Ep.18 過去の記憶
ハイデルベルクも瓦礫だらけで、他の場所とあまり変わらない。少し瓦礫の量が多いか、くらいだった。
ルミナスは少し悲しそうな、何かを思い出すような顔をしていて、何も話さない。無言のまま、案内されてルミナスの昔の家に着いた。
特に何かあるわけでも無く、周りと変わらない瓦礫の山。
ルミナスが瓦礫を掻き分け、何かを見つけた。写真立ての様で、彼女と他に3人が並んでポーズを取っている。みんな笑顔だ。
ルミナスはそれをしばらくじっと見つめていた。悔しそうな、悲しそうな、色んな物が入り混じった表情。
「それじゃあ、行こうか。」
と話しかけてくる。
「うん。行こう。」
ハイデルベルクの街をしばらく探索してみたが、特に役立ちそうな物は無かった。
街のはずれにお墓を作った。4人が写った写真は密封されていたが、他の物は風化していたので、瓦礫や土を取ってお墓に埋めた。
「ルミナス…」
「すまん、大丈夫だ。昔の自分と今の自分に区切りをつけておきたかったんだ。」
そう言うとルミナスは、自分の頬をパン!と叩いて、いつもの笑顔に戻った。
「ベルリンへ出発するぞ。」
本で得た知識だが。アフリカ大陸などシベリアから離れた地は、魔物がかなり少ないらしい。
魔人などはいっさいおらず、C程度の実力の者がいれば、集落を作ることも出来る。
逆に、シベリアに近い北欧や中央アジア等の地域では、A以上の強さがあっても全く安心は出来ないという。これは、魔物が北部から流れ出てくるだけで、魔人が戦争として侵略してくることがほとんど無いからだそうだ。
もし侵攻されれば、中国や日本、ヨーロッパの様に、瞬く間に地図が塗り替えられる事になる。
そのため、今歩いているドイツ中部も、かなり過酷な場所なのだ。
その証拠に、先ほどから魔物の襲撃の連続で、全く進めない。
「うわっ…また魔物が出てきたよ。どうするの?」
「想像以上に多いな…以前の数倍はいるぞ」
「魔物の数が増えてるってこと?」
「恐らく、魔物が追いやられて逃げてきたのだろう。魔族が何かしたのか…?」
この調子だと、また何処かの温泉地にお世話になりそうだ。
2日ほどポツダムで足止めになっている。ルミナスが私の体力を考えているおかげでピンチになる事は無いが、なかなか前進出来ない。
何か打開策を見つけなければ…
もうすぐ2万字です。
それと、いくつかの賞に応募しました。当選することは万に一つも無いですが、いつか取れれば良いですね…




