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妄想を語り、真実を捏造する。


 心を殺していった…。


 ある報道がされてから俺達の家族はユルリと狂っていった。【あの男は俺以外にも何人もの少女・・を拉致監禁していた】と云う。そして…。無傷で発見されたのは俺だけであり、他の者は短時間で一週間も経たずに酷い方法で殺害され、遺棄されていたのである。どの遺体も四肢が壊死しており、最後に首を絞められていたらしい。


 【では…。何故?十一年もの間、監禁されたあの子だけは何事もなく無事に家族の元に帰れたのか?】


 ソレについて様々な憶測が飛び交った。その心無い言葉で妄想を語っているやから共が真実を捏造し家族の心を殺していったのである。昼夜を問わずに押し寄せる報道陣。家の窓に石を投げ付け、暴言を書いた張り紙をする隣人達。脅迫めいた手紙と共に剃刀の刃を送り付けてくる者。外を歩けば指を指され、家に籠もれば窓越しに罵倒される。そんな日々が続いた。


 俺はどこ吹く風ではあったが…。両親や姉は心を病んでいったと思う。両親も姉も物音に敏感になり、何か音がする度に…。指を唇に添え…。【しーっ。静かに…。】と云い、視えない何かにおびえる様になっていった…。


 ソレを客観的に視ている俺がいた。


 人が壊れていく時は、緩やかに狂っていくのだと他人事の様に感じていたと思う。


 家族に限界が近付いていた最中…。東京に真白な閃光を放ちながら隕石が落下した。純白の景色は十分十秒続き、その間、東京は時間を停止した様に静寂に包まれていたのだと、後に識った…。


 俺は、その十分十秒の静寂に…。

 夢の様なモノを視ていたと思う。

 

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