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弐拾弐

 多田と浩太も刀とのコミュニケーションは順調に進んでいた。刀の能力を貰えたのか、浩太が神谷の方に喜んで向っていく姿を江口はジッと見ていた。気軽に話しかける浩太に少し嫉妬しているようだ。それを見ていた新衆人の女性が江口に声をかけた。


「何を睨んでいるの?」

「え? いや、睨んでたつもりはないんだけど」

「そう。でも凄い目つきが悪いわよ」

「ごめん。生まれつきなんだ。気をつけるよ」

「いや、別に怒ってる訳じゃないんだけどね。江口くんだったっけ?」

「ああ。えーっと……」

桐井きりい良子よしこよ。よろしく」

「桐井さん。よろしく」


 桐井は小学校に居そうな30後半の少し怖い先生といった雰囲気を持っていた。もう1人の新衆人の男の名は「桑井くわい直人なおと」。40代前半といったところだ。桑井は神谷に言われた通り、熱心に刀に話しかけていた。


「神谷さん! 青龍が力をくれるって!」

「おお! ついにもらえたか。どんな能力だ?」

「見てて!」


 そういうと、浩太は刀を抜かず目を瞑った。その瞬間、浩太が消えた。神谷が透明化する能力だと理解した時、背中から何かが当たった気がした。すると神谷のお腹から血が垂れてきた。

 「浩太か?」と呼びかけると、神谷の後ろに姿を現した。


「姿はもちろん、音も消せるんだ。でも、衆人相手に触れることも出来るし斬ることも出来る。このまま僕の能力を使えば姿を見せずに3秒だけ現世の物に触れることだって出来るんだ。3秒だけはっきり現世人に姿が見えるって能力なのに、真逆なんだよね」

「なるほど。いい能力じゃないか」

「青龍の能力は僕の能力以上に良いものだと、僕も言ってたんだ。そしたら凄く喜んでた」

「そうかそうか。真正面から立ち向かうと少し劣るが、その能力があれば浩太もかなりの戦力になるな。心強いよ」


 神谷の「戦力になる」という言葉が凄く嬉しかったのだろう。目を輝かせて他のガーディアンたちに能力を見せびらかしに走っていった。浩太と入れ替わるように多田がやってきた。


「多田も刀の能力をもらったのか?」

「いえ、それはまだ。中々頑固でして。それより神谷さん、あの新人さんたちに能力が現れましたよ。頭元に文字が浮かんでます」

「本当か! よし、3人を集めてくれ」

「わかりました」


 待ちに待った新衆人たちの能力の開花。神谷はどんな能力を持っているのか、早く知りたかった。新衆人の3人と多田だけが集まれば良かったが、みんな興味深々で集まってきた。結局ガーディアン集会のような状況の中、各自の能力が多田の口から伝えられた。


「まずは女性から」

「桐井です。よろしくお願いします」

「桐井さんの能力は一定時間、相手の視力を奪うこと。衆人に対してだと約30秒間。現世人に対してだと約10秒間、視力を奪うことが出来る。ただし、大勢を一斉に奪うということは不可能だから、多人数で戦っている時は視力を奪う人を選ばないといけなくなるね」

「視力を奪う……」


 桐井は自分の能力を聞いてどう使うべきものなのか悩んでいた。しかし、神谷は既に戦力として作戦に盛り込み始めていた。


「よし、次は若い君」

「江口です! よろしくお願いします!」

「江口くんは能力を発動した時に刀に力が宿る。江口くんの力が宿った能力で斬った物全てを腐敗させるという能力だね。これは衆人の身体はもちろん、現世の物や人にも影響を与える。現世の人に使うと、斬った場所が癌細胞に変化するようだ」

「恐ろしい能力だな。江口くん、現世人には決して使うなよ」

「はい! 神谷さんがそう言うなら絶対やりません」


 江口がはっきりと神谷に忠誠心を見せたとき、ガーディアン全員が少し驚いた顔をした。しかし、神谷も嫌ではなかった。


「では最後にあなた」

「桑井と申します。よろしく」

「桑井さんはマーダーの梅田と同じワープの能力ですね。衆人、現世人共に自分の思う場所へワープさせることが出来ます。同時に大勢の人をワープさせることも出来るようですね。だからあの時、新宿に一斉に集まったのか……。おっと、失礼。ワープは精密さを必要とするみたいなので練習と集中力、そして体力の強化が必要ですね」

「それなら安心してください。生前、精密機器の修理を行う仕事をしていたので、集中力には自信があります」

「それは適任ですね」


 これで全員の能力が分かった。そして神谷は新衆人3人の為に自己紹介を兼ねて自分の能力を説明し始めた。それに続いて村野、多田、星川、浩太も能力を説明し始めた。

 新衆人の3人も刀に名前をつけることになり、江口は「緑龍ろくりゅう」、桐井は「橙龍とうりゅう」、桑井は「茶龍さりゅう」と名づけた。

 まだ刀の能力を貰えていない多田を含めて4人は引き続きコミュニケーションを取るように神谷に言われた。こうして全員が自分の能力を持って次の戦いの準備を始めた。

 希望に満ちている新衆人の3人は、この後入ってくる情報で一気に絶望を感じる事となった。


【ガーディアン】

神谷龍二:能力「衆人を閻魔大王の元へ送り返す」&白龍「心の中に存在する殺意を全て力に変える」

村野好美:能力「現世人に乗り移る」&紅龍「斬った箇所は血が止まらない」

安居浩太:能力「3秒だけ現世の人に姿が見える」&青龍「姿と音を消す」

多田健:能力「能力を読み取り分析出来る」&黄龍「??」

星川湊:能力「理性を失った現世人の理性を戻す」&紫龍「重力を自在に操る」

江口えぐち正隆まさたか:能力「斬った物全てを腐敗させる」&緑龍「??」 New

桐井きりい良子よしこ:能力「一定時間相手の視力を奪う」&橙龍「??」 New

桑井くわい直人なおと:能力「衆人、現世人共に自分の思う場所へワープさせる」&茶龍「??」 New


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