軍售処
ネオンが頭の上で瞬いている。
礼白は真ん中を歩き、皇女は彼の左腕を組み、尊爵は右後ろ半步にいる。街道は狭く、人で混み合っている。焼き魚の屋台の煙が漂い、甘酒の匂いが混じる。
そして爆発した。
ドンという音。街道の突き当たりから。地面が一度震え、ネオンの灯牌が揺れ、数枚が落ちて地面で粉々に砕ける。群衆が悲鳴を上げて散開し、押し合いながら後退する。
「隠れろ!」
尊爵が礼白の後ろ襟を一掴みにし、隣の路地へ引きずり込む。皇女はほぼ同時に続き、手はすでにスカートの側面の隠しポケットに入っている。
二度目の爆発。さらに近い。
礼白は背中を壁につけ、メインストリートの人波が押し寄せるのを見る。黒服の者たちが四方八方から現れる。少なくとも二十数人。動作は整い、手には短棍とある種の発光装置を持っている。彼らは話さず、ただ素早く前進し、群衆を一方向へ追い立てる。
「テロリストじゃない。」
尊爵が低く言う。
「軍人だ。歩き方を見ろ。」
「装備は日初の制式らしくない。」
皇女が続ける。
「西洋にも北嵐にも見えない。」
礼白が口を開こうとした時、影が側面からぶつかってきた。
一人の少女。
彼女は礼白の胸に衝突し、二人は一緒に路地の奥へ倒れ込む。尊爵の手はすでに上がっていたが、相手を確認して止まる。
少女は華麗な和服を着ている。深紅の地に金色の錦鯉と白い水紋が刺繍されている。袖口と裾には血がついている。彼女の肩は震え、手は必死に礼白の襟を掴んでいる。
「お願い――」
彼女は顔を上げる。とても若い顔。十五、六歳のようだ。黒い長髪、顔色は青白いが、目はとても明るい。
「あなた方は強そうに見えます。どうか私をあの者たちから逃がしてください。」
礼白はうつむいて彼女を見る。
血が彼女の袖口から滴り、石板路に落ちる。彼女は傷を負っているが、致命傷ではない。彼の襟を掴む手はとても安定しており、怖がっているようには見えない。
礼白は半秒だけ考えた。
そして彼はかがみ、片手を彼女の膝の裏に通し、もう片方の手で背を支え、横抱きに持ち上げる。少女はとても軽い。皇女よりも軽い。
「尊爵。ルート。」
「左折。二本の路地を抜けて、地下通路がある。出口は軍售処の裏手だ。」
「行くぞ。」
皇女はすでに前にいる。彼女は速く走り、スカートの裾が翻り、アイスバーはずっと前に捨てた。礼白は後ろに続き、少女の髪が彼の腕を掃く。尊爵が殿を務め、手は終始隠しポケットから出ていない。
路地は狭い。ネオンの光は高い壁に遮られ、頭上一線の空だけ。足音が壁の間で反響する。
「この警備はひどすぎる。」
礼白は息を切らす。
「こんな場所にテロリストがいるなんて。」
「首相様。」
尊爵の声が後ろから届く。
「人を抱えて走りながら文句を言う余裕があるとは。感服します。」
「黙れ。この先左折か。」
「そうだ。」
左折。また左折。鉄の扉が路地の突き当たりに現れる。皇女が一脚で蹴り開ける。中は下へ続く階段。地下通路、薄暗く、湿っているが、空いている。
彼らは駆け込む。背後から追手の足音が聞こえるが、鉄の扉に阻まれる。
「軍售処まであとどれくらいだ。」
礼白が問う。
「出口を上がればすぐだ。」
皇女が言う。
「各国の軍隊がそこにいる。彼らは追ってこれない。」
――
軍售処。大きな展示館。
入口には各国の軍車が停まっている。西洋公約の青星旗が夜風に翻る。北嵐連盟の灰熊旗もある。東州連盟の墨色環紋、西中海共同体の三角徽、北原の極光紋。
礼白が地下通路から飛び出した時、最初に目に入ったのは西洋公約の警備隊だった。ハーヴィーがなんと入口にいて、今日は濃い灰色のトレンチコートを着て、一人の士官と話している。
「首相先生?」
ハーヴィーが振り返り、礼白が血まみれの少女を抱き、後ろに皇女と尊爵を従えているのを見る。
「これは――」
礼白が答える暇もなく。
大地が震動した。
