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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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65/68

 余計な一言

∼前回のあらすじ∼


  王都から脱出しました


 兵士を振り切り、隣街に走り着いた、一同。


「無事?何事も無く着きましたわね~」

 花が並ぶ通りに癒され、大きく背伸びをする、王女。

 

   「姐様…なぜ、花屋がこんなに?」


 「昔、好き嫌いの激しい、気難しい女王様がいたらしい…」

 「王都へ向かう貴族は、女王が好きな花を、献上品としてこの街で買い求めた」

 「結果、この街は花の名産地へと変貌を遂げた」


「お母様の話を、”昔”の出来事のように…後で、お叱りを受けますよ?」


 「ははは、大丈夫だよ~王都から離れた場所なら、女王様の地獄耳みみには入らない…と思う」


「忠告はしましたよ…私は知りませんからね…」

 花屋に潜んでいる誰かに伝わるように、辺りを見回して目線を送る。


 「・・・噓?」

  こちらを見る店員の視線が、凶器の目へと変わる…


「冗談ですよ…少し、緊張感を持って行動を・・・あれ?」

 通りで群がる淑女の中心に、見覚えがある人影が…

「・・・お義兄様?」


  「あはは・・・」

   訳も分からず人集ひとだかりに飲まれ、困惑した表情の義兄。


 全員が口を噤み、場の空気が凍りつく…


「え~と…取り敢えず、無事でよかったで…お姉様?」


  顔を凍りつかせたお姉様が、ゆっくりと人集りに近づいて行く。

 「へぇ~人気者じゃない…」  


(ひそひそ)お義兄様!逃げて下さい!」

 身振り手振りで、お姉様の接近を伝えようとする、王女。


   王女と目が合い、のんきに手を振って返す、義兄。

  「おお~迎えに来て・・・違うんだ⁉これは⁉」

    

 「やましい事が無いやつは、一言目に言い訳なんてしないわよね?」


   その場で正座になり、素早く頭を地面に付ける。

  「すまない…違う、誤解なんだ!」


 「・・・すまない?」

  火に油が注がれる…

 「今、謝った?謝ったのよね?へぇ~謝るような事をしたって、認めるんだ⁈」


  「いや…違…いや…」


 「もう結構です!」

  頭を下げ続ける紳士あにと、啞然とした淑女ひとびとを残し、どこかへ行ってしまう。


 残された空気に耐えれきれず、散り散りに解散して行った淑女ひとびとを見届け、

 正座するお義兄様に近づく。

「お義兄様…無事みたいですね」


  「…無事に見えるか?」

    

   「姐様を傷つけたのですから、自業自得です!」


 素直な意見に感銘を受け、地面に頭を打ち付ける、義兄。

「と、取り敢えず、顔を上げて下さい」

 

   顔を上げた義兄は、皇帝を肩に担ぐ王女を見て、飛び起きる。

  「なぜ、皇帝それがここに⁉」


「・・・私が言うのも何ですが、一言目が間違っていますわよ?」

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