大殿の扉は開いている
展示館外の休憩エリア。
日初の特色ある小吃がテーブルに並んでいる。串焼き、糯米団子、海藻で包まれた魚の干物。礼白は団子を一口かじる。甘い、餡子入りだ。
和服の少女が彼の隣に座っている。彼女は清潔な和服に着替えており、浅い青色で、袖口にはまだ切り取っていない糸くずがついている。おそらく急遽見つけたものだろう。彼女の顔色はさっきよりずっと良くなり、血の気が戻っているが、肩はまだ張っている。
「久称黎姫。」
彼女が自己紹介する時、目はテーブルの上を見ている。
「黎姫と呼んでください。」
礼白はうなずく。
「黎姫。君は日初の人だ。」
「うん。」
「さっきの者たちはなぜ君を追っていた。」
黎姫の指が和服の袖口を弄る。
「彼らは……私を捕まえようとしていた。」
「なぜ。」
「なぜなら……」
彼女は顔を上げる。視線が泳ぐ。天井を見、テーブルを見、礼白の左を見、礼白の右を見る。彼を見ない。
「あなたたちに知られたくないからです!」
彼女の口調は焦っている。語速が速い。台詞を暗記しているかのようだ。
「とにかく……面倒なことなんです。本当に。あなたたちは気にしないで。」
尊爵が向かいに座り、脚を組み、串焼きを一本かじっている。彼は黎姫を一瞥し、また礼白を一瞥する。
「まあ。」
彼は串を置く。
「また今度だな。」
礼白は追及しない。黎姫は安堵の息をつく。安堵が露骨すぎるほどだ。
――
深夜。一台の黒い車が彼らを迎えに来る。
目的地は大殿。日初の皇宮。先ほど見たネオン都市とは違い、ここは静かで、厳粛だ。石段は長く、両側に石灯が立っている。灯芯はある種の発光する石で、火を使わなくても光る。
礼白が車を降りた時、皇女がそばにいないことに気づく。
「皇女は。」
彼は問う。
「ご指示通り。外で準備に向かいました。」
尊爵が反対側から降りる。
「彼女はここにはいない。」
礼白はうなずく。彼は車中で皇女に各国部隊の位置と状態を探るよう指示した。彼女はよくやった。今ここにいないということは、彼女は暗部にいる。
階段の頂上から歌声が聞こえる。
神社の祈りの舞のようだ。一人の少女の声が、ある種の古い旋律を吟じている。詞は聞き取れない。調子は長く、起伏は少ないが、どの音も空気の中に長く留まる。
礼白は階段を上る。尊爵が彼の後ろに従う。黎姫は先頭を歩き、足取りは速く、何かを急いで確認したいかのようだ。
大殿の扉は開いている。
だが階段の上には誰もいない。
声だけがある。扉の中から聞こえる。礼白が扉口に着いた時、歌声が止まる。
一つの声が中から聞こえる。老いた、しゃがれた、遅い声。
「聖女は安眠されました。」
先ほど牢房で会った老神官が歩み出る。白い法袍、高い冠。彼は大殿の中央に立ち、両手を袖の中に組んでいる。
「ここは老臣諸氏。」
彼はわずかに横を向き、手振りをする。
「どうか上席へ。私の名宴となりなさい。」
礼白は敷居を跨ぐ。
廊柱の後ろの影が動く。
銃を持つ者が両側から現れる。少なくとも十人。黒い服、面覆いで顔を隠し、手の銃は制式のもので、先ほどの黒衣の者たちが持っていた発光装置ではない。彼らの銃口が礼白、尊爵、黎姫に向けられる。
尊爵の手が動く。そして止まる。
なぜならより多くの銃口が大殿の奥から現れる。二十。三十。大殿全体を埋め尽くす。
老神官の声は平坦だ。
「皆様、抗う必要はありません。」
彼は言う。
「外の各国部隊はすでに全て武装解除されました。」
彼は少し間を置く。
「皆様はただしばらくお待ちいただければよろしい。」
礼白は銃口に背中を押され、長廊を歩く。彼は反抗しない。尊爵が彼の隣を歩き、両手を挙げ、表情はとても軽い。
「クーデター?」
尊爵が突っ込む。
「分からんな。こんなクーデターがあるか?」
礼白は何も言わない。彼は歩数を数えている。長廊は長い。下への階段。左折。また左折。
牢房。
先ほどの部屋より少し広い。石壁は厚い。鉄扉が閉まると、外の音はほとんど聞こえなくなる。
礼白は座る。壁にもたれかかる。
彼は試す。体内の感覚がおかしい。何かが抜き取られたかのようだ。
「魔法が使えない。」
黎姫が隅に縮まり、膝を抱える。
「ここには禁制がある。」
礼白はうなずく。
そして彼は耳を触る。
隠し型イヤホンはまだある。先ほど護送された時、誰も彼の耳の後ろを探さなかった。シルヴィエットの技術はここよりはるかに進んでおり、このイヤホンは薄く小さく、ほとんど触れない。
彼はイヤホンの側面の触点を押す。
「皇女。」
イヤホンから皇女の声が流れる。とても軽く、とても鮮明だ。
「我々は攻撃を受けました。ご予想通りです。」
彼女は少し間を置く。
「現在、多国部隊は各区域で制圧されています。ですが、私以外は外部と通信できません。」
礼白は聞く。
「了解。外で待機しろ。暴露するな。」
「明白。」
彼は触点を離す。尊爵を見る。
尊爵は向かいの石凳に座り、顎を手で支えている。彼は礼白を見て、眉を上げる。
「どうする、ボス?」
礼白はすぐには答えない。彼は牢房の別の角を見る。
黒菱久九。
彼女もここに閉じ込められている。手首にはまだ抑制環が嵌められている。紫の髪は散り、囚服には埃がついている。だが彼女は地面に胡座をかき、姿勢はとても気楽で、自分の家の居間で座っているかのようだ。
彼女も礼白を見ている。
礼白が口を開く。
「まずは話を聞こう。」
彼は黒菱久九を見る。
「黒衣の女。」
黒菱久九は首をかしげる。
「黒菱久九。」
彼女は言う。
「私の名前。」
彼女は笑う。紫紅色の目が弧を描く。
「どうした、首相様も何か知りたいのか?」