先ほどの爆発よりはるかに大きい。展示館のガラスカーテンウォールがガタガタと鳴り、軍車の警報器が一斉に叫び出す。街灯が消え、また点き、そして点滅し始める。
遠く、ネオン都市の方向に、黒い影が浮かび上がる。
メカ。
シルヴィエットの砂漠色メカより高い。全体が漆黒で、表面にはある種の流動する紋様があり、液体金属が冷却した後の痕跡のようだ。背部には鋭い尾があり、尾の先は分岐している。頭部には顔がなく、V字形の紫色の目が一対、夜色の中で刺すように輝いている。
ハーヴィーの顔が青ざめる。
「こんな場所で誰かが騒ぎを起こすなんて!」
彼は罵倒し、そして声が突然変わる。
「くそ!あれは魔神武装だ!」
礼白は少女を抱え、皇女と尊爵の後ろへ退く。
「魔神武装とは何だ。」
彼は問う。
ハーヴィーは振り返らない。彼の手が震えている。
「東州と日初にしかないものだ。古代魔神の遺産。彼らはごく一部しか復現していない。だがこれは――」
彼は唾を飲み込む。
「これはここに現れるはずがない。日初がこれを出すはずがない。」
皇女は礼白の隣に立ち、浅い灰色の目でその黒いメカをじっと見る。
「日初のものじゃない。」
彼女は言う。
「動きを見て。踊っている。」
礼白は見る。その黒いメカは確かに動いている。緩慢で、リズムのある、ある種の儀式を執り行うかのような舞踏。一歩地を踏むごとに、地面が震える。
――
黒いメカ内部。操縦舱。
一人の女が座席に寄りかかっている。彼女の髪は深い紫色で、長く、肩に散っている。目は紫紅色で、瞳孔はとても明るい。彼女は黒い緊身の操縦服を着て、胸には銀の徽章がある。
「龍涎か。」
彼女は独り言を言う。声はとても軽く、どこか漫然とした笑みを帯びている。
「伝説ならいいのに。」
彼女は手を伸ばして画面上のパラメータを調整する。メカの尾が一度振り、尾の先が空気を劃り、鋭い嘯声を発する。
「だが手に入れるとなれば――」
彼女は少し間を置く。画面のレーダーに一機のメカが高速で接近しているのが映る。
「ん?」
彼女は首をかしげる。
「魔神武装?」
彼女の口角が上がる。
「面白くなってきた。」
――
軍售処の入口。
礼白は傷ついた少女を西洋の医療兵に引き渡す。そして彼は振り返って尊爵を見る。
尊爵はすでに上着を脱いでいる。
「皇女。首相を守れ。」
「分かってる。」
皇女は礼白の前に立ち、手をスカートの隠しポケットに入れる。礼白はその中に少なくとも小型拳銃が一本、おそらく他にも何かあると推測する。
尊爵は軍售処の隣の駐機場へ走る。シルヴィエット国が出展した陸軍メカがそこに停まっている。砂漠色の迷彩塗装、十八メートル級、胸に一つの灯りが点っている。
操縦舱が開く。尊爵が飛び込む。
メカの目が光る。黄色い光。
砂漠色のメカが歩みを進め、軍售処前の広場へ出る。黒いメカと向かい合う。
「貴方方、名乗ったらどうだ。」
尊爵の声がメカの外部スピーカーから流れる。どこか怠惰な、気にしない調子を帯びている。
「請求書を送りたいんでね。」
黒いメカが舞踏を止める。V字形の紫の目が彼に向く。
通信チャンネルに女の声が流れる。軽やかで、雑談でもするかのようだ。
「ならば吾の舞踏の下で――」
彼女は笑う。
「しばらく持ちこたえてください。」
メカの背後の尾が弾ける。
「はははは。」
笑声が夜空に木霊する。
ネオンがすべて消える。
残るのは二機のメカが向かい合って立つだけ。一機は砂漠色。一機は黒。一機は光の中。一機は闇の中。
礼白は展示館の入口に立ち、この光景を見る。彼の手は体側に垂れている。皇女は彼の前に立ち、微動だにしない。
西洋のハーヴィーが彼の隣で、まだ何か呟いている。北嵐の者たちが反対側から走り出る。東州の者たちは遠くに立ち、林秀もいて、手にはまだあの茶碗を持っている。
礼白は尊爵のメカを見る。
「持ちこたえろ。」
彼は低く言う。




