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新世界の天才国家統治者が、両者の狭間で生き延びる。  作者: miorior


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2/19

誰もその空白がどこから来たのか知らない。

死寂の地。


誰もその空白がどこから来たのか知らない。


大地はひび割れた皮膚のようで、亀裂は視界の果てまで延びている。しかし隙間には土もなく、岩もなく、何もない。色もなく、質感もなく、影すら存在しない。純粋で、人を狂わせるような空白。


百海里の外。


西洋公約の旗を掲げた偵察艦が境界線の上に停まっている。艦橋では、濃紺の軍服を着た三人が舷窓の前に立っている。


「確認したか。」


そう言ったのは中央に立つ中年の男で、肩章には銀星が二つ。彼は振り返らず、視線を窓の外の白い領域に釘付けにしている。


「確認しました。殿下。」


右側の若い士官がうつむいて画面を見る。


「北嵐連盟の第四艦隊も到着しました。我々から二十海里も離れていません。」


「彼らは来るのが早いな。」


中年の男は笑った。


「東州連盟の方は?」


「動きはありません。少なくとも今のところは。」


左側の通信官が口を挟む。


「衛星画像がちょうど戻ってきました。あの空白領域の外縁に……何かがあるようです。」


「何だ。」


「まだ不明です。画像がぼやけすぎています。ですが、以前の完全な空白状態とは違います。」


中年の男はついに振り返る。


「本部に連絡しろ。計算魔法師の派遣を要請する。」


「はい。」


彼は再び窓の外を見る。


「シルヴィエット国……」


彼はその名を口にし、まるで見知らぬ単語を噛みしめるように。


「聞いたことがない。」


「殿下、北嵐の者の仕業ではないでしょうか。」


若い士官が声を潜める。


「何とも言えん。だがもし彼らの仕業なら、国をあの空白の隣に置くことはない。あの空白自体が異常だ。」


彼は少し間を置く。


「それに北嵐も同じように緊張している。彼らの艦隊はずっとその場でぐるぐる回っている。もしこれが彼らの仕業なら、そんなに慌てふためくはずがない。」


通信官が再び顔を上げる。


「殿下、本部からの返電です。計算魔法師はすでに向かっています。三時間以内に到着予定です。」


「三時間か。」


中年の男はあの白い領域を一瞥する。


「三時間以内に、あれがこれ以上伸びないことを願う。」


――


北嵐連盟第四艦隊。


旗艦の艦橋で、髪の毛が灰白色の女が背もたれに寄りかかり、ブーツをコンソールの上に乗せている。彼女は火のついていない煙草をくわえ、目を半分細めている。


「つまり。どこから湧いて出たのか分からない国だ。」


「はい、将軍。」


副官がそばに立ち、印刷された資料の束を手に持っている。


「初歩的な測定によれば、面積はおよそブリテン島に相当します。人口密度は極めて低い。政治体制は不明です。」


「名前は。」


「シルヴィエット国。」


「シルヴィエット。」


彼女は煙草を口から外し、指の間でくるりと回す。


「聞いたことがない。誰か聞いたことあるか。」


艦橋の数人が互いに顔を見合わせる。誰も話さない。


「聞いたこともない国が。一片の空白から生えてきた。」


彼女はブーツをコンソールから下ろし、身体を前に倒す。


「西洋側は何か動いているか。」


「偵察艦を派遣しました。今のところこれ以上の動きはありません。ですが慣例に従えば、彼らは外交団を送るはずです。」


「我々も送る。」


「将軍、まだ相手の態度は確認できていません――」


「だからこそ送るんだ。」


彼女は立ち上がり、煙草を口に戻す。


「もしこれが使える駒なら、西洋の手に落ちれば面倒だ。東州は?」


「動きはありません。」


「古狸め。」


彼女は鼻を鳴らす。


「準備しろ。外交団は遅くとも明日出発だ。それから――」


彼女は窓の外を見る。


「計算魔法師に彼らの言語の解読を急がせろ。彼らが何を言っているのか知りたい。」


