624 射的
一═┳┻︻▄(´・ω・`)
「ぱぱ、あれなに?」
金魚すくいを終えてご機嫌なレナちゃんと手を繋ぐ千鶴が、ある屋台を指さして聞いてきた。そちらに視線を向けると、去年は無かったはずの射的があって、ぬいぐるみとかお菓子が並べられていた。
「あれは射的って遊びだよ。そこにある銃で景品を落としたら、その落とした景品が貰えるんだよ」
「やってみていい?」
「もちろん」
射的は、屋台の中では高い部類だけど、可愛い娘のためだし躊躇はない。コルクの玉を数発貰ってから、千鶴は少し大きな銃にふらつきつつ、試し打ちした。まあ、案の定大きく外れたが、端の方にあったドロップスが落ちそうになったのは凄い偶然だと思う。
「うーん、むずかしい・・・」
「千鶴はどれが欲しいの?」
「うんとね、あれ」
そう指さしたのは、桃のマスコットの人形だった。少し大きいので落ちるか分からないが・・・まあ、多少の手助けはありだよね?
「千鶴、構えてみて」
「うん」
やはり、少し重いようでうまく定まらない照準を俺が手で支えて合わせてあげる。隣では、レナちゃんに指導する後輩がいるんだけど・・・妹相手なのに手つきがあれなのは気のせいだろうか?
そんなことを思いながら、千鶴が引き金を引くのを黙って見ていると、2発目は的をギリギリ掠めていった。うん、次は当たりそうだな。
「千鶴、いける?」
「うん、ぱぱがいるから、だいじょうぶ」
その信頼が嬉しい3発目で、見事に桃のマスコットのぬいぐるみに直撃して、景品が落ちた。
「やった!」
「おめでとう、千鶴」
「ぱぱのおかげだよ。ありがとう」
そう言いながら、頬にキスをする千鶴。後ろで若干嫉妬の視線を感じたので後でフォローしないとなぁ・・・なんて思って、後輩とレナちゃんの方を向くと向こうもリンゴのマスコットのぬいぐるみをゲットしたらしくはしゃいでいた。
にしても、このマスコット見たことないんだけど・・・オリジナルなのだろうか?
「健斗」
「はいはい、分かってます」
千鶴ばかりに構っていたので、今度は嫁の方に向かって、機嫌を直すように軽くキスをしておく。それで少し落ち着いたようなので、ダメ元で遥香が欲しそうな景品を射的でゲットしておく。妊婦の遥香が射的をするのは、ダメではないが、夢中になって体勢を崩したら危ないし、男の甲斐性としてカッコイイところを見せるために1発で景品をゲットする。
昔から、こういう役に立たないことは得意なんだよね・・・まあ、それでも千鶴も遥香もそれでカッコイイと言ってくれるから嬉しいんだけどさ。




