618 お留守番の感想
(´-ω-`)フム
なんとか落ち着いた水瀬さんは、現在千鶴を膝の上に乗せて遥香と楽しそうに会話していた。千鶴がここまで懐くのは珍しいが、それも水瀬さんの人柄ゆえだろう。遥香も楽しげに会話してるし、本当にいい彼女を親友は貰ったものだとしみじみ思う。
「んで、里帰りは楽しめたか?」
さて、そうして華やかな女性陣とは対象的にいつも通り俺は親友と話していた。
「まあね、1人だけ会えなかったけど」
「恵さんか?」
「うん、まあ、そのうちこっちに顔出そうたけどね」
父さんはどちらの実家にも顔出しはしてないようだが、個別でお義母さん達には会ってるみたいだから、時間が空いたら訪ねてくるだろうし、あまり心配はしてなかった。
「ただ少し悩ましいのは、皆千鶴が可愛いから、ついつい色々したくなるってことだろうね」
「まあ、分かるよ。見てて保護欲そそるもんな」
雅人の視線の先では、水瀬さんの膝の上でリスのようにクッキーを齧る千鶴がおり、我が娘ながら大変可愛らしかった。
「水瀬さんの膝の上取られて嫉妬してるかと思ったけど」
「ん?まあ、お前の娘だしいいよ。それに、そこまで心は狭くないからな」
「さいですか、それで?同棲生活のイメージは湧いた?」
雅人のことだから、水瀬さんの外泊許可を得てウチに泊まってただろうと思いそう聞くと、雅人は首を竦めて言った。
「まあ、一応な。楽しすぎて帰りたくないくらいだ」
「そのうち一人暮らしして、同棲すれば?」
「俺はいいが・・・亜矢がなんて言うかだな」
多分、二つ返事でOKすると思いますよ。
「いっそ、ウチの隣に引っ越してきたら?確か隣の人来月引っ越すらしいし」
「・・・なるほど、それはいいかもな」
冗談でそんなことを言うと、雅人は何故か真剣に頷いていた。あれ?冗談のつもりだったんだけど・・・
「大学へのアクセスも問題ないし、そろそろ一人暮らししたかったからな」
「巡李さんと薫ちゃん寂しがらない?」
「向こうも、こっちに引っ越せばお前んとこにも顔出しやすくなるだろうし、大丈夫だろう。ただ、問題があるとすれば・・・」
「水瀬さんのご両親?」
「正確には父親だな。強面の頑固オヤジって感じの人だから、今回の泊まりもなんとか上手く納得させたが・・・」
なるほど、愛娘の同棲に素直に納得するのかは難しいところかもしれないな。まあ、俺も千鶴が大きくなって、好きな男と同棲したいって言えば少なからず反対したい気持ちが湧いてくるかもしれないしね。
「ま、実現するか分からないけど、ファイト」
そうとしか言えないところだった。その後は普通に留守番の話を聞けたので、俺もあまり気にしてはいなかったけど・・・後に、これが本気だったことが判明するのにさほど時間は必要無かった。




