省略
∼前回のあらすじ∼
可笑しな二人と再会しました
道端に並んだ、正座する三人。
「…皇帝を回収に王都へ転移しようとしたら、魔法が発動出来ず、仕方なく隣街へ転移して来た…と?」
「はい。全て、王女様のご説明通りです」
地面に腕を付けて、神を崇めるように頭を垂れる、帝国スパイ。
「じゃあ…帝国へ繋がる転移魔法陣が、この街にあるのね?」
「簡単な道じゃなかった…何度も味わった苦労と挫折・・・」
新しく開発した転移魔法陣の開発過程を、熱く語り始めた。
王女の沸き立つ怒りを察して、隣で正座をする偽勇者が説明を始める。
「え~要約すると、転移先に魔法陣が無くても、『10%の確率で亜空間に飛ばされるけど』長距離の移動が可能な転移魔法陣を開発したという話です」
「お話しの途中で、〘亜空間〙って聞こえたんですけど…気のせいですわよね?」
「そこは…まぁ…気にすんな。転移に失敗した事例は、”まだ”無ぇから…な?」
顔を上げて弁明するスパイの頭を、上から踏みつける。
「勿論、帰還用の転移魔法陣は、帝国に用意して来たのですわよね?」
「・・・用意して無い…です」
「往復で二回の移動…無事、帰って来れるかしらね?」
足元のスパイに向けられる、圧い笑顔の眼差し…
「はい…仰せのままに…」
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無事?転移魔法を駆使して、帝国の城へ移動して来た、一同。
「ふぅ~長い道のりですた…わね~…」
背後に広がった、カオスな後景に目を向ける、王女。
転移魔法を使い、魔力切れで倒れ込む二人。
帝国に連れて来られ、怯える二人。
互いに背を向けて、目も合わせない二人。
あれから、一向に目を覚まさない皇帝。
「す、少し、休憩にしましょうか…」
「…賛成だ」
「こんな所に長居はしたくありませんわ!帰りましょう!早く王国へ!」
「休憩など必要ない!我々の目的は、逆臣を捕らえて国を解放することだぞ?」
「・・・」
一斉に喋られても、聞き取れないんですけど…
「とにかく!|今は、スパイの回復を待ちましょう」
納得できない決定に不安を募らせ、更に重くなる場の空気…
「大丈夫かな・・・」




