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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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66/68

 道化師と道化師

∼前回のあらすじ∼


  不倫現場を目撃しました


 見て見ぬふりをする通行人の視線…

  

 「お義兄様。私が仲を取り持ちますから、誤解を解きますしょう」

  道端で正座を続ける義兄をに動くよう、説得を試みる、王女。


「気持ちはありがたいが、これ以外、私が反省の意思を示す方法は無い」

 凛々しい正座を、通行人に披露する、義兄。


  正直、二人の仲がどうなろうと、どうでもいい

  しかし、兵士が迫る中、二人に夫婦喧嘩なぐりあいを始められたら…

 「…面倒くさいな~」


 隣で芸を披露していたピエロが、義兄の肩に、優しく手を差し伸べる。

「・・・当然の報いだ。慰めなど要らない」


 オーバーサイズの服を引きずり、義兄の周り滑稽こっけいなダンスを披露する、ピエロ。

「気持ちはありがたいのだが、今は/


 「お義兄様…馬鹿にされていますわよ」


「・・・何⁉」


 「そのピエロ(ふたり)の顔を、よ~くご覧になって下さい」


 動きが止まったピエロの顔を、じっくりと見詰める。

「・・・誰だ?」


  「おいおい…そりゃねぇよ!なぁ?」


   「僕は会話したことありませんから、覚えられていなくて当然だと…」


  「忘れられていたのは、俺だけか・・・」

   ショックを受けて、直立で天を仰ぐ、帝国スパイ。


  スパイなんだから、顔を覚えられてない事は、嬉しい事でしょ…

 「で、転移で服が無くなったことは、見当がつきますけど…その衣装は何?」

 

   「拾いました」


  「盗ん…拾った!」


 「へぇ~拾った…どこで?誰から?」

  嘘をつき遅れたスパイに、苦虫を嚙み潰したような顔で詰め寄る。


  「そ、そこの路地裏で…盗賊団に出会って…」


 「盗賊団がピエロの格好?もう少し、現実的な噓をつきなさいよ!」

  肩に担いだ皇帝を、スパイに投げ下ろす、王女。


   慌てて皇帝を抱え、気まずそうに王女から目線を逸らす、スパイ。

  「い、いや~ピエロの盗賊団は本当で、盗賊団から衣装を剝ぎ取ったってだけのうそなんだけど…」


 「・・・無実の民(ピエロ)から剝ぎ取ったのでは無くて?」

  鋭い目つきで、棒立ちの偽勇者に返答を求める。


   「・・・はい」


  背を向けて歩き離れ、優しい笑顔で振り返る。

 「では・・・死んでください」


  「・・・は?何で、俺が殺されるんだよ!理不尽だろ!」


 「今のは、そういう話でしたわよね?」

  再び、鋭い目つきで、偽勇者に返答を求める。


   「…在りもしない嘘をつき、王女に恥をかかせたのですから、死罪ですね」


  「お前!裏切りやがったな!」

   胸ぐらを掴み合う、ピエロとピエロ。


「まぁまぁ、悪気は無かったのだろう。許してやりなさい」

 立ち上がった義兄が、胸ぐらを掴んだ手を引き離して、仲裁に入る。


 「お義兄様が、お姉様と仲直りしてくださるのなら…


  「お兄様・・・」

   義兄の手を両手で握り、感謝の眼差しを向ける。


 握られた手を、力強く両手で握り返す。 

「私を馬鹿にしたおどりについて、許すつもりは無いがな…」


  「あ、あ、あはははは…王女様?」

   呼びかけられた王女は、優しい笑顔を向けて、通行人の波に消えて去った。

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