晩餐会場
晩餐会場。
長机。白いテーブルクロス。銀のカトラリー。水晶のグラス。
礼白は主位に座っている。女皇は彼の右手に座り、あまり話さず、時折グラスを手に取って一口含むだけだ。
ハーヴィーは左側の最初の席に座っている。イリーナは彼の向かいに。林秀は長机の後ろの方の席で、目の前には清茶が一杯だけ置かれている。
商務大臣の席は礼白の向かいにあり、目の前には数頁の書類が広げられている。労働者党の代表は彼の隣に、学生党の代表はさらにその隣に座っている。科学者党の席は空いている。
最初の料理が下がった後、ハーヴィーが口を開いた。
「首相先生。午前の会談ですが、戻ってから考えました。」
彼は皿の肉を切る。動作はとても遅い。
「ミサイル防衛システムの件は、実は急ぐ必要はありません。我々西洋公約がより重視しているのは、シルヴィエット国との長期的な関係です。」
礼白はフォークを置く。
「ハーヴィーさんの仰る意味は?」
「貿易です。」
ハーヴィーは肉を口に入れ、噛み、飲み込む。
「貴国は国土が広く人口が希薄で、資源が豊富です。我々西洋公約には成熟した市場があります。双方が補完し合えます。」
イリーナが向かい側で笑い声を上げる。
「ハーヴィーさんは口がうまい。午前はシルヴィエットの安全を守ると言っていたのに、夜には商売の話になる。」
ハーヴィーは彼女を見ない。
「イリーナ将軍。安全と経済は、常に一体です。」
「では貴国のレーダー基地は――」
「レーダー基地の件は、また話し合えます。」
ハーヴィーはついに振り返って彼女を見る。
「ですが北嵐連盟が本当にシルヴィエットの安全を気にかけているなら、我々が商売をするのに反対はしないはずです。」
イリーナはグラスを手に取る。深紅色の酒がグラスの中で一度揺れる。
「もちろん反対はしません。北嵐連盟もシルヴィエット国とより緊密な経済関係を築きたいのです。我々の市場は西洋に劣りません。」
礼白は二人を見る。
「お二方とも誠意があります。」
彼は言う。
「シルヴィエット国は双方と同時に貿易を展開する用意があります。市場開放、民生品。軍事には関わりません。」
商務大臣が隣でうなずく。
「具体的な関税と参入条件は、後日協議できます。」
ハーヴィーとイリーナは同時に商務大臣を見る。そして同時に視線を戻す。
「民生品。」
イリーナは繰り返す。その口調は何かを確認するかのようだ。
「民生品で十分です。」
ハーヴィーが続ける。
「我々西洋公約の民生技術も成熟しています。自動車。機械。電子。」
「北嵐の重工業も悪くありません。」
イリーナはグラスを置く。
「特にエネルギーは。」
礼白は彼らを見る。両方とも探りを入れているのが分かる。西洋は貿易で時間を稼ぎ、後で軍事議題を再び持ち込めるか見ようとしている。北嵐は貿易で存在感を示し、西洋に自分たちもここに分量があると知らせたい。
だが双方ともこの市場を本当に気にかけている。本当に。
「では、こうしましょう。」
礼白は言う。
「民生貿易協定。双方対等。軍事条項は設けない。」
ハーヴィーがうなずく。イリーナも。
書類が机の上で回される。ペンが紙の上を走る。
署名が終わった。
給仕がメインディッシュの皿を下げ、デザートに替える。
雰囲気が少し和らいだ。
そして林秀が口を開いた。
彼の声は大きくないが、全員が聞いた。
「皆様、おめでとうございます。」
彼はその清茶を手に持ち、飲まない。
「経済関係が樹立されたところで、東州連盟にも一つ無理なお願いがあります。」
礼白は彼を見る。
「林さん、どうぞ。」
「友好訪問です。」
林秀は茶碗を置く。
