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クロト  作者: 白玉
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圧倒的な力

——アルマ視点——


「あ〜あ。やっちゃった…。」


今発動した魔法、アルバトラウム。魔法の性質としては、「崩壊」と「分離」。全てのエネルギー、物体がエントロピーの法則によって分散し、消滅する空間へ送る魔法だ。


「無限」の性質を持つエネルギー、物体を除いて、全てを一瞬で消すことが出来る。ただし、魔力消費量が大きく、失敗すれば周囲一帯の空間が捻じ切れて消滅し、4次元空間に繋がってしまうのが欠点だ。


今は、成功はしたものの、近くにいた2人の安全を考えるのを忘れていた。慶ちゃんは耐えれたようだったが、シャル君は無理だったようだ。


そして、龍は…


【ッチ。何をした…?まあいい、その魔法、さぞ魔力消費量が大きい事だろう。残念だが、我のブレスは何度打ってもなんら問題無いのだよ!!】


ピンピンしている。


「ハ〜ァ、めんどくさい魔物ね〜。」


物理的な攻撃力がある2人が戻るまで耐えるか、私が倒してしまうか。アルバトラウムに類似する魔法はいくつもあるが、どれも魔力消費量が大きい。


(ここは耐えでいこうかしら…)



「シュティレーベン」



シュティレーベン、「停止」の特性を持つ魔法で、自分にかければ「不動」にもなる。今回は、龍を止めるために使ったが


【グ…ヌヌヌ………】


龍の周りにぐるぐると張り巡らした魔法陣をバリバリと引きちぎっていき、数秒と持たずに崩壊した。


「あ〜もう。やっぱこのくらいのレベルの魔法じゃ止められないか。」


【うざったらしい魔法ばかり使いおって!!】


グオオォ、と突撃してくる。防御魔法の重ねがけ、結界系の魔法を多重に発動させるが、衝撃が貫通して伝わってくる。


「ック……」


本当に面倒だ…






落下したシャル君を追って、私も落ちる。

戦闘以外の便利な魔法は知らないので、なるべく空気抵抗が少ない姿勢で近づく。


だいぶ落下して、およそ上空1キロ地点でシャル君を掴むことが出来た。途中積乱雲に突入したせいで、大量の雷と雨を浴びたが、シャル君も無事そうだ。もちろん私も無事だが。


上に戻るために、空気を思いっきり蹴るが、多少飛ぶものの余り進まない。


「シャル君!シャル君!起きてくれ!」

「う〜ん…。んあ?………おお〜、ギルマスやん。俺、死んだん?なんかヤバい魔法の巻き添え喰らったけど」

「大丈夫だ。それより、かなり落下してしまった。それで、さっき君が使ってた魔法、あれは…」


「あ〜、あれな。まぁ簡単に言うたら、なんかのエネルギーを何万回も反射させて、ガンガン威力高める技や。攻撃にも使えるし、移動にも使える。さっきは、足で地面蹴ったエネルギーを反復させて移動して…」

「それだ!それで上まで戻れるか?」

「う〜ん…ええけど、めちゃんこ負荷かかるで?俺は自分の魔法やからなんも感じひんけど、あんた潰れてまうんちゃう?」

「大丈夫だ、気にしないでくれ。」

「ひき肉なっても知らんで〜」


そう言って、シャル君は軽く腕を後ろに振った。すると、反射魔法で、エネルギーが累乗するように増えていく。

シャル君がパチン、と指を鳴らして……





【うざったらしい魔法ばかり使いおって!!】


「ッチ。面倒ね…」

「アルマ君!大丈夫か!」

「!やっと戻って来てくれたの…」


「ホンマに死にかけたで。何してくれとん」

「メンゴメンゴ!って、そんな事より、慶ちゃん!この龍やっちゃって!」

「ああ、今度こそ決めさせてもらおう。」


今度は一撃で決めさせてもらう。肉体の上限を解放した、本気の一撃。




「神撃!!!」




こちらを攻撃してこようとしている口から、尾にかけて。胴体を横に両断した。


【ガッ……バカな…………】


「うっひょぉ、えげつな」

「うふふふ、流石ね」


うっ…体への反動のダメージが激しい…が、なんとか倒せたようで良かった…。船内で船の操縦をしていたリノ君たちも無事だったようだ。


「他の船は大丈夫かな?」

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