開戦
朝の7時に出発して、1日が経った。この間何も無かったのは当然で、ワシントンD.C.から出発したのでまだアメリカの上空だったからだ。
海の上を飛ぶようになり、あと2日ほどかかる算段だが、リノ君の予想では、そう上手くはいかないだろう、という。
理由は、太平洋上の小島に龍が住み着いている事を確認しているからだ。
龍は、ドラゴンと少し異なる種類の魔物だ。世界で3体しか確認されておらず、言語を介し、圧倒的な力を持っている。その内の一体がハワイ島に住んでいるようで、飛空艇のルートはそのテリトリーに入るらしい。
一応、非常時に対応出来るように、幹部・副官が3つの船にそれぞれ分けて乗っている。
メインの船には私、アルマ君、シャル君、リノ君。
サブの船1つ目には、焉麒、シュネー君、ジン君。
2つ目には、オルカ君、カミュ君、ヴィザール君、ティアちゃんだ。
シャル君とリノ君は操縦室に貼り付けなので、メイン船の戦闘員は私とアルマ君になるだろう…
「そう気を張らなくてもいいのよ?何か来たら私が気づくし…」
「そうは言ってもな…。龍はSともS+とも言われてるだろ?もし戦闘になったら、相当な死者が出るぞ。」
「もし龍が来たら、私が魔法でバーンよ♪」
などと会話しつつ、船内のレストランで昼食を取る。船から降りれば戦場なので、ゆっくり休む暇は無いだろう。今の内に休暇を楽しんでおかなければ。
2日目の夜。あと1日で日本に到着するので、格船ごとに幹部・副官が集まって、リモートで会議をしていた時だった。
「……………!」
「どうした?アルマ君。」
「何か来るわ…。かなり強い気配。しかも、すごく怒ってる…」
「どうしたアルマ?トイレか?」
「黙れっ!!」
「喧嘩している場合か。リノ殿が言っていた龍というやつか。」
ウウウウウ……と船のアラームが鳴る。強力な魔物が近づいて来たのが、私でも分かった。
「出るぞ!」
全員……ティアちゃんは部屋で寝ているので居ないが、焉麒がシュネー君を担いで外に出た。
見ると、すでに見える距離まで迫っている。複数体のドラゴン…いや、一際大きな気配がある。
「龍ですね…。」
「ホンマに来よったわ…めんど」
「龍はこの船に向かっているみたいだが、他は…」
「ドラゴンが10体、龍が1体ってところね。龍が単独でこの船に向かってる。ドラゴンは5、5で副船に。」
「ありがとう。それじゃあ、戦うとするか。」
遠隔で会話出来る魔法を使い、他の船の幹部たち全員に指示を出す。
『それぞれの船に、ドラゴンが5体ずつ行っている。一般兵は船内に避難させて、全て倒してくれ!!』
『了解!!!!』




