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正義と云う名の…。


 数の暴力。


 「正義って言葉があるけど、その意味なんて人によって違うんだって知ったの…。だから、間違いも正しいも無いって事。私達が信じていたモノは私達が正しいと思い込んでいただけのモノだって事。」


 だからさ…。妹の瞳には生気は無い。


 「結局は、力があり、数を揃えた方に正義は微笑むのよ。そうねぇ。例えば…。自爆する覚悟のある軍隊を持ったりね。要は…。数の暴力…。」


 さぁ。起きなさい…。と妹は云った。すると先程、息絶えた筈の蟻の群れがユルリと立ち上がり俺に殺意を向けてくる。


 「軍隊蟻と自爆蟻。その特徴を組み合わせた私の下僕…。道徳(モラル)の欠けた集団を造ったの…。此れが私が理想とする正義よ。お姉ちゃん…。」


 また妹は嗤った。


 【軍隊蟻】


 巣を作る一般的に知られる蟻とは異なり、軍隊の様に隊列を組む。眼に付いた獲物に集団で襲い掛かる獰猛な習性を持つ。グンタイアリ属の一部を除き、眼が退化している。その為、盲目(・・)であろうと云われている。


 【自爆蟻】


 腹部を収縮させる事で腸壁を破裂させ、爆発の衝撃で内部にある分泌腺から毒性の粘着液を放出する。自爆(・・)すれば確実に、その蟻は死ぬ。自己犠牲的な行動にはなるが、コロニー全体としては利益をもたらす行為である。


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