死の淵
∼前回のあらすじ∼
鎧を着ました
身体を縄で縛られ、顔がボコボコに張れ上がった状態で正座する、スパイ。
「俺は忠告した。どうなっても知らないからな・・・」
「姉様を怒らせるなんて…自業自得ですわね…」
「この地図。細かい所まで、良く描けていますね…」
スパイが差し出された、王城内部が描かれた手書きの地図を広げて見る、王女。
「…魔法が使えない状況下で、その公爵娘を連れて行くつもりか?」
明らかな同様を見せ、自信なさげな目を泳がせる。
「あ、姐様に鍛えられていますから、私だって…多少は…戦えますわよ?」
「悪いが、俺一人では、非戦闘員二人は守り切れない。どちらかは、”死ぬ”」
「私、嫌ですわよ!帝国に置き去りにされるなんて・・・」
「昨日、お義母様と街で浮かれ騒いでいたのは、誰だったかしらね?」
「それは・・・」
賑わう街を練り歩いた昨夜の記憶に、反論できず、視線を逸らす。
「…とは言え、あなたが居ないと、公爵を誰も止められない」
「娘を殺された怒りで、周りが見えていない公爵は、
城内の兵士に、私達の命令には従わないよう、指示を出しているはず…」
「その暴走した公爵を説得できるとしたら・・・」
「私…だけですわね…」
切なくも、どこか嬉しそうな表情を見せる。
「ですから…死んでも、私達の命を守ってくださいね?」
スパイの目を見て、優しい微笑むを向ける。
「・・・断る」
募らせた怒りを隠して、優しい微笑みで返答する。
「・・・では、改めてルートの確認を/
「あれ?人の返答…ひょっとして聞こえてない?」
左右に揺れて訴えるスパイを、視界の端に捉えながらも無視する、王女。
「はぁ…ここの残ったとしても、皇帝に処刑されるのよ?」
「だから、俺が生き残る未来は、偽勇者と交代するしかねぇんだよ…」
「まさか・・・あなたも非戦闘員なの?」
「・・・そうだ!俺は、逃げ専門なんだよ!悪いか⁉」
恥ずかしそうに顔を背けて、耳を真っ赤にする、スパイ。
スパイの姿を直視できず、顔を背けて笑いを我慢する、二人。
「屈辱・・・忘れねぇからな!」
自力で縄を解いて、ゆっくりと立ち上がる。
「という事で、俺は、あっちの/
「嫌です」
歩き出したスパイの肩を掴み止めた、王女。
「ま、まぁ、気持ちの問題じゃねぇ/
「私は、嫌ですわ」
両腕で肩を力強く掴み、澄んだ眼差しで見つめ続ける。
王女からの信頼を感じて嬉しくなり、照れくさそうに笑う、スパイ。
「いや~そうか…悪いが/
「あっ、別に、あなたが必要って意味じゃないわよ?」
「・・・は?」
「私達には、あなたの”転移魔法”が必要なの!」
「・・・はあ⁇」




