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魔法少女と二代目。  作者: ささかま 02
【ブルー編】なべて茶店はこともなし
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21 晴れ渡れ空

七海視点


 なんとなく気の重い放課後。

 いつものようにさくらや梨穂と並んで帰ってはいるものの、なんとなく無言のまま帰路の半分が過ぎてしまった。


 私だって、最近はニクスのこともどうするべきか、どうしたいのかを考えなきゃいけない。

 でも二人も、何か悩んでいるみたいだし。こういう時こそ私がしっかりしなくちゃって思うのに、なんと声をかけたらいいかもわからない。


「あ、あの!」


 突然大きな声を上げたさくらに驚いてそちらを見れば、意を決したようなさくらがいて。

 ああ、そうか。この子も。


「ごめん! 二人が何か悩んでるのも気が付いてるし、今相談したら負担になっちゃうってこともわかってるんだけど、それでも! 私、二人に相談したいし、二人にも相談してほしい!」


 泣きそうな、堪えたような顔で言うさくらに、ぐっと、抱えているものを呑み込む。

 真っ直ぐで一生懸命な私の大切な友達。心配かけていたこと、反省しなくちゃね。ふと梨穂と目が合って、どちらともなく笑う。


「丁度、私たちもさくらちゃんに相談したいことがあったんです」

「梨穂!」

「そうと決まれば、今日はいっぱい話すわよ」

「七海!」


 飛びついてくるさくらにくすぐったいような気持ちになった。

 そうだ。私は一人じゃない。大切な人たちがいる。二人となら、この気持ちも共有できるし、上手く呑み込むこともできるかもしれない。


 話してみればあっという間で、さくらの家に移動してお互いに抱えていたものを全部出し切った。

 話してみてわかったのは、結局私たちが同じような悩みを抱えていたようで。皆それぞれ破壊の使者たちと戦い以外で知り合っていて、今後どう対応するべきか悩んでいた。


「まさか、皆同じことで悩んでいたとはねぇ」

「ははは、本当だよ。それにしても破壊の使者が人間に擬態していたってことは、他にも知らないうちにすれ違ったりしていたのかな?」

「そうなると、他にも騙されていた人がいるのかもしれないわね」

「え? 擬態、ですか?」


 例えイノセントジュエルを探すためだとしても、姿形を偽られているのは少し思うところがある。

 そういう話をしようとしたところで梨穂が不思議そうな声を上げた。


「いえ、P5は最初からずっとロウソクの頭をしていましたので」

「梨穂?」

「えーと、ごめんなさい。悪いことしないならいいかなって?」

「……一旦P5については置いておきましょう! でもできればもう少し人じゃないものが日常に馴染んでいることに違和感を思えて欲しかったわ!」


 マイペースちゃんめ! P5はバイデントたちの中でも一番よくわかんない奴なのに、なんでこう、マイペースな梨穂との組み合わせになっちゃったかな。このマイペースさが梨穂なんだけど!

 色々思考が脱線しそうになるのを、今考えても仕方ないと切り捨てて話を戻す。


「とにかく! 私たちの意思統一はしっかりしておきましょう!」

「うん。破壊の使者たちに対して、どういう対応を取るか、だよね」


 どう、と言われてすぐに解決方法が浮かぶわけではないけど、どうしたいかの方向性は話し合って決めておいた方がいいと思う。

 私自身、まだちゃんとニクスにどう接するか決めかねているのだし。


「私は、もう少しP5と話をしたいです」

「話して、わかってくれそう?」

「……わかりません。でも彼、なんだか子供みたいなんですよ。だから、もう少しだけ、説得できないか頑張ってみたいんです」


 あぁ、なるほど。そうよね、そう。うん。梨穂とP5の間に何があったのかは知らない。梨穂がそう決めたのなら、応援したい。

 ……なら、私も。いいえ、私には梨穂みたいにニクスを説得するなんてできないのかもしれない。けれど、それなら私なりの方法で。


「私は、ヨルさんも大切だった。意地悪だったけど、嫌いじゃなかったの」

「七海……」

「嘘を付かれていたのが悲しい。でも、だからこそ、ちゃんと説明させてやるわ!」


 ニクスは人間の姿で、イノセントジュエルの場所を探していて、その合間に紬に来ていた。

 ヨルさんはニクスで、破壊の使者だった。それは変えようがない事実。でも私は、ヨルさんが好きだった。それだけは事実だ。


 だから、もう迷わない。

 ちゃんと向き合うし、ニクスにもちゃんと私と向き合ってもらう。ニクスが言った「あの人」についても聞き出す。

 今まで私にとってバイデントたちは倒すべきものだった。でもそこにニクスがいるなら、話をしなくちゃ。例えわかり合えなくても、最後までちゃんと、突き通してやる。


「人もプルートも傷付かずに済む方法はないのかな」

「どうかな。チュチュは、イノセントジュエルの力は無限ではないって。一方を救えば、もう一方は……」


 チュチュは普段、私たちのプリズムパクトの中で眠っている。今だって、パクトは何の反応もしていないけど、中にはいるはずだ。

 何かを知っているようだけど、あまり話してくれないのは私たちに言えない事情があるからなのか。何かを知っていると思っているのは、私の勘違いなのか。


「……カロンたちだけじゃダメで、私たちだけでもダメ」

「さくらちゃん?」

「なら。協力、するしかないよね?」


 そろりと、何かを確認するようにさくらが言った。

 協力、できるかな? その方法が一番いいのは間違いない。話してわかり合えるかもわからない。けど、それでも。


 私は、私たちにできることを精一杯しよう。



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