法通話で全員に話しかける。
「みんな、大丈夫だったか?何か問題は」
「特に何も無かったぞ。」
「こっちもだ。全部倒した。」
「良かったです。船の損傷も無かったようですね。ただ、龍は倒したのですが、残党のドラゴンはまだまだ居ると思うので、早くこの一帯から抜けてしまいましょう。」
「わかったわ、少し魔力出力を上げるわね。」
船がグン、と加速する。時速200キロほどまで上がっただろうか。
「魔力の残量は大丈夫なのか?」
「う〜ん、そうね…残り60パーってとこかしら。こんなに使ったのは初めてだわ。」
「では、余裕を持ちつつ日本まで辿り着けそうですね。私は今後の準備と作戦立てをしますので、皆さんも休息を取っておいてください。」
「あ、私も手伝います。」
「休息を取って、って言っても、私らは何もしてないけど…ねぇ、ヴィザール君。」
「………」
「まあいいか。私はティアちゃんの所に行くけど…」
「俺も寝るわ。アルマはんの巻き添え喰らって死にかけたし、」
「あら、その節はごめんなさいね。」
「ごめんなさいちゃうでぇホンマに…まぁええわ…」
「では、各自解散としようか。」
そうして、2日目の夜が更けて行ったのだった…




