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余次元住まいのハザマ様! part5 ー小ネタ集ー  作者: 山桃


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「Sky」をプレイする室生家の人々《訴えかける親》

室生 初音: 地方の芸大生 三年生の後期のみ、

     室生本家で世話係のアルバイトをしている。


ハザマ様 =室生(むろう) 透青(とうせい)

      室生家の巫覡(ふがき)をしている。

      中の人は月島(つきしま)秀青(しゅうせい)で芸大の助手をしていた


御影(みかげ) 様

陸(りく)  様 お役目様の内孫三人衆の内二人

     霊的能力を持つ


結界師である俺は仕事を素早く仕上げ、切り上げる。

時計の針は午後4時を指している。

豆を挽き、サイフォン式で淹れたブルーマウンテンをすすりながら、俺はスマホを取り出した。


よし、デイリークエストが切り替わった。


すると、廊下をつかつかと歩く足音が近づき、襖の前でピタリと止まったかと思うと――


ぱあああぁぁぁぁああんっ!


勢いよく襖が開け放たれた。

そこに立っていたのは、ハザマだった。彼は無表情のまま、静かに俺に問うた。


「御影(みかげ)、今日のクエストやったか? 捨て地のアレだ」

・プレイヤーにお辞儀をする

・捨てられた地に彷徨う光を捕まえる

・墓所の焚き火を訪れる

・訴えかける親を解放する


「!!!」


(やべぇ、よりにもよって『訴えかける親』かよ……。コイツはチーム組んでやらないと無理だな)


訴えかける親……通称「ギターパパ」。

暗黒龍(えび)という、目ざとくド突きに来る巨大な龍が四匹も巡回している。そのエリアをかいくぐっての精霊解放だ。それだけではなく、蟹までたくさん寄ってきて体当たりをしてくる。


ちなみに、『Sky』三大難解放の一つである。これを解放する度に、これまで何枚の光の羽根を失ったことか……。


「おい、三人ぐらいでやらないと無理だぞ」


俺が言うと、ハザマはスマホを取り出して初音を呼び出した。

「すぐサインインしろ、今日は手強いぞ」


初音は泣きそうな声を上げる。

「暗黒龍(えび)が四匹もいるところで解放だなんて、怖くて出来ない〜!」


俺は、いきなり呼び出された初音が気の毒になり助け舟を出した。

「初音、俺が解放役になるから、エビにド突かれた時、お前は散った羽根を拾ってくれる係な」


するとハザマがすかさず割り込んでくる。

「じゃあ、私が蟹を気絶させる係でいいか?」


「なんでハザマは楽な係を進んでするんだよ? エビの誘導とか身代わりをすれば、漢を上げられるのに」


「身代わりは、女性のためにしか出来ない」 


――そうか、そうか。つまりハザマはそういうやつ

なんだな――


呆れつつも俺が精霊を解放し進めていると、いわゆる『鯖別れ』(サーバー別れ)という現象に遭遇してしまい、目の前から初音とハザマがふっと消えてしまった。


味方が誰もいねぇ……。なんてこった。


世の中の理不尽を凝縮したようなゲームだ……。

一人取り残されて絶望していると、ゲーム歴が長そうな野良のプレイヤーが、蟹を気絶させつつ暗黒龍をいなし、俺を最終目的地まで安全に先導してくれた。


助かった……。


俺はキャンドルを四本貰い、無事にデイリーを終えた。

あとで聞いた話によれば、初音は途中でギブアップし、ハザマのヤローは光の羽根を八枚も失ったそうだ。


ざまあーみろ。



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