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「これはフレンドリーな接触です」〜ゲーム世界に転移したけどNPCがバグってる件〜  作者: 鱈場蟹


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第32話:Now Loading…で固まるんだが

朝。


俺が目を覚ます。


少女が言う。


「おはようござ――」


ピタッ。


「……?」


少女が止まる。


微動だにしない。


目も口もそのまま。


空中に固定されているみたいだ。


「おい?」


つつく。


反応なし。


その瞬間、


少女の顔の横に文字が浮かぶ。


『Now Loading…』


「ゲームかよ!!」


外に出る。


通り。


人が歩いている。


……途中で止まる。


ピタッ。


別の人も、


ピタッ。


さらに、


ピタッ。


「フリーズ祭りかよ!!」


よく見ると、


止まっている全員の横に、


『Now Loading…』


の文字。


「読み込み長すぎるだろ!!」


パン屋。


店員が頭を下げる。


「いらっしゃ――」


ピタッ。


『Now Loading…』


「接客中に止まるな!!」


俺はパンを取る。


普通に取れる。


「お、これは動くのか?」


一口食べる。


……うまい。


「プレイヤーだけ処理されてるのかよ」


その瞬間。


俺の手が止まる。


ピタッ。


「……あ?」


視界の端に、


『Now Loading…』


「俺もかよ!!」


数秒後。


ふっと体が動く。


「戻った……?」


少女が動き出す。


「――ざいます」


「途中から再開すな!!」


文章つながってねえ。


通り。


兵士が歩いてくる。


「現在の治安は――」


ピタッ。


『Now Loading…』


「言い切れ!!」


数秒後、


「――安定しています」


「分割すな!!」


広場。


男が女に告白している。


男、


「好きで――」


ピタッ。


『Now Loading…』


「最悪のタイミング!!」


女は待っている。


数秒。


沈黙。


気まずい空気。


男、再開。


「――す」


「短くなってる!!」


女、


「え?」


男、


「好きです」


「二回言った!!」


その時。


違和感。


通りの人が、


動く→止まる→動く→止まる


を繰り返している。


カクカクしている。


「ラグってる!!」


少女が説明する。


「現在、処理負荷の増加により、動作が断続的になっています」


「オンラインゲームかよ!!」


パン屋。


店員が動き出す。


「三ゴールドで――」


ピタッ。


『Now Loading…』


「またかよ!!」


その間に俺はパンを持ったまま待つ。


数秒後、


「――す」


「毎回分割するな!!」


その時。


通りの奥で異変。


人が一斉に止まる。


ピタタタタッ。


全員、


『Now Loading…』


「全体フリーズきた!!」


音も消える。


風も止まる。


完全な静止。


「……やばくね?」


数秒。


いや、


もっと長い。


体感的にかなり長い。


誰も動かない。


世界が止まっている。


「これ、ロード終わらなかったらどうなるんだよ……」


その瞬間。


ドン!!


一斉に動き出す。


「うおっ!?」


全員が同時に再開する。


声も同時。


「おはようございます三ゴールドです現在の治安は安定しています好きです」


「まとめて処理すな!!」


さらにカオスになる。


人々が、


止まる→一気に動く→止まる→一気に動く


を繰り返す。


会話が全部途切れ途切れ。


「おは――」

ピタッ

「――よう」

ピタッ

「――ございます」


「通信悪すぎるだろ!!」


その時。


俺の体が止まる。


ピタッ。


『Now Loading…』


「また俺かよ!!」


今度は長い。


動けない。


声も出ない。


意識だけがある。


ーーやっと動く。


「はあっ……!」


息が荒い。


少女が言う。


「ロード時間が増加しています」


「どんどん悪化してるじゃねえか!!」


その瞬間。


空にウィンドウ。


「ユーザーフィードバック」


来た。


「“頻繁に止まってストレスがある”」


その通り。


「“ロードが長すぎる”」


知ってる。


「“会話が途切れる”」


全部そうだよ。


「改善を実施します」


やめろ。


少女が言う。


「次のアップデートでは、ロードの最適化が行われます」


「頼むぞ……」


「言語アップデート ver.4.7」


「だから言語関係ねえだろ!!」


光。


静寂。


俺は一歩踏み出す。


普通に動く。


少女も普通に喋る。


「おはようございます」


通りもスムーズ。


「……直った……!」


その瞬間。


全員の頭上に、


『Now Loading… 0%』


「始まってるじゃねえか!!」


でも誰も止まらない。


だが表示だけ増えていく。


『1%』

『2%』

『3%』


「嫌な予感しかしねえ!!」


『99%』

『99%』

『99%』


「終われよ!!」


100%になった瞬間。


全員が同時に止まる。


ピタッ。


完全停止。


音も消える。


風も止まる。


「結局止まるのかよ!!」


俺は空を見上げた。


「この世界、“読み込み速くする”って発想ないのかよ……」


少女が一言。


「仕様です」


「知ってた!!」

次回もお楽しみに!もし面白かったら、ブクマや評価していただけると励みになります!

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