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守るべきモノ。


 此の世界は弱肉強食…。少しでも弱い心を見せると周りから蔑(さげす)まれる…。


 「お姉ちゃん…。生きると云う事は、それだけでも何処かで誰かを傷付けている場合もあるでしょ?そして…生きているだけで傷付く事も…。だって人間って弱いから…。」


 妹は言葉を再び紡ぐ。まるで弱い自分を覆い隠す様に言葉の弾幕を放つ。


 「此の世界は弱肉強食…。少しでも弱い心を見せると周りから蔑(さげす)まれる…。だから。だからこそ…。常に相手の上に立たないといけない…。自分(・・)を守れるのは自分だけなんだから…。」


 それでね…。

 と妹は此方を睨(ね)め付けた。


 「お姉ちゃんを殺せたなら私は…。もう誰にも虐められなくなるでしょ?」


 そう云って妹は蟻型の化物に命を下した。蟻の群れが此方へと殺意を剥き出しにし、襲い掛かってくる…。


 俺は妹である翠(みどり)に言葉を翳(かざ)す。


 「ソレも間違っちゃいない。一理あるとも思う。自分を守る為の行動に、汚いも何もないからな…。だけどな…。この世界の理不尽に立ち向かうのなら…。それだけじゃ駄目なんだよ。翠。」


 迫りくる蟻には眼もくれず…。

 俺は妹を視る…。


 「確かに俺には力があった…。けれど俺は己の信念を曲げられなかった…。立ち向かうには力を持たないと何も出来なかったから必然的に力が必要だったからな…。そして…俺は不器用だ…。気付くのが遅くなったんだ。俺は力の使い方を間違っていたんだ…。だから…。」


 俺は翠…。御前を救ってやれなかったんだ…。俺は俺の両の拳に力を込める。


 「だからこそ…。姉として…。道を外れた御前に…。正しい道を示さなきゃいけない…。」


 【チタニウム】


 俺は再び【咎】の名を纏(まと)った。


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