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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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70/73

 解読難解

∼前回のあらすじ∼


  兄妹喧嘩に巻き込まれました


 王女と目が合わない様に、遥か遠くを見つめる、帝国スパイ。


 ()()()

「私が無礼を働いたのでしたら、お詫び致します。ですが…」


 「待て!お前…その文字が読めるのか?」

  眉をひそめた皇帝が、王女の持つ紙を指差す。


「文字?あ・・・」

 日本語…そう言えば、こっちの世界に転生してから見ていなかったかも…

 文字の読み書きには、一度も困ったこと無かったから、

 つい、何の違和感もなく読んでしまっていた…


「え、え~と・・・」

 疑いを持つ皇帝の眼差しに、冷や汗を流し、必死に言い訳を考える、王女。


   皇帝に近づいた姉様が、手元から紙を奪い取る。

  「あ~この文字!たしか、王国の古い文献で見た気がするな~」

   

「え⁈そ、そうですわ!私もそこで・・・」

 お姉様~流石です!

 咄嗟の機転うそでピンチを救って/

 

   眉間にしわを寄せて、首を傾げる、姉様。

  「だが…この漢字かたちは見たこと無いな!」


「お、お姉様⁉」

 再び、王女に向けられる、疑惑の視線…


   周囲の視線など気にしていない姉様は、皇帝の椅子に足を乗せて詰め寄る。

  「で、これは唯の紙切れ…じゃないのよね?」


 「・・・未来予知魔法」

 「対象あいてを選択し、魔力を自身の体に巡らせる事で、対象の未来を授かる」

 「だが!解読できない文字故に、未来まほうの詳細は不明である」


 たしかに…文字が読めたとしても、この文章じゃ意味が…

 冷蔵庫?と電球?扇風機?に加湿器?

 何で家電製品ばかり…

「もしかして・・・魔法の属性とか?」


 「魔法だと?」


「・・・」

 漏れ出た思考ことばを隠そうと、咄嗟に口元を押さえた、王女。


  姉様の足を払い落し、目線を逸らした王女に迫る、皇帝。

 「・・・詳しく説明しろ!」 


「え~と…」

 思考を凝らし、この場を切り抜ける言い訳を絞り出す。

 

 今更、知らないふりしても、誤魔化せるわけない

 ”転生者だから”なんて言ったら、もっと大事になることは目に見えている

 でも、魔道具まほうを使うこの世界で、家電の説明をしても伝わらないし…

 どうしよう・・・

「言葉の意味は分からないけど、ニュアンス?が魔法の属性に似てるな~って…」


 「魔法属性・・・」

 

 「冷は、氷魔法。電は、雷魔法。風は、風魔法。加湿は…水魔法か!」


「いえ。電は、光魔法で、加湿は…炎魔法ですね」


  冷静に間違いを指摘した王女を、無言で見詰める、皇帝。

 「おい・・・警備兵を呼んで来い!」


  「おっと…処刑は無しだぜ!処刑は…駄目だ!」

   皇帝と王女の間に割って入り、珍しく強きで説得を試みる、スパイ。


 「はあ?馬鹿か?貴様は!」


  「・・・は?」


 「未来予知が使える者を、余が処刑するわけ無いだろ?」


  「あ・・・そう。そうか。そうっすよね~」

   ほっと息を吐き、安堵する、帝国スパイ。


 「喜べ!処刑されるのは…貴様だ」


  「・・・え⁈」


  「噓!噓!うそ~‼」

   兵士に脇を抱えられたスパイは、地面に足を引きずらせながら、牢獄へと連行されて行った・・・

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