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飼い猫が超絶イケメンで困っています!  作者: 酔い氏


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14/18

( ΦωΦ )♡#12 やきもちPart1

ある日の昼過ぎ。


インターホンが鳴った。

ソファで丸くなっていたルナが、ぴくっと耳を動かす。

「にゃ」

「はいはい、出るから」

美琴はマグカップを置いてパタパタと玄関へ向かった。

ドアを開けると、そこにはいかにもチャラそうな男が立っていた。

「……え」

目の前の男が、にっと笑う。

「ひっさしぶり!みこっちゃん!」

明るい茶髪にピアスで、軽そうな雰囲気を醸し出している。

「……湊音?」

「お、覚えてた」

「当たり前でしょ!」

昔より背が伸びて、妙に顔も整っていた。

が、笑い方や仕草は昔のままだった。


湊音は美琴の幼なじみだ。

家も近く、小さい頃は毎日一緒に遊んでいた男。

しかし高校卒業後、美琴は少し遠くの大学へ進学したため一人暮らしする事を決めていた。

湊音も仕事や人付き合いで忙しくなり、気づけば数年まともに会っていなかった。


「急にどうしたの?」

「いやー、みこちゃんここ住んでるっておばさんから聞いてさ。俺異動でこっち方面来たから、ちょっくら挨拶しに来た」

湊音が昔のように笑うと、美琴も自然と笑ってしまう。

「上がる?」

「いいの?」

「ここで立ち話もなんだし」

すると、リビングの奥から、低い唸り声が聞こえた。

「……に゛ゃぁ」

「あれ?猫飼ってんの?」

湊音が不思議そうに聞いてきた。

湊音の指の先には、毛を逆立てたルナがいた。

警戒しまくっている。

「うわ、美形な猫」

「ルナっていうの。昔拾った」

「へぇ~!俺猫好きなんだよね~」

湊音がしゃがみ込み、手を近づけると、

「シャーッ!!」

「え、怖っ!?」

ルナの威嚇が飛んだ。

美琴は慌てる。

「ルナ!」

ルナは完全に湊音を敵認定していた。

前に知らない猫を見た時より警戒してる。

「……俺嫌われてる?」

「こんなこと普段あんまりないんだけど……」

ない訳では無い。

最近のルナなら普通にありえる。

特に男相手に対しては顕著だった。

そのためか、ルナは美琴の足へぴったりくっついて離れなくなった。

俺の。とでも言うかのように…

湊音はそれを見て吹き出した。


「……もしかして、みこちゃん猫に守られてる?」

「違うと思いたい」

「いや絶対そうじゃん」

ルナはその間、じっと湊音を睨んでいた。


〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜


〜数時間後〜


ルナはずっと不機嫌だった。

湊音が美琴と話すたびに、間へ割り込んでくる。

膝に乗り、美琴へ擦り寄る。

最終的には、美琴の胸元へ顔を埋めて動かなくなった。

「……この猫、独占欲やばくね?」

湊音が笑う。

美琴は苦笑した。

「昔からこんな感じ」

「へぇ」

湊音は頬杖をつきながらルナを見る。

「お前、みこちゃんのこと大好きなんだな」

ルナの尻尾がぴたりと止まる。

美琴は気づかなかったが、湊音は見ていた。

猫とは思えない反応だった。

まるで言葉を理解してるような…


「……なあ、みこちゃん」

「ん?」

「今彼氏とかいる?」

「……?…私!?」

急な質問に美琴が真っ赤になって固まる。

ルナも固まった。

湊音は笑いながら続ける。

「いや、昔から可愛かったし。今日会ってめちゃくちゃ綺麗になってるから気になった」

「な、なんで急に……」

「俺さ」

湊音はさらっと言った。


「昔から、みこちゃんのこと好きだったんだよね」


2人+1匹の動きが完全に止まる。

美琴の顔が熱くなる。

「え」

「いや今も好きなんだけど」

少し軽そうに見えるが、湊音は大真面目だった。

ルナの毛が逆立つ。

「に゛ゃ……」

「ん?」

湊音がルナを見る。

ルナはもう限界だった。

美琴の腕へ爪を立てるレベルでしがみついている。

「ルナ痛い!」

「……にゃ」

美琴がルナを引き剥がそうとするが、止まらない。

湊音が軽く笑った。

「なーんか邪魔されてる気分」

「いやほんとごめん」

「でもさ、美琴」

湊音が少しだけ距離を縮める。


「今フリーなら、俺わりと本気で――」


ぼんっ、と光が弾けた。

「は?」

湊音が固まる。

美琴も固まった。

ソファの上。

そこにいたのは、黒髪の青年だった。

整った顔に青い目。

不機嫌そうな表情。

そして、一番困惑の原因となっているのは、美琴へ抱きついた状態のままということだった。


「…………」

「…………」

沈黙が続いた。


数秒後。

湊音が口を開く。

「……えっとー。なにこれ」

ルナは湊音を鋭く睨んでいた。

「みことは俺の。取るな」

「喋った!?」

湊音は目を見開いて固まる。

美琴が頭を抱える。


バレた。


バレても問題はないのだが、彼氏(?)が猫というのは複雑なもので、美琴は誰にも言えないでいた。

湊音は数秒呆然としたあと、腹を抱えて笑い始めた。

「ははっw!! なにこれw!!」

「笑い事じゃないから!」

「いや待って無理、猫がイケメンになった!!」

湊音が腹を抱えて笑いだした。


ルナは不機嫌そうに眉を寄せる。

「うるさい」

「しかも喋るしw!」

「ルナほんとごめん黙って」

でも湊音は全然引いてなかった。

むしろ目を輝かせている。

「え、待って。マジ? 本当に猫?」

ルナは美琴を抱きしめたまま、じっと湊音を見る。

見るというか睨んでいる。

湊音はそんなルナを見て、また笑った。

「いやー、おもろ……」

「湊音、これ秘密にしてくれない?」

美琴が顔の前で手を合わせて懇願するように言う。

湊音は「あーはいはい」と軽く手を振った。


「誰にも言わねーよ」

「ほんと?」

「こんなん言っても普通信じてもらえないし」

湊音はニヤニヤしながらルナを見る。


「でも条件付ける」


「え?」

「定期的に遊び来ていい?」

「なんで!?」

「いやだって面白すぎるだろ」

「質問形なのに決定事項なんだ…」

ルナの眉間に皺が寄る。

「来るな」

「嫉妬してんの?」

「してる」

湊音は吹き出した。

「素直かよ」


するとルナは美琴の肩へ顔を埋める。

甘えるというか、牽制に近い形で。

「みこと、こいつやだ」

「聞こえてるからな〜?」

「チャラい」

「偏見!」

「私も見た目的にはチャラいと思うけどね?」

「みこちゃんまで!?そんな言う??」

湊音は、美琴に泣きつきそうな勢いで寄って来てルナにはたかれている。

それでも湊音は楽しそうだった。


久々に会った幼なじみ。

そして、美琴を好きな男。

そんな相手を前に、ルナは独占欲を隠す気がなかった。


うるさくするルナをなだめる美琴は、帰り際に湊音がボソッと言った言葉を拾えなかった。

「…ま、隙あったら奪うけど」

この度は手に取ってくださり、ありがとうございます。

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