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 閻魔大王に突然渡された眼鏡に神谷は戸惑った。


「眼鏡?」

「必要だろ? 現世 の人々を守るお前には衆人を探し出す道具が」

「閻魔大王っていい人なんだ」

「本当は現世の人々を滅ぼそうとしている中沢をこちらに呼び戻したいのだが、あいつの能力はワシの想像を遥かに上回っていた。遠隔で中沢を連れ戻そうにも捕まえることが出来ないのだ。だから頼れそうなお前にこの力を授けたのだ」


 閻魔大王に直接そんなことを言われたら、やらざるを得ないじゃないかと神谷は思った。閻魔大王と10分ほど話していただろうか。神谷の身体が光だし、気がつくと先ほどのコンビニの駐車場に立っていた。

 コンビニの駐車場に戻って来ると、血まみれになって今にも死にそうな浩太が居た。あの2人は既に立ち去った後のようだ。現世人たちはコンビニで老人の運転する車が暴走したと大騒ぎして居るが、神谷はそんな騒動を無視して浩太に駆け寄った。


「浩太!!」

「神谷さん。消滅して復活しないから、もう戻ってこないのかと思ったよ」


 虫の息のような状態で必死に声を出して話す浩太。一度殺してくれと言わんばかりの目で見つめてくる為、神谷は浩太に止めを刺した。浩太は消滅したが、直ぐに再生されて神谷に礼を言いながら、あの後何があったのかを説明した。


「神谷さんが女性に刺されて消えた後、僕は必死に喰らい付いていたんだけど全然勝てなくて。

仕舞いには急所を外して斬って来るものだから、動けなくてあんな状態で倒れてたって訳なんだ」

「そうか。俺が油断したが為に辛い目に合わせてしまったな。すまない」

「いや、僕が弱すぎなんだ。でも、相手の情報はしっかり得たよ。男の方は島内(しまうち)(りょう)。女性が“亮”って呼んでいたから間違いないと思う。僕がまだ生きていた頃、連続強盗殺人犯としてニュースで見たことある顔だった。島内の能力は多分、現世の物に触れることが出来る能力。しかも手の部分だけね。女性の方は力を使ったのは神谷さんを消したあの一瞬だけだったから何の能力か分からなかった。でも島内が“理江(りえ)”って呼んでいたよ」


 神谷にとっては十分な情報量だった。やはり浩太の情報収集能力は群を抜いている。後は女性の情報だが、それは閻魔大王から聞いているから分かっていた。

高坂理江。生前は連続ひき逃げ事件を起こし、最終的に死刑囚となった女性だ。閻魔大王によると、人の能力を半分コピーする能力。コピーされた神谷の能力が相手にバレた可能性が高いと警戒した。

 浩太によると、中沢の下へ報告に行くという会話をしていたらしい。あの2人もマーダーのメンバーということだ。

 神谷と浩太は少し時間が過ぎてしまったが、村野と多田の待つ場所へ向かった。集合場所には2人ともう1人男が居た。


「遅くなった! ん? 誰だ?」

「私達も今着いた所。この人、山村(やまむら)結城(ゆうき)さん。散策してたらバッタリ会ってね」

「どうも、山村です。あなたがリーダーの神谷さん?」

「はい。神谷です」

「俺、多田さんと生前顔見知りで。同じ頃に死刑囚だったんですよ」

「なるほど。で、こちらのチームに入っていただけると?」

「はい。是非仲間に入れていただきたい。俺の能力は一時的ですが、現世人には姿が見えない状態で、現世の物や人に触れることが出来ます。と言っても手だけなんですけどね」


 神谷と浩太は島内と同じ能力であることに直ぐ気が付いた。ここで島内と同じ能力者が仲間になるとは好都合だった。それに、こちらには能力分析の多田もいる。どう扱う能力なのか、弱点はあるのかなど、様々な想定をすることが出来た。

 神谷たちはこれからマーダーと戦うことになった時を想定して、毎日互いに殺し合いをすることにした。


【ガーディアン】

神谷龍二。能力「衆人を閻魔大王の元へ送り返す」

村野好美。能力「現世人に乗り移る」

安居浩太。能力「3秒だけ現世の人に姿が見える」

多田健。能力「能力を読み取り分析出来る」

山村(やまむら)結城(ゆうき)。能力「現世の物に触れることが出来る」 New


【マーダー】

中沢秀斗。能力「衆人を完全消滅させる」

川上昭。能力「衆人を探し出す」

島内(しまうち)(りょう)。能力「現世の物に触れることが出来る」 New

高坂(こうさか)理江(りえ)。能力「能力を半分コピー出来る」 New


 ――出来るだけ仲間を増やさなければ。

 どんな能力が存在するのか分からないが、人数が大いに越したことは無いと神谷は考えていた。マーダーもいつ現世人の大量殺人を決行するか分からない。神谷は閻魔大王からもらった眼鏡を利用して、多田と共に街で衆人探しを始めた。

 現世人はのん気である。いつ殺されてもおかしくない状況なのに、全く警戒心がない。しかし、神谷たちも生前はそうだった。平和な日常が当たり前だと思って生きていた。日本は特に平和ボケしている。中沢がいつ決行するのか。神谷はガーディアンは常に受身でしか居られないのかと考え込んでいた。


 眼鏡を通して通り過ぎる人を見ていると、赤く光る女性がこちらに向かって歩いてくる。刀は持っていないが衆人だ。

 多田に能力分析を頼んだところ、電波を発する能力だという。衆人に対して電波を発すると、いわゆる脳の混乱を引き起こすことが出来る。しかし電波が届く範囲は広く、下手をすれば仲間にも影響を及ぼす。

 神谷はある程度、相手の能力を把握した。

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