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新世界の天才国家統治者が、両者の狭間で生き延びる。  作者: miorior


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11/19

機体性能の差は勝敗を決める唯一の条件

広場の上。


砂漠色のメカが銃型35ミリ機関砲を持ち上げる。短点射。三発。


黒いメカは動かなかった。弾丸が通り抜け、後ろの地面に当たり、三つの穴が炸裂する。


そして黒いメカがようやく消えた。紫色の、半透明の残影がその場に残る。本物の機体はすでに十メートル先にいる。残影が一瞬閃き、それも消えた。


「ははははは!」


通信チャンネルにあの女の笑声が流れる。


尊爵は歯を食いしばる。メカの頭部両側の射撃口が反転して現れ、弾丸が掃射される。弾幕が黒いメカの位置を覆う。だが相手はまた消えた。残影が引き裂かれ、本物の機体が側面から滑り出す。


「まったく!」


尊爵は操縦桿を引く。メカが側方へ移動し、相手の尾の横薙ぎを避ける。


「この機動性は本当に人間が耐えられるのか?過負荷で潰されないのか?」


黒いメカの尾が一度振る。尾先の紫色の光刃が砂漠色のメカの胸をかすめ、浅い痕を残す。


「君の機体は悪くない。」


あの女の声がチャンネルから流れる。軽やかで、笑みを帯びている。


「だが性能が違いすぎる。」


――


地上。


展示館の入口。礼白は西洋の軍車の後ろにしゃがんでいる。皇女は彼の隣で、手に小型拳銃を握っている。少女は彼にもたれかかり、呼吸は浅い。


礼白の手は先ほど碎石で擦り傷を作った。血が掌から滲み、石板の上に滴る。


少女はうつむき、彼の手を見る。


そして彼女は近づき、唇を彼の傷口に当てる。


礼白は一瞬止まる。


皇女も一瞬止まる。


少女の唇はとても冷たい。礼白は掌の痛みが消えていくのを感じる。血が止まる。傷が閉じていく。


彼女は顔を上げる。唇に少し血がついている。彼女は手の甲で拭う。


「魔法?」


礼白は自分の掌を見る。擦り傷はもうない。薄いピンクの痕だけが残っている。


「君は――」


少女は指を唇の前に立てる。


「しー。」


彼女の声はとても軽く、少し息を切らしている。


「これはとても精力を使うの。」


彼女は礼白を一瞥する。黒い目はとても明るい。


「それに、私は気軽な女じゃない。普通は薄めて薬にする必要があるの。」


礼白は彼女を見る。


「ではさっきは――」


少女は答えなかった。彼女は頭を礼白の肩に戻し、目を閉じる。和服の袖口はまだ血が滴っているが、彼女自身の傷もそれほど重くないようだ。


通信器から尊爵の声が流れる。大汗をかいた口調。


「首相様。」


彼は言う。


「生死を分ける瞬間にいちゃつくのはやめていただけますか?」


礼白は通信器に向かって。


「いちゃついてない。」


「こちらからははっきり見えます。あの女があなたの手にキスした。そしてあなたの擦り傷が治った。首相様、私は空でこの狂った女に追い回され、あなたは下で美少女にキスされている。これが公平だと思いますか?」


「ちゃんと戦え。」


「ちゃんと戦ってます!」


通信チャンネルに銃声が流れる。砂漠色のメカが広場で転がり、黒いメカの尾を避ける。尊爵の呼吸は重い。


あの女の声がまた響く。より大きな声で。より狂気じみて。


「これが機体性能の差だあはははは!」


黒いメカの紫色の残影が空中で連続して瞬く。瞬くたびに曲がった光の痕を残す。尊爵の機関砲は追いつけない。35ミリ弾が何枚かのショーウィンドウを粉砕するが、一発も相手に当たらない。


「まったく。」


尊爵は歯の間からこの言葉を絞り出す。


皇女は礼白の隣に立ち、広場の戦いを見ている。彼女の表情はとても冷たい。


そして彼女が口を開く。


「いつまで遊んでいるつもり?」


彼女の声は大きくないが、通信器が拾っている。


「帰ってから習慣になって、私に血祭りにされるのを待っているの?」


通信チャンネルが一秒静まる。


そして尊爵が笑う。


「まったく。」


彼は言う。


「よし。見てろ。」


砂漠色のメカが突然移動を止める。立ち止まる。機関砲を下ろし、匕首を収める。両手を体側に垂らす。


黒いメカが側面から突進してくる。尾の紫色の光刃が極限まで輝く。


相手が命中しようとした瞬間。


尊爵が動いた。


メカが一歩前に踏み出す。極めて速い、短い格闘技。左腕で相手の尾を払い、右拳を黒いメカの胸に叩き込む。


そして横蹴り。


砂漠色のメカの右足が黒いメカの側腰を掃く。金属の衝突音が轟く。黒いメカの機体が横に吹き飛び、広場の端の灯柱に激突する。灯柱が折れ、火花が散る。


黒いメカが地面に倒れる。V字形の紫色の目はまだ輝いているが、機体は動かない。


砂漠色のメカが歩み寄る。一脚を黒いメカの胸に踏みつける。機関砲を再び持ち上げ、銃口を相手の操縦舱の位置に当てる。


尊爵の声が外部スピーカーから流れる。平静に。冷たく。


「機体性能の差は勝敗を決める唯一の条件じゃない。」


彼は少し間を置く。


「よく覚えておけよ。この野郎。」


黒いメカの中の女は答えなかった。ただ息遣いだけが。途切れ途切れに。


そして通信が切れた。


――


地上。


礼白が立ち上がる。少女はまだ彼にもたれかかり、目を閉じている。皇女は小型拳銃を収め、その少女を一瞥し、それから礼白を見る。


「彼女はどうする。」


礼白は自分の肩に寄りかかる少女を見下ろす。彼女の呼吸はとても軽く、眠っているようだ。


「連れて行く。」


彼は言う。


「言いたいことがある。」


皇女は彼を二秒見つめる。そしてうなずく。


遠くの広場で、砂漠色のメカが黒いメカの胸から足を戻す。メカの胸には灯りが点り、関節から煙が漏れている。


尊爵が通信器で息を切らす。


「首相様。あの黒いのはどう処理しますか。」


「まず戻れ。」


「了解。だが――この女はどうする。」


「どの女だ。」


「黒い機体を操縦していた女です。まだ操縦舱の中にいます。気を失っているようです。」


礼白は少し考える。


「連れて帰れ。」


「分かりました。」


砂漠色のメカがかがみ、黒いメカの操縦舱をこじ開ける。中の者が引き出される。紫色の髪。黒い操縦服。気を失っている。


礼白はこの光景を見る。


そして彼は自分の肩に寄りかかる和服の少女を見下ろす。


治癒魔法を使う少女。魔神武装を操る女。


日初群島。


「ますます面白くなってきた。」


彼は低く言う。


リリムはいない。女皇もいない。


だが彼は、この二人が戻ったら多くのことを言いたがるだろうと感じていた。

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