合流だ
牢房。
石壁は厚く、鉄扉は重い。頭上の灯りが一つ、光は薄暗い。四人が壁にもたれて座っている。礼白、尊爵、黎姫、そして黒菱久九。
礼白は黒菱久九を見る。
「君がここに来たのは龍涎のためだ。」
「そう。」
黒菱久九は胡座をかき、手首の抑制環が灯りの下で暗い光を放っている。
「あの魔神武装は。どこから来た。」
「言えない。」
礼白は彼女を見る。
「言えない。」
「うん。」
黒菱久九は首をかしげ、笑う。
「理解し方は……拾った、かな。」
尊爵が隣で鼻を鳴らす。
礼白は問いを続ける。
「龍涎とは何だ。」
「薬。」
黒菱久九の口調は気楽だ。
「簡単に言えば、薬。傷を治し、病を治し、寿命を延ばす。使い方次第。」
「何に使う。」
「使う。」
「誰に使う。」
「自分。」
礼白は彼女を数秒見る。
「最後の質問だ。君と日初の関係は。」
黒菱久九の笑みが一瞬止まる。とても短く、礼白がほとんど捉えられなかったほどだ。
「関係ない。」
彼女は言う。
「龍涎がここにあると聞いただけ。だから取りに来た。」
礼白は壁にもたれる。
「嘘だ。」
「そう。」
黒菱久九はうなずく。
「だが言った通り、言えない。」
彼女は手錠をはめた手を挙げる。
「伝えられるのはこれだけ。」
尊爵が立ち上がる。
「てめえ――」
彼は二歩歩き、拳を握りしめる。
「まあいい。」
彼は黒菱久九の前で止まり、見下ろす。
「女は殴らない。」
「ありがとう。」
黒菱久九は顔を上げ、笑みはとても輝いている。
尊爵は振り返り、壁際に戻って座る。
「腹立たしい。」
彼は呟く。
「さっきメカの中で何度か踏みつけておくべきだった。」
牢房はしばらく静かになる。
そして黒菱久九が口を開く。
「なあ。」
彼女は礼白を見る。
「同盟を結ばないか。」
礼白は彼女を見る。
「何の同盟だ。」
「一時的な。」
黒菱久九は手首を動かす。手錠がじゃらりと鳴る。
「あなたたちは出られない。私も出られない。外の老神官が事を構えている。あなたたちの者は武装解除され、私の者は外で阻まれている。この局面、誰が単独でやっても損だ。」
彼女は少し間を置く。
「私は龍涎が必要。あなたたちは出る必要がある。黎姫――」
彼女は隅の和服の少女を見る。
「彼女は龍涎を持っている。」
黎姫が縮こまる。
黒菱久九は続ける。
「後で私に龍涎をよこせ。今は私が手伝う。それだけだ。」
礼白はすぐには答えない。
彼は確かに同意していない。この素性不明の女と同盟を結ぶのはリスクが大きすぎる。彼女は魔神武装で繁華街で踊り、口から出る言葉に真実は一つもない。
だが黎姫が立ち上がる。
「私、同意します。」
礼白は振り返って彼女を見る。
黎姫の手は和服の袖口を握り、声は少し震えているが、口調はとても安定している。
「私は確かに龍涎を持っています。」
彼女は礼白を見る。
「それに……私は真龍の血脈と関わりがあります。」
牢房の空気が変わる。黒菱久九の目が輝く。尊爵が顔を上げる。
礼白は黎姫を見る。
「自分が何を言っているか分かっているのか。」
「分かっています。」
黎姫はうなずく。
「今はこの話はしない。出てから。」
彼女は手を伸ばす。掌に一滴の透明な液体があり、灯りの下で虹色に輝いている。それは流れ落ちず、ただ彼女の掌の中に浮かび、生きた露のようだ。
「ほんの少し。証明には十分。」
黒菱久九はその一滴を見つめる。彼女の呼吸が重くなる。
礼白は一瞥し、視線を戻す。
「よし。」
彼は言う。
「暫時同盟だ。」
尊爵が立ち上がる。
「行くか。」
彼はポケットから細い針金を取り出す。
「では仕事だ。」
尊爵は黒菱久九の前に歩く。針金を手錠の鍵穴に差し込む。二回回す。カチッ。手錠が外れる。
黒菱久九は手首を動かし、抑制環も外す。
「ありがと。」
尊爵は相手にしない。彼は鉄扉の前に歩き、しゃがむ。針金を鍵穴に差し込む。手錠より少し複雑だ。彼は数回回し、止まり、角度を変えてまた回す。
「この古いタイプの錠。」
彼は低く言う。
「メカより簡単だ。」
カチッ。
鉄扉が開く。
尊爵は立ち上がり、細く押し開ける。廊下は暗い。警備兵はいない。だが遠くに足音がある。多くの者の足音。
「行くぞ。」
礼白が言う。
四人が列をなして出る。黎姫は真ん中を歩き、黒菱久九が殿を務める。尊爵が前を探る。
廊下の突き当たりは曲がり角。尊爵は壁に張り付き、ゆっくりと顔を出す。
そして引っ込める。
「西洋人だ。」
彼は低く言う。
礼白が顔を出して一瞥する。
曲がり角の反対側、西洋公約の一隊が数人の日初神官と対峙している。ハーヴィーは隊の最後尾にいて、トレンチコートはしわくちゃ、眼鏡は傾いている。彼の手には拳銃が握られている。
「あの生意気な日初人に資本主義の鉄拳を味わわせてやれ。」
ハーヴィーの声が曲がり角の向こうから聞こえる。息を切らしている。凶狠さを帯びている。
礼白は視線を戻す。
「ハーヴィーも逃げ出した。」
尊爵が言う。
「どうやら我々だけではないようだ。」
礼白は考える。
「合流だ。」
彼は手振りをする。
「そして一緒に打ち返す。」




