女皇は十六歳、金髪。
ゲーム画面が冷たい青い光を帯びている。
礼白は画面をじっと見つめ、指でキーボードを叩く。彼は小国が好きだ。小国こそ面白い――資源は限られ、人口は少なく、一つの決断がすべて綱渡りのようだ。すぐにアメリカやソ連を選ぶプレイヤーは、戦略というものをまったく分かっていない。
「面積……イギリス程度。」
彼はパラメータ欄に数字を入力し、地形も調整する。温帯気候、平原と丘陵が入り混じり、海岸線は入り組んでいる。資源は乏しいが、自給には十分。人口密度は極めて低く、都市はいくつかの主要地域に集中している。
「立憲君主制。女皇は十六歳、金髪。」
彼は素早くこの一行を打ち込む。若く、象徴的な君主。権力は議会が握る。そうしてこそ内部抗争の余地が生まれる。
「議会……学生、商人、労働者、科学者。」
四派。互いに牽制し合う。学生は急進的、商人は現実的、労働者は安定志向、科学者は理想主義。四つの力が議会でせめぎ合い、首相はその間に挟まれる。
「軍事アイドル――空軍第一人者、尊爵。不遜で束縛を嫌い、正義感が過剰で、女性関係は派手だが独身。」
礼白は笑った。こういうキャラ設定はいつも人気だ。ポスターを貼れば、徴兵率は一気に上がる。
「二人目、皇女。十六歳で、女皇と同い年。高貴なタイプで、冷たく傲然としている。」
彼は一瞬止まる。二人の十六歳の少女、一人は君主、一人は空軍のエース。この対比はとても面白い。
「軍隊は三十万。うち傭兵が十七万。」
傭兵は安いが、忠誠心が問題だ。正規軍は十三万、それで十分。陸軍は一部のマグネシウム電池と油圧メカを保有している。
「マグネシウム電池……油圧メカ……」
彼は眼鏡を押し上げ、この行をじっと見つめる。これはすでに現実世界の技術より一段高い。彼は差を広げすぎたくなかった。そうなれば一方的な圧勝ゲームになってしまい、面白くない。
「もう少し削ろう。メカの数を減らし、マグネシウム電池は特殊部隊にだけ配備する。」
彼は備考欄に打ち込む:技術的優位は五十~八十年の間に抑える。世代差を生じさせない。
「外交……北境連邦、南洋連合体、西陸同盟。」
三つの名前。適当に書いた。背景設定にすぎず、具体的に展開する必要はない。交流があればそれでいい。この世界が孤島ではないと証明できれば。
壁の時計は午前二時を指している。
礼白は目をこすり、最後に設定パネルをざっと見直す。面積、政体、君主、議会、軍事、外交。すべて埋まった。
「女皇の名前……」
彼はマウスを動かす。カーソルが入力欄で点滅している。
「最後の一つ。」
彼はいくつかの文字を打ち込む。確認を押す。
目の前が真っ暗になる。
――
再び目を開けると、礼白は椅子に座っていた。
濃い色の木製執務机。黒い電話。万年筆。積み重なった書類。
右側の窓から日光が差し込み、彼の手の甲に落ちる。
これは彼の手ではない。
彼は下を見る。長い指、たこはなく、肌はやや白い。爪はきれいに整えられている。彼は手のひらを返し、また戻す。
「俺の手じゃない。」
彼は顔を上げる。
執務室は広くないが、調度は上質だ。絨毯、本棚、壁の二枚のポスター。
左側の一枚――若い男が空軍の制服を着て、口元に不遜な笑みを浮かべ、顎をわずかに上げている。ポスターの下には一行の文字が刷られている:尊爵。
右側の一枚――銀髪の少女。同じく空軍の制服を着て、表情は冷たく、目光は鋭い。下には:皇女。
礼白の呼吸が一拍止まる。
彼はゆっくり立ち上がり、窓辺へ歩く。
窓の外には一つの都市。建物は高くないが、整然としている。通りには歩行者がおり、車もある。遠くには起伏のある丘、さらに遠くには海。
彼はしばらく見つめる。
「地球ではない。」
風格が合わない。車の造型は七十年代と八十年代の間くらいだが、細部に微妙な違いがある。街灯の形、路面の材質、遠くの建物の輪郭。
