Ep.22 尋問
「っ!後ろか!」
とその魔人は後ろに手を振ったが、気づくのが遅い。私の剣は首を切り飛ばしていた。
「…!!!」
という事で、なんとか魔人の討伐に成功したのだった。
「ねぇちょっとルミナス!めちゃくちゃキツかったんだけど!」
そう言って、ルミナスの脇腹にポコりと一発入れてやった。少し気が済んだので、倒した魔人が何か持っていないか確認しようとしたのだが…
「く…くわはははは!私は首を切られても死なんのだ!驚いたか!」
「うわっ!」
生首が喋っている。なんでこんなに元気そうなんだ…
胴体の方は、まだ氷漬けでジタバタしているし、本当になんなんだこの魔人は。
「心臓を刺せば死ぬのか?」
「まっ…待て!私を切った方はともかく、貴様に刺されると死んでしまう!やめろ!やめてくれ!」
「うるさい奴だな。クロトに負けたんだから、さっさとくたばれ。」
「待って待って!やめろ!やめてください!!うう…」
「何かちょっと可哀想だよ?やめてあげたら?ルミナス」
「こいつは魔人だぞ。生かしておいたら何をしでかすか分からん。始末しておいた方が今後のためだ。」
「殺さないでくだちゃ…さい…。」
「ほら、泣いてるよ。それに、私が倒した相手なんだから、私の好きにしていいでしょ?」
「む…。確かに横取りは良く無いな。よし、クロトが殺せ。」
「そういう事じゃ無いでしょ!生かせてあげようって言ってるの!」
魔人の女の子がこちらをポロポロ泣きながら見つめている。
「それで?君の名前はなんていうの?」
「名前…?は無いですけど…」
「ふ〜ん…」
「名前のある魔人はもっと強い。A程度の魔人が名付けられることは無いだろう。」
「そうなんだ。まぁ付けてあげるわけじゃ無いけど。それで?生かしてあげたんだから、何か良い情報とか、無いのかな?」
これは使えそうなので、生首に剣を突きつけつつ、新たな情報を探すことにした。
「聞きたい事は色々あるけど、まず君は何者なの?」
「私は…魔王様配下の魔人の1人です。雑用を任されていて、ドイツを完全に納めてこい、と言われて来ました。」
「誰に命令されたの?何の為に?」
「幹部のヨル様です。ヨーロッパを抑えたいから、足掛かりを作ってこい、と。それ以外は知らされて居ません…。機嫌を損ねたらしたら消されるから。」
「幹部のヨルか。Sランクの魔人だな。私は戦った事は無いが、かなり好戦的な魔人だという。そして、ヨーロッパに来るという事はそのままアフリカか、グリーンランドか…。どちらにせよ、ギルドに報告だな。」
「他も。ポツダムにたくさん魔物が居たけど、貴方のせい?」
「多分そうです…。邪魔だったので、殺気を全開で放ったら…」
「クロト、私も質問させてくれ。おいクソガキ、人間を見なかったか?」
「うぇっ……。みみみ見ませんでした…。」
「シベリアの方は?人間は居るのか?」
「えっえっと…た…多分居ないと思います…。ロシアに人間は居ないんじゃ無いかな…。」
「んふふ、この娘、めっちゃルミナスにビビってるよ。」
「動いたら殺す、と圧をかけてるからな。」
「ひっ…ううう…」
その後も幾らか質問したが、大した情報は得られなかった。Aランクではあるが、使いっ走りということなのだろう。相手も戦闘経験があまりなさそうだし…。
さて、残る問題はこいつをどうするかだ…
ルミナスは殺せ、と言っているけど…




