↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/77

 聞こえない聞いてない

∼前回のあらすじ∼


  魔法陣《トラップ》を踏みました


 崩れ落ちた瓦礫《ろうか》の山を、上《へや》から見下ろす、王女。

「あ~これは…死にましたね・・・」


 「勝手に…殺すな!」

  積み重なった瓦礫に埋もれていたスパイが、上澄みの瓦礫を吹き飛ばして、姿を現した。


  動けないスパイは、身体を捻りながら、瓦礫に埋もれた下半身を引き抜く。

 「おかしいだろ!魔法を無効化されているに、こんな大掛かりな仕掛け(トラップ)!」


「あ──城内に仕掛けられた侵入者撃退対策用の魔法陣(トラップ)は、魔法無効化の魔道具と魔力が繋げられているので、無効化されないんですよね──」


  ”まだ”隠し事をしていた王女に、呆れた表情を向ける。

 「・・・国防に関わる大事な情報だから、俺には隠していたわけか?」


「いえ、隠していたわけでは無く…皆、周知の事実でしたので…あなた以外は…」

 言葉を濁す王女は、どこか気まずそうに、スパイから顔を背けた。


 「もしかして俺・・・忘れられ/


「静かに!」


【バタバタ】

 音を聞きつけた衛兵の近づいて来る足音が、廊下に響く。


 崩れた廊下の先から見えない様に、二人は物陰に身を潜めた。


   剣を持った兵士が二人、崩れかけた廊下の崖《はし》に近づき、下を覗く。

  「な、な、なんだこれ⁈」


  『きっと、王女様の部屋に仕掛けられた魔法陣(トラップ)が、発動したんだ』


  「ということは…近くに王女様が⁉」


  『バカか、お前…たしかに王女様は、学力も魔法も”凡才”だが、自分が仕掛けた罠に引っかかるほどの”マヌケ”ではないだろ?』


  「じゃあ、この魔法陣を発動したのは、誰?」


  『おそらく、王女様の姉である”光の破壊者”か…王国最強の称号を持つ姉の夫か…或いは、その両者だ」


  「そんな化物、二人《おれたち》だけじゃ相手にならないよ!」 


  『・・・よし、戻ろう』


  「・・・怒られない?」


  『命あっての兵士《つとめ》だ。よくぞ生き延びたと、王様なら仰って下さるだろう』


  「・・・うん!王様なら許してくれる気がする」


  『よし。見つかる前に逃げよう』


  「そうだね!」


 剣を鞘に納めて、廊下を走り戻って行く衛兵たち・・・

  

 「あいつら・・・死んだな」

  物陰から出て来たスパイが、怒っているであろう王女《うえ》の方《かお》を、半笑いで見上げた。


 遠くを見つめ、兵士が逃げた方向に、微笑みを向ける、王女。

「殺しは…しませんよ?だって私は”王女”ですから…」


 「あ・・・怖ぇー」

  言葉の裏に隠された怒りを悟り、背筋を凍せる。


  「待てーい!」


 兵士が逃げた廊下の方《さき》から、薄っすらと聞き覚えのある声が、薄ら笑いを続ける王女の耳に聞こえて来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。