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【漫画単行本4巻・書籍1巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
『金策せよ! 樹海の護衛依頼!』

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二人きりでお茶会しましょう?


 木造のコテージのようになった、あたたかみのある可愛いお店。

 ケーキとパン、そして美味しい天然水を扱う『コテージ・フルール』の扉を開く。


「いらっしゃいませー! あ、ケイカさん!」


 挨拶と共に向けられた輝かんばかりの笑顔。花が咲いたようなとか、向日葵《ひまわり》のように満面の笑みでとか、いろいろと形容できる表現はあるがずばり一言。かわいい(語彙力消失)。


「こんにちは、リリィさん。今空いてらっしゃいますか?」


 リリィは一人でお店を切り盛りしてはいるが、お店はカウンター以外のテーブル席などは半自動でお会計が済むのである程度お話しする時間はある。しかし、あまり人に聞かれたくないお話だからなるべく二人になりたいところ。


 せっかくレキに良い情報を聞けたのに、みすみす他人に情報を拡散するようなことにはしたくないのだ。それに、注意深く町を確認していけばNPCの店に親しげに出入りする農業や生産系のプレイヤーの姿がちらほらと見られた。


 言われなければ気づかない程度だが、すでに知っている人はいるんだろう。そして、その誰もが情報を口外していないことは容易に想像がついた。スレッドなどで共有されている攻略方法ならばまとめサイトに必ず載っていないとおかしい。


 特にこの、NPCのお店を取引先にするという方法は金策の要だ。安定した収入が得られる方法はそう多くはないだろう。だからこそ、皆ライバルを増やさないために情報を伏せているのだ。


「二人でお話ししたいのですけれど、大丈夫ですか?」

「あら嬉しい、ケイカさんと久しぶりにお茶ですね! もちろん、構いませんわ!」


 眉を下げて丁寧にお願いすると、リリィは手をパンと合わせて喜びの言葉を紡ぐ。レジのカウンターからぴょんこと跳んできたこっとんちゃんもどことなく嬉しそうだ。しかし、まだ一応営業中だと思うのだけれど、本当にいいのだろうか? 


「営業が終わってからまた来ましょうか?」

「大丈夫ですよ、今バイトの子がいるんです! さあさ、バイトの皆様。わたくしは少し休憩に入るのでレジをお願いしますね」

「はい、リリィ様!」

「お任せください!」

「のんびりと休憩して大丈夫ですからね!」


 リリィの言葉に首を傾げると、店のバックヤードのほうから女の子が三人現れてびしっと敬礼した。名前が出ているので明らかにプレイヤーだ。り、リリィ様……? 様付け? 


「行きましょうか」

「え? あ、はい」


 困惑しつつ、入れ替わるようにバックヤードへ。

 へえ、NPCのお店でバイトとかできるんだ……あの子達はリリィのファンかなにかだろうか? それとも、まさか売り上げを狙う泥棒なんてことはないだろうか? 神獣郷の住民ならともかく、プレイヤーならやりかねないが……。


「ふふ、そんな剣呑な顔をしなくても、あの子達なら大丈夫ですよ。わたくしのお手伝いをよくしてくれています。それに、他の人のように逃げ出そうともしません」


 ん、他の人のように逃げ出す……?

 ……なにをしたら逃げられるんだろうか。そこはちょっと気になったが、それをすると話が脱線しそうなので気持ちを抑える。


「……えっと、口に出てました?」

「いいえ、お顔が『あやしい』とおっしゃっていました」

「あはは、お恥ずかしい……」


 基本的に私は、リアルから来たプレイヤーはなんでもすると考えている。神獣郷のコンセプトは『優しい世界』だが、外から来た私達はその枠には収まらない。故に、疑いがちである。こないだのサタソ様みたいに、あり鯖で節度を守りつつ(キャラを殺しといて節度がどうのと言いたくはないが)なんでもやる人もいれば、なし鯖でできる範囲の悪事を働く人もまあまあいるのだ。


 むしろあり鯖でやらかす猛者よりも、なし鯖でイキろうとする小悪党のほうがよほど性格的にはタチが悪い。やるなら修羅の里でやれ。こっちにくんな。そして修羅道で復活して即殺されるリスキル祭りをされてしまえばいいんだ。


「ケイカさん、お顔が怖いです」

「あ、ごめんなさい。つい……」

「それで、今日はどのような用向きでしょう?」


 バックヤードの部屋でリリィが紅茶をさっと淹(い)れて、美味しそうなスコーンとストロベリージャムが乗った皿をコトリと置く。どうぞと促されたのでありがたくお礼を言い、私はここでようやく本題に入るのだった。


「リリィさん、私の屋敷で生産している果物と野菜を購入する気はございませんか?」


 皮肉以外で回りくどくするのは苦手なので、ド直球勝負。


 足元では、そんな私達のお茶会の様子を眺めるこっとんと、そしてうちの子達が和気藹々とじゃれあっているのでした。


章タイトル名が決まり次第、演習場以降でタイトル名を変えます!ご了承くださいませ!

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