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無能だと言われて実家を追放されたハズレ職【人形術師】による成り上がり擬似英雄劇  作者: カムシロ


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3/8

打ち上げの場で

 依頼完了の報告をするために冒険者ギルドの中へと入る。ギルドの中には何人かの冒険者達がいる。俺と同じように依頼完了の報告に来た者もいれば、これから依頼に行こうとしている者までと様々だ。

 扉を開けて中に入ると視線が俺に向けられる。良くも悪くも勇者であるエマのパーティーメンバーということもあり顔が知られており注目されることが多い。ただ、好意的な視線は少ない。ほとんどの人が『分不相応にも勇者のパーティーに居座っている奴』という認識だ。

 こう言った視線にはもう慣れたし、気にしているだけ時間の無駄だ。


 向けられる視線を無視しながらギルドの受付に向かって歩き出す。

 俺の姿を確認したギルド職員のロレーナさんがこちらに笑顔を向ける。


「お疲れ様です、リアムさん。依頼の報告ですか?」


「はい」


 ロレーナさんはギルド長の娘であり、俺とエマが冒険者になりたての時にお世話になった人だ。俺に蔑んだ視線を向けることのない数少ない人物でもある。


「ゴブリンキングとゴブリンクイーン、そして大量のゴブリンの殲滅でしたね」


 俺は先程回収してきた討伐達成の証拠となるものを出す。


「はい。確認が取れました。こちらが今回の報酬になります」


「ありがとうございます」


「またよろしくお願いしますね。期待しています」


 ロレーナさんに一礼してギルドを出る。俺は得た報酬を手にエマたちが待つ店へと向かって歩き出した。


 ◆◆◆


 歩いていくと周りがどんどん賑やかになってきた。目の前にエマたちが待つ店が見えてきた。あの店は冒険者達が集まる食事場だ。

 冒険者向けの料理や大量の酒が用意されており、依頼を終えた冒険者達はここに集まることが非常に多い。


 店の中は非常に騒がしく冒険者達が酒を飲んで騒いでいる。

 店の中を見回すと店の真ん中あたりにエマ達の姿を見つけたので近づいて歩いていく。


「お疲れ様。ありがとう」


 俺に気がついたエマが声をかけながら飲み物を渡して来る。それを受け取りながら席に着く。


「遅いから先に食べてたよ」


 酒を飲んでいるからか若干顔が赤くなっているルイナ。食べ始めているのはルイナだけでエマもスフィリアもまだ食べ始めていない。一応スフィリアは待っていてくれたようだ。


「みんな揃ったことだし乾杯しようよ」


 エマの提案に合わせて乾杯をした後それぞれ料理を頼んで食事を始めた。


 しばらく食べ進めていく。ルイナが酒を飲んでいくにつれてどんどん声が大きくなりテンションが上がっていく。終いには周りの冒険者にも話しかけていく。


「今回の依頼も楽勝だったよ! みんなにもボク達のリーダーの活躍を見せてあげたかったよ! まさに勇者の戦いだったんだよ!」


 周りの冒険者達も酒が入っておりルイナをはやし立てる。


「それなのに全く役に立たない奴がボク達のパーティーにいるなんておかしな話だよね! 今日だって散々足を引っ張ってくれたしさ!」


 酒の勢いに任せて俺のことをいつもの調子で貶し始める。酒が入っているせいで止まらない。


「ボクたちとの実力差がわからないのかな? ボクだったら恥ずかしくてパーティーにはいられないよ。みんなもそう思うよね?」


 野次のような囃し立てる声と笑い声が店中に響き渡る。今に始まった事ではない。だが……


 立ち上がる俺にエマが声をかける。


「リアム?」


「ちょっとトイレに行ってくる」


「う、うん」


 言われて思うことがないと言えば嘘になる。俺は気持ちを落ち着けるように店の外に出た。

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