――


三時間後。


西洋公約の偵察艦。


計算魔法師はヘルメットを外し、こめかみを揉む。額は汗びっしょりだ。


「どうだ。」


中年の男が彼の後ろに立つ。


「だいたい使えるようになりました。先生。」


若者は息を切らしている。


「彼らの言語は……とても特殊です。我々が知るどの語族でもありません。ですが構造には規則性があります。半日あれば、基本翻訳は完成できます。」


「今、何が分かる。」


「国名。シルヴィエット国。他はまだ処理中です。」


「体制は。軍隊は。」


「先生、本当に時間が必要です。」


計算魔法師は苦笑する。


「この言語は……まるで故意に設計されたかのようです。いくつかの文法規則が非常に整っていて、ほとんど例外がありません。」


「どういう意味だ。」


「つまり、自然に形成された言語ではないということです。むしろ……人為的に構築されたもののように。」


「人為的に構築された言語。」


「文法上はそう見えると言っているだけです。具体的なことはさらに分析が必要です。」


「続けろ。」


中年の男は振り返る。


「翻訳が完了したら、真っ先に知らせろ。」


――


東州連盟。


静かな部屋で、一人の老人が碁盤の前に座っている。向かいに人はいない。


彼は白い石を持ち、一箇所に置く。


「急ぐことはない。」


彼は独り言を言う。


「西洋と北嵐が先に動く。彼らに試させればいい。」


彼は黒い石を手に取り、手のひらに握る。


「空白から現れた国。面白い。」


彼は黒い石を置く。


「非常に面白い。」


――


シルヴィエット国。首相執務室。


礼白は背もたれに寄りかかり、こめかみがずきずきと脈打っている。


一つの手が彼の肩に置かれる。指先がわずかに力を込め、硬直した筋肉を押す。


「首相様。」


声はとても軽く、少しの諦めを含んでいる。


「もう四時間も座りっぱなしです。」


礼白は目を開けない。


「リリム。」


「はい。」


「外交電報はどれだけ溜まった。」


「七通。」


メイドの指が彼の肩甲骨に沿ってゆっくりと押し広げる。


「西洋公約が三通、北嵐連盟が三通、東州連盟が一通。」


「東州の分は何と。」


「礼儀的な挨拶です。実質的な内容はありません。」


「両側は。」


「どちらもできるだけ早く正式な外交ルートを開設するよう求めています。表現はかなり焦っています。」


礼白は目を開ける。


「焦っている。」


彼は繰り返す。


リリムの指が一瞬止まり、また続ける。


「はい。とても焦っています。それに……」


「それに何だ。」


「両側とも探りを入れています。我々が相手側に傾くかどうかを知りたがっています。」


礼白はしばらく沈黙する。


「彼らは我々を小国だと思っている。」


「はい。」


リリムの口調は平坦だ。


「彼らの目には、シルヴィエット国はとても小さい。恐れるに足りない。ですが位置が敏感です。だからどちらも引き込みたい。」


礼白は手を伸ばし、机の上の電報を一通取り、一瞥する。


「文言は丁寧だな。」


「首相親展ですから。彼らはあなたが誰なのかまだ知りません。」


礼白は電報を置く。


「私も彼らが誰なのかまだ知らない。」


リリムはそっと彼の肩を押し、背もたれに戻らせる。


「なら、ゆっくりやればいいのです。」


彼女の声はとても落ち着いている。


「焦っているのは彼らです。私たちではありません。」


礼白は目を閉じる。


「君の言う通りだ。」


「コーヒーは必要ですか。」


「いらない。」


リリムは手を引き、脇へ下がる。


「では、残りの電報を整理してきます。」


「うん。」


礼白は彼女の足音が遠ざかり、扉が静かに閉まるのを聞く。


執務室は再び静かになる。


彼は目を開け、壁のポスターを見る。


尊爵が笑っている。皇女は冷たい顔をしている。


「恐れるに足りない。」


彼は低い声で言う。


指で机を軽く叩く。


「なら、そう思わせておけ。」

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