VS龍
「ほな、龍退治といこか………」
シャル君がフッ…と消える。ゴオオオ、と突撃してくる龍の前に現れると、魔法を発動させた。
凄まじい勢いだった龍の突撃が止まり、逆方向に大きく吹き飛ばされる。あれが、シャル君のオリジナル魔法だという、反射魔法だろう。あの高速移動はどうやっているのか…
またフッと消え、吹き飛ばされている龍の後ろに回ると、軽く腕を振り、少し遅れて凄まじい勢いの攻撃が起きた。そのまま龍はこちらに飛んでくる。
「あかんわ。俺の攻撃じゃ威力足りひんみたいや。頼んだで。」
「任されたわ…とは言っても、あの鱗、かなり魔法に耐性がありそうなのよね…ギルマスちゃん、任されてくれる?」
「もちろんだ。」
【ニンゲンよ】
『!?!?』
何だ…?誰の声だ。
「誰だ!」
【誰、だと?クハハハハハハハハハ!!!先程から目の前にいるではないか!】
「まさか…龍って、本当に言語を使えるのね…」
「おったまげー…やな。」
【貴様らが我らの領土に踏み込んできよったのだ。容赦はせんぞ。】
「黙れ。ここは元々人間の土地だ。お前達魔物の住む場所では無い!」
【羽虫が騒いでおるわ!!この世界では我らがルールよ!ニンゲンも魔人どもも、我らに従えば良いのだ!】
「魔人どもも、やって?」
……もしや、魔物も一枚岩では無いのか…?
いや、今は考えている時では無いな。
「アルマ君、魔法が効きにくいのか?」
「そうね。近づけば、体内から爆発させればかなりのダメージになりそうだけど…。慶ちゃん、お願い出来るかしら?」
「分かった。」
目測だが、S+くらいだろう。出来れば一撃で決めたいが…。全身に補助魔法をかけ、初手で渾身の一撃を放つ。
特に技名などは無いが、本気の一撃だ!!
剣先は音速をゆうに超え、大気との摩擦で光輝き…
首筋を目掛けて放った剣戟は、鱗を数枚叩き切ったところで止まった。
「ッ…!硬いな……」
「マジかいな!」
【舐めるなよニンゲン共……。これでも喰らえ!!】
龍の口から、とてつもないエネルギー。船に向けて打とうとしているようだ。
「シャル君!!反射出来るか!?」
「無理やって!!こんなデカいもん重すぎて反射出来ひんわ!」
「任せなさい。」
数秒の溜めの後、龍の攻撃が船に向かって放たれた。
それに対し、アルマ君が構える。
「アルバトラウム…!!」
龍の攻撃ごと、ガラスが割れる様に世界が崩れていく…。
崩れた先の闇は、船も龍も全てを飲み込んで………
意識が遠のきそうになったが、意思の力で保つ。しばらくして闇が晴れると、あの強力な龍の攻撃は消えていた。そして、シャル君が落下している。
「あっ…!シャル君!!」
高度10000メートルから落ちれば、彼と言えどタダでは済まなさそうなので、アルマ君に龍の相手を任せて、下に降りていく。
それにしても、あの魔法はなんだったのか…




