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鏡面世界。


 鏡面世界。


 【鏡面世界】


 僕の声が響くと半透明のクリオネの欲獣を球体の鏡が覆っていった。その球体の内面は破壊する事が出来ない鏡となっているようだ。その球体に閉じ込められたモノは感覚が左右反転となるらしい。(正確に云うのであれば前後反転しているようだ。)


 視覚も感覚も狂って逝く世界。


 僕の目の前には球体の鏡がコロコロと転がっている。球体の鏡の内側からクリオネの悲鳴や叫び声が聞こえてきた。ゆがて、その声は嗤い声に変わっていく。


 その音が…。

 周囲にいた欲獣を誘き寄せた。


 「大丈夫だから…。」

 まただ。声が聴こえる。

 「私が守ってあげるから。」

 この声も僕の声だ…。


 デメニギスを原型とした欲獣。ブロブフィッシュを原型とした欲獣。ハダカデバネズミを原型とした欲獣。ヌタウナギを原型とした欲獣。パープルフロッグを原型とした欲獣。計五体の欲獣が家の中に侵入してくる。


 「私が守るから…。何もしないで…。」

 また僕の内側から声が聞こえてきた。


 【鏡面世界】


 瞬時に五体の欲獣は、其其それぞれ、球体の鏡に取り込まれていった。球体の鏡に映るのは己と少し似た己である。前後左右が反転し、歪み、輪郭が滲んで回転していく。そして…。閉じ込められた欲獣の脳内に響くのは【貴方は誰?】と云う言葉だった。その言葉は一定の時間で繰り返し繰り返し木霊する。そして…【ゲシュタルト崩壊】へと至る。意味を持つモノから、ただの構成要素へと変わっていくのだ。己の顔や姿が認識出来なくなり、纏まりの無い図形として認識されていく。


 球体の鏡からは嗤い声だけが聞こえた。


 狂笑きょうしょうだ…。 


 鏡面世界。

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