「我々は友好訪問の名目で、一批の交流生をシルヴィエット国に派遣したいと考えています。言語を学び、文化を理解するために。同様に、貴国の若者を東州に迎えることも歓迎します。」
ハーヴィーの動作が止まる。フォークがデザートの上で宙に浮いている。
イリーナが眉をひそめる。
「交流生。」
彼女は繰り返す。
「林さん、このタイミングで……」
「タイミングは良いです。」
林秀は彼女を遮り、相変わらず笑みを浮かべている。
「経済協定がちょうど締結されたところです。まさに理解を深める時です。しかもただの学生です。」
彼は礼白を見る。
「首相先生、いかがでしょうか。」
礼白は林秀の顔を見る。その顔はとても平静で、口元にはちょうど良い弧度の笑みがある。何の破綻も見えない。
交流生。学生。友好訪問。
人畜無害に聞こえる。
しかし彼は思い出す。東州から送られたあの情報を。魔神と計算機魔法に関するあの細部を。尊爵が遭遇した戦闘を。あの「大国均衡原則」という言葉を。
「構いません。」
礼白は言う。
「具体的な人数と段取りは、後日改めて協議します。」
林秀はうなずく。それ以上は何も言わない。
ハーヴィーとイリーナは互いに一瞥した。二人とも何も言わない。
デザートが終わる。コーヒーが運ばれる。
礼白がカップを手に取った時、眼角で林秀を捉える。彼はまだ笑っている。だがその笑みの中に何かがある。礼白にはまだ見抜けない。
扉が開く。
リリムが入ってきて、礼白の耳元で低く何かを言う。
礼白の表情は変わらない。彼はコーヒーカップを置く。
「皆様。日初群島から連絡がありました。彼らは軍售会を開きたいそうです。西洋公約が代理で招待する形で。各国が参加します。」
ハーヴィーが一瞬止まる。
「日初?」
「はい。」
礼白は彼を見る。
「我々は招待を受けました。新メンバーとして。」
イリーナはカップを置く。
「日初群島。軍售会。」
彼女の口調には一抹の警戒がある。
「彼らが自らこのような催しを開くことはほとんどありません。」
林秀は席に座ったまま動かない。彼の茶碗はすでに空だ。
「日初群島はずっと半分のプレイヤーでした。」
彼は静かに言う。
「今、もう半分になりたがっている。」
誰も応じない。
そして林秀が再び口を開く。
「そういえば。」
彼の口調は何かを突然思い出したかのようだ。
「皆様。シルヴィエット国はどのようにして国際連合に加盟するのでしょうか。」
静寂。
長机の両側で誰も話さない。
ハーヴィーのコーヒーカップが口元で止まる。イリーナの指が机の上で止まる。商務大臣の書類をめくる手が宙で固まる。
礼白は林秀を見る。
林秀の笑みは変わらない。
「ただの好奇心です。」
彼は付け加える。
「何しろシルヴィエット国の現在の立場は特殊です。国際連合の方でも、何かしらの説明が必要でしょう。」
沈黙が数秒続く。
そしてハーヴィーがコーヒーカップを置き、笑い声を上げる。
「はは。林さんのご指摘はもっともです。」
彼は礼白を見る。
「我々の不注意でした。では、まずオブザーバーの身份で参加されてはどうでしょう。その後は改めて協議します。」
イリーナも我に返る。
「構いません。オブザーバーの身份が稳妥です。」
林秀がうなずく。
「東州連盟は異議ありません。」
礼白は三人の顔を見る。
ハーヴィーは笑っている。イリーナはうなずいている。林秀は茶を飲んでいる。
彼はコーヒーカップを置く。
「では、オブザーバーで。」
彼は言う。
「大事には至らなかった。」
リリムは彼の後ろに立ち、手に持った盆がわずかに傾く。そして彼女は立ち直る。
晩餐は続く。
だが礼白は知っている。先ほどの数秒の静寂は、晩餐の全体よりも重かった。