彼は振り返り、執務机の前に戻る。
机の上に開かれた書類がある。彼は手に取る。
「北嵐連盟……」
「西洋公約……」
「東州連盟……」
三つの名前。世界の構図は一目瞭然だ。二大陣営が対立し、第三の勢力は狭間にある。
しかし、これは彼が設定した世界ではない。彼が設定した世界では、シルヴィエット国は北境連邦、南洋連合体、西陸同盟と往来があった。この三つの名前は、彼が一度も書いたことがない。
「つまり……これは新しい世界だ。」
彼は書類を置き、衣帽掛けのそばへ行く。濃紺の制服の上着。ポケットを探り、一枚の身分証を取り出す。
写真には今の彼が写っている。黒髪、整った顔立ち、写真よりも静かな眼差し。
氏名:シルヴィエット・礼白。
職務:首相。
礼白は身分証を長いことじっと見つめる。
「シルヴィエット・礼白……」
彼は自分の名前を一度口にする。
「フルネームは、シルヴィエット・礼白。中日混血。日本人だ。」
彼は身分証をポケットに戻し、ゆっくり執務机へ戻って座る。
「俺は首相だ。」
彼は背もたれに寄りかかり、執務室を見渡す。
「俺が設定したあの国。面積はイギリス程度、立憲君主制、女皇は十六歳。議会は四派。軍隊は三十万。技術は地球よりやや高い。」
彼は止まる。
「尊爵。皇女。ポスターが壁に掛かっている。つまり彼らは実在している。」
彼は再び窓の外を見る。
「この都市、この人々。すべてが本物だ。彼らは自分たちがずっとここで生きてきたと思っている。」
彼は視線を戻し、机の上の書類に落とす。
「しかしここは地球ではない。北嵐連盟、西洋公約、東州連盟。冷戦構造。1980年代の感じだ。」
彼は書類を開き、シルヴィエット国の現状についての部分を探す。
「突然出現……上層部は混乱……」
彼は数行読む。
「彼らから見れば、この国は元の世界から突然転移してきた。だから上層部は混乱している。だが下層部はまだ知らない。」
彼は書類を閉じ、目を閉じる。
「露見させるわけにはいかない。この国が……マップジェネレーターで生成されたものだと、誰にも知られてはならない。」
彼は目を開け、天井を見る。
「彼らは真実を知らない。自分たちが本物だと思っている。国も本物だと。」
彼はしばらく沈黙する。
「なら……続けるだけだ。」
彼は姿勢を正し、その書類を再び手に取る。
「まずは理解することからだ。」
執務室は静かだ。時計の音だけが響く。
礼白は紙をめくり、一ページずつ読んでいく。
「北嵐連盟、西洋公約、東州連盟。」
彼は低い声で唱える。
「シルヴィエット国。位置は……ここだ。」
彼の指が地図の上を滑る。
「三つの勢力に挟まれている。緩衝地帯だ。」
彼は顔を上げ、再び壁のポスターを見る。
尊爵。皇女。
「軍事アイドル。空軍。軍隊三十万。傭兵十七万。」
彼はわずかに眉をひそめる。
「傭兵……忠誠度が問題だ。だが今はそれを考える時ではない。」
彼は立ち上がり、本棚の前へ行く。指が並んだ背表紙をなぞる。歴史、地理、政治、軍事。
彼は一冊を抜き取り、開く。
「シルヴィエット国史……建国三百年。立憲君主制。議会制度……」
彼は数行読み、また閉じる。
「歴史は完全だ。彼らには自分たちの過去がある。」
彼は本を戻し、机の前へ戻る。
「つまり……これはもうゲームではない。」
彼は自分の手を見る。
「これは現実だ。俺の現実だ。」
彼は深く息を吸い、ゆっくり吐き出す。
「首相。シルヴィエット・礼白。」
彼は万年筆を取り、空白の紙にこの名前を書く。
筆跡は整い、力強い。
「では……仕事を始めよう。」
窓の外では、都市が日の光の下で動いている。人々が行き交い、車が走る。
礼白は執務机の後ろに座り、次の書類を開く。
時計は進み続ける。




