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飼い猫が超絶イケメンで困っています!  作者: 酔い氏


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( ΦωΦ )♡#13.5 やきもち〜ルナ視点〜

少し話が前後しています。

やきもちPart2のあとの話です。

ルナの言っている「あいつ」は湊音のことです。

俺は基本的に我慢している。


みことがいやがることはしたくない。

だから抱きつく時も力加減を考えるし、キスだってちゃんと許可を取る。


番になりたい。

恋人として認められたい。

そう思っていても、みことの気持ちを置いていくつもりはなかった。


……でもそれは俺に余裕があるとき限定だ。


「……嫌い。だいきらい。あいつ」


ソファの上で猫のように丸くなりながら、俺はぼそっと呟いた。


湊音という男。

初めて会った時からなんか嫌だった。


みことに触れるし、妙に距離が近いし。

そこまではいい。まだ俺も許せる。

が、一番の問題は、みことが警戒しないこと。

俺からすると、それが一番危険だった。


自分がどれだけ無防備か、みことはわかってない。

どれだけ可愛いか。

どれだけ男を勘違いさせるか。

全部知らない。

初めて湊音が髪を触った時。

俺は本気でかみつきそうになった。


初めて隣へ座った時は反射的に間に入り込んでやった。

二人が肩の触れるような距離で笑い合っているのも落ち着かなかった。


でも我慢した。

みことが「幼なじみだから」って言うから。

好きな人に嫌われたくなかったから。


だから我慢した。

ずっと、ずっと、ずっと。


……あの日までは。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


みこととあいつが買い物に行ってから、俺は暇になって外を散歩していた。

で、帰ってきたらみことが壁際に押し付けられていた。


頭が真っ白になった。

近い。

触れるな。

俺のだ。

一瞬でいろんな感情がよぎった。


嫌な予感はしていた。

だから走った。

猫の姿で必死に。

今思えばあの時人間姿になっていたら、もっと早く着けたのだろうが、そんなことも思いつけないくらい俺は焦っていた。


けど、あの時人間姿だったら、たぶん俺はあいつをぶん殴っていた。

人間姿で誰かを殴ったことはないし、殴ったらみことに怒られるってわかってたから、猫の姿で良かったと少しは思っている。

……少しは。


怖かった。

みことが取られると思った。

胸がぐちゃぐちゃになった。

呼吸が苦しかった。

猫の本能とかじゃなくて、もっと単純な、好きな人を奪われる恐怖だと、今ならわかる。


気づいたら俺はあいつの顔面へ突撃していた。

後悔はしてない。


「……はぁ」


俺はため息をつきながらソファに顔を埋めた。

思い出すだけで嫌だった。

あいつは危険だ。

みことを本気で好きだ。

俺には分かる。


あいつの視線、声、距離感、全部がみことを意識してる。

みことだけが分かっていない。


『幼なじみだから』


その言葉を聞くたびに思う。

幼なじみだから何なんだ。


信頼してるから?

幼なじみだから?

…くそくらえ。

それがなんだ。

みことは俺のだ。


みことは誰にでも、普通なら警戒する距離に平気で入れる。

それがあいつを調子に乗らせている。


正直。

俺は何度も考えた。

目の前で見せつけてやりたい、と。

恋人だって。

番だって。

みことは俺を選んだって。


分からせたい。


あいつが触れようとするたび、みことを抱き寄せたくなる。

目の前で手を繋ぎたくなる。

これでもかと言うくらいキスしたくなる。


でもみことは嫌がる。

恥ずかしがる。

だから我慢している。


実際、湊音が遊びに来るたびに戦っていた。

自分の本能と。


あいつがみことを追い詰めていた日の夜。

みことは寝ていた。

静かな寝息、柔らかい髪。

俺は隣で横になりながら、その顔を見つめる。

綺麗だと思った。

猫の頃から大好きだった。

けど、あまりにも無防備でちょっと不安になった。


「……みこと」


小さく名前を呼ぶ。

当然返事はない。

そっと手を伸ばして、みことの指に触れてみる。


恋人になれた。

番候補だと言ってもらえた。

これで本当は十分幸せなはずだった。

だって、俺は猫だから今起きていること全て、叶うはずのないことだったのだ。


なのに。


「……取られたくない」


小さく零れる。

俺は自分でも引くくらい独占欲が強い。

あいつが現れてから、余計に。

もしみことがあいつを選んだら。なんて、考えるだけで胸がしめつけられるようだった。


だから、俺は寝ているみことの手を握る。

みことが離れないように。

自分に言い聞かせるように。


「……絶対やだ」


その声は多分すごく小さかった。

でも俺、誰より本気だから。

俺を選んでて欲しい。

いつまでも。

この度は手に取ってくださり、ありがとうございます。